06.食品調味について

しおから味
食塩のしおから味

食塩のしおからさに近いものといえばリンゴ酸ナトリウムぐらいのもので、それでも細かくいえばかなり異質の味なのです。古くは腎臓病などの食事療法に無塩しょうゆが用いられて、この際のしおから味には食塩の代わりにリンゴ酸ナトリウムを用いていました。

リンゴ酸ナトリウムを用いたのは、腎臓病などの浮腫を伴う病気では食塩中のClイオンが害があると考えられていたためですが、近年の研究ではこれらの病気にはCl-ではなくて、逆にNa+が影響することが明らかにされているので、無理して塩化ナトリウムの代わりにリンゴ酸ナトリウムを用いるのは意味がないことになります。

現在ではこの種の用途には塩化カリウムが用いられています。食塩に似たしおから味をもつ有機酸塩としてはリンゴ酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、グルコン酸ナトリウムなどがあげられますが、食塩と同じ味ではありません。

味覚には個人差があって、しおからさに対する感覚は女性の方がわずかに敏感であるという説もありますが、男性、女性による相違はないという結果も得られています。甘さを味わった後では感じやすさが増して、また、ぜんざいを仕上げるときにつまみの食塩を入れると甘味を増すことはよく知られています。

種々の食品と食塩
食塩濃度と味覚の関係についての調査結果によると、0.05%の食塩水の場合には純粋と比べて、何か溶けているなという感じ、つまり溶質の存在を感知しますが、しおからさは感じません。0.1~0.15%の範囲ではじめて食塩のしおから味が判断されます。

すまし汁、みそ汁、スープなどでは食塩量は普通1.0%が適量とされています。食塩量1.0%の水溶液ではその濃度が3%以上変化すると、つまり1.0%が1.03%以上になると、しおからさの変化を感知することができます。

うす口、から口など個人の好みの違いがあっても、すまし汁やスープの場合は0.9~1.2%の範囲に収まります。種々の食品中の食塩含量は次のようになります。

食パン0.7%、普通の汁物0.8~1.2%、普通の煮物1.5~2.0%、バター1.0~1.5%、みそ(甘口)6~7%、みそ(辛口)12~15%、たくあん漬8~10%、つくだ煮類10~15%、塩辛15~30%、しょうゆ18~20%、食塩85~99%、てんつゆ3.5%、すきやきのわりした7.0%、酢豚1.5%、シチュー1.0%、マカロニグラタン1.0%

参考資料;食品調味の知識より