05.人と品質

品質管理を展開していくうえでの主役は品質保証システムやQC七つ道具などの品質改善手法ではありません。

品質保証システムを構築し、品質改善手法などを使いこなし、日夜、顧客に満足してもらえる優れた製品を製造し、提供することに携わっている、従業員一人ひとりなのです。

顧客に満足してもらえる製品を提供していくためには、従業員一人ひとりの資質、すなわち力量の向上を図っていくことが必要です。

各従業員の専門知識や技能の向上を目指して、教育訓練を企業戦略として計画的に行っていくことが大切なことはいうまでもありません。

厚生労働省の「就労条件総合調査」等によると、従業員の教育訓練の実施状況は1988年を境にして年々減少傾向にあり、その減少率は30%近くになったこともあります。

これはバブル経済崩壊後の企業業績の落ち込みが大きく影響しているように思われ、このような状態が続くと、企業の総合力はジリ貧になっていく気がします。

従業員の資質向上を図る教育訓練は、企業全体の総合的な品質、すなわち経営品質の向上を図り、企業が継続的に発展していくための源泉であるといっても過言ではないでしょう。

一方、成果主義賃金制度の導入やリストラに対処するため、資格取得などの自己啓発を行なう従業員数は増加しているようです。

これについても企業としては、従業員のやる気を促していくためにも、できるだけ支援を行うようにしたいものです。いずれにしても、経済発展途上国の勢いはますます活発になってきており、企業が国際競争を勝ち抜いていくためにも最も必要なことは、経営資源の根源である人の資産をいかに向上させ、それを有効的に活用していくかです。

そのためには、経営者自ら、資質向上を図っていくことはいうまでもなく、従業員の教育訓練に力を注いでいくこと必要ではないでしょうか。
参考資料:よくわかるこれからの品質管理