02.サバ節の価格高騰について③

前月、ゴマサバ不漁の理由として、台風が多く漁に出られる回数が激減したとお話させて頂きましたが、今回のサバ節不足には複合的に色々な原因がありますので、今月はその他の理由を挙げていきます。

今回のサバ価格上昇の背景には、黒潮が蛇行して小笠原近海の水温が高くなっている事があげられます。サバは水温が18℃~20℃を好んで遊泳しますが、黒潮の影響で海水の上層水温が24℃前後まで上がるため、サバが水温の低い下層部に潜ってしまいます。

静岡県付近で取れるサバが回遊している黒潮の温度は概ね22℃~24℃程で、先ほどの説明温度に当てはまります。黒潮の大蛇行は2005年8月以来となります。サバは水温が1度変わると、人間で体感温度が10度変わると言われており、今年はその温度が3度位変わっていますので、なかなか海面付近には上がってこないのです。

結果的に、先月お話した「タモすくい漁」「棒受け網漁」は海の上層部の魚を漁獲する方法であるので、サバの漁獲量が減少する理由の一つになっています。

そしてタモすくい漁や棒受け漁は、巻網より漁は、海面に近い漁のため、サバ節に良いとされる脂肪分の少ないさば節(出汁にした時に、濁りにくい)用の魚質の良い物が少なくなっているのです。

ここで抑えておきたいポイントは、黒潮大蛇行がいつ終了するのか判らない事です。よって、例年通りの漁獲が季節を通じて一年間行えるのかは、来年もわからないのです。

その傾向が魚の質にも現れており、毎年、3月~5月に先ほど説明した上質のサバが取れて終了するのですが、そのサバが夏場、秋以降もとれているのです。
一見、先ほどの説明と矛盾するかもしれませんが、これが巻網船の方でとれているのです。

その他の理由としてカツオと同じ様に缶詰加工の需要が増え、缶詰工場向けと輸出用に価格が引っ張られています。
サバはマグロ等のエサにも使用される等、使用用途が広がってきています。近年は近畿大学のマグロに代表されるような物の餌に使用されるのです。

以前は価格が安かった為に、餌としては非常に好まれたかもしれませんが、もしかしたら、我々の業界だけでなく、蓄養マグロの業界についても同じなのかもしません。

色々な理由が重なりゴマサバの水揚げが全国的に不足しています。