06.食品調味について

味の種類について

私たちが日常摂取する飲食物の味は千差万別です。その上、一つのものに感ずる味は人それぞれの嗜好によって差異があるため、味の種類や味の良否をいちいち的確な言語で表現することは極めて困難になります。

古来から、どこの国の人々でも味覚を甘味(あまみ)、酸味(すっぱみ)、鹹味(しおからみ)、苦味(にがみ)、の4種に区別していることは共通的です。

味の科学的分類を最初に発表したドイツのヘニング(Henning)は、甘味、酸味、鹹味、苦味の四つの味が基本的な味で、すべての他の味はこれらを混合して作り出されると述べました。

これは色に3原色があって、赤、黄、青の3原色があればすべての色彩がこれらの配合で作られるという考え方と同じなのです。

それで、ヘニングはすべての味は4面体で囲まれた空間中の一点に位置付けすることができると説明しました。

ところが、魚類や肉類または、かつおぶしやコンブ類のだし汁には独特のうまみがあって、このうま味は上記の4原味のうちのどれにも入れることのできない別種の味であるため、4原味のこのうま味を加えて5原味とすることもあります。

甘味の代表的なものには砂糖があって、酸味には酢酸があって、鹹味には食塩があるように、うま味(旨味)の代表的なものにはグルタミン酸ソーダがあります。

閾 値

砂糖を水に溶かして、この液を水でだんだん薄めていき、ある所まで薄めて味わってみると、もはや砂糖水であるか、普通の水であるか区別がつかないようになります。

このときの砂糖の濃度を砂糖の最低呈味濃度または閾値(いきち)と称しています。

食塩は0.2%水溶液すなわち500倍の水で薄めると、食塩水であるか真水であるかの判別がつかないようになります。

同じようにショ糖は200倍、酢酸は8,300倍となります。苦味のキニーネは200万倍で、うま味のグルタミン酸ナトリウムは3,000~3,500倍となっています。

苦味やうま味は甘味、しおから味と比較して非常に薄めてもその味を感じることができます。言い換えれば、苦味やうま味は味として非常にのびがきくものということができます。

最低呈味濃度を知ることはその味ののびを知るということで、調理上、大変参考になるものといえます。

参考資料;食品調味の知識より