05.検査業務について

キノコは植物ではありません

きのこは菌類の一種で真菌類に属し、カビや酵母と大変近い関係にあります。ところで、ほとんどの方は「きのこ は植物だ。」と思っていることでしょう。

実は、きのこは動物でも植物でもありません。もっとも、きのこをはじめとする菌類が「第三の生物」として認められるようになったのはつい最近のことでそれまでは、長い間植物の仲間とされてきました。

私たちが きのこを食べるのは、いわゆる傘と柄の部分になりますが、この部分は植物でいえば繁殖器官である「花」にあたります。きのこの場合には、これを「花」ではなく、「子実体」といいます。

この子実体は、菌糸体という糸のように長い細胞から発芽し、胞子を作って放出しながらどんどんと仲間を増やしていきます。このような繁殖形態から、動物でも植物でもないことがわかります。

キノコを作る菌類には大きく分けて、菌根共生菌・木材不朽菌・アンモニア菌等があります。

菌根共生菌
菌根共生菌は、樹木の根と結びついて生活する菌類の事です。菌根と呼ばれる、樹木のそれよりも細かく広範囲にわたる構造を形成していて、樹木には集められない土壌中の水分や栄養分を樹木に与える代わりに、樹木から光合成等で得た栄養分を吸収して生活しています。

菌類のこの役割は一般にはあまり知られていませんが、植物の9割程が何らかの菌根共生菌と関係を持っているという研究もあります。

菌根共生菌の作るキノコの例 マツタケ ハツタケ テングタケベニテングタケ ドクツルタケ 等

木材不朽菌
木材不朽菌は、枯死した木や落ち葉を腐らせて(分解して)栄養源として、生活している菌類の事です。彼らが存在しなければ、地球は数千万年分の落ち葉と丸太で覆われてしまい、ヒトを始めとした生物は、生息できないだろうとまでいわれています。
木材不朽菌の作るキノコの例 シイタケ エノキタケ ナメコ ブナシメジ マイタケ ヒラタケ 等

アンモニア菌
動物の死骸や屎尿等、分解過程でアンモニアを生ずる物の分解過程に出現する菌類を、アンモニア菌と呼びます。この菌群は、日本人の相良直彦氏によって発見された。 このほかにも、特定の化学物質を分解する菌が存在する事が認められています。

アンモニア菌の作るキノコの例 アカヒダワカフサタケ キツネタケ 等

「死んだら土に還る」働きは、木材不朽菌等の分解菌によるものです。

これは、生態系を成り立たせる物質循環の「輪」を形成するパーツとして、無機物から有機物を生産する植物・それを消費する動物等と同等に、重要な役割をしています。

参考資料等:「きのこ のおはなし」岩出菌学研究所 より
キノコ博士のキノコミュージアムより