06.だしのプロがこっそり教える、おいしいだしの取り方

うま味
前回に引き続き、グアニル酸について

通常、化学調味料として用いられるグアニル酸ナトリウムは5’-グアニル酸二ナトリウム塩です。グアニル酸ナトリウムの閾値は約0.0125%で、その呈味はイノシン酸ナトリウムと同質です。

イノシン酸ナトリウムと同様、グルタミン酸ナトリウムとの間に相乗効果がありますが、その相乗呈味力は、イノシン酸ナトリウムの場合よりかなり強く、約3倍となります。グアニル酸にも3種の異性体がありますが、2’-、3’-異性体にはうま味はなくて、5’-グアニル酸にのみうま味があります。

コハク酸
コハク酸とコハク酸ナトリウムは食品の調味料として、上述のグルタミン酸などのうま味物質ほどではないですが、一部の食品工業で使用されています。

コハク酸は1550年にAgricolaによってコハクを乾留して、白色の結晶状の物質として得られました。呈味性が認められたのは1912年です。

東大農学部の高橋偵造教授が細菌培養ろ液中に著量のコハク酸が蓄積することを認めて、その呈味性を発見して、その後、青木は貝類のうま味がコハク酸に由来するものであることを報告しました。

このコハク酸は動植物界に広く分布して、調味料としてのみならず、医薬用としても用いられています。コハク酸およびコハク酸ナトリウムは醸造製造をはじめとして、その他の一般加工食品に調味料として添加されています。

コハク酸もコハク酸ナトリウムも、その使用量は食品の種類や原料によってそれぞれ異なっていて、特に添加量が適量を超えると独特の妙なえぐみが感じられて、他の味との調味を損なうので注意を要します。コハク酸ナトリウムの閾値は0.02%です。グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムとの間に味覚上の相乗作用はありません。

その他のうま味物質
実用されているうま味物質は上述のグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、コハク酸ですが、このほか以下の物質はいずれもうま味を持っています。アスパラギン酸はアスパラガスからアスパラギンが発見されたことにその名の由来があります。アスパラギン酸は植物たんぱく質中に多量に含まれていて、みそ、しょうゆなどにかなり多く含まれています。グルタミン酸と構造が似たアミノ酸でその味も比較的よく似ています。

参考資料;食品調味の知識より