03.近海一本釣り漁

先月号では、小笠原諸島周辺の戦争に付いての影響をお話しさせて頂きました。
少し、かつお船のお話から離れてしまいましたので、今月よりかつお船に関わるお話を再開致します。

【初鰹のシーズン到来】

“目に青葉 山ホトトギス 初鰹”

江戸期の俳人、山口素堂の俳句ですが、この初鰹のシーズンが今年もやってまいりました。
日本の太平洋沿岸に生息する鰹は、4月頃から黒潮に乗って北上を開始し、親潮がぶつかる三陸海岸沖あたりまで、北上をしていきます。 秋口になると北上した鰹は南へ戻っていく為、戻り鰹とも呼ばれます。

初鰹は、まだ若い魚が多い為、あまり脂がのっていませんので、非常にさっぱりとした味わいです。戻り鰹は生育が進み、脂肪分を蓄えていますので、豊かな味わいがあります。初鰹は、日本人が大事にしている旬を感じるために珍重されているのかもしれません。

この鰹を獲るための漁法は3つあり、

  1. 近海一本釣り漁
  2. 遠洋一本釣り漁
  3. 巻き網漁

と呼ばれています。

【近海一本釣り漁】
黒潮(日本海流)は、本流の幅が約50キロメートルも及び、時速1ノット(約1.9キロメートル)でゆっくりと太平洋沿いを北上しています。

この黒潮にのって鰹も北上していきますので、鰹をもとめて近海一本釣り漁船も北上します。

北上する鰹は、群れで行動していますが、群れの数は1つや2つではありません。鰹の群れに合わせて北上した一本釣り漁船も群れが居なくなるともう一度南下して、鰹の群れを探します。

そしてまた北上を繰り返すのです。 近海一本釣り漁船は、鰹の群れ(ナブラ)を見つけると鰹の群れを船周辺に呼び寄せるために、生き餌を投入します。生き餌はイワシで、群れの動きを見ながら投入していくのですが、投入するタイミングは、船長の的確な指示で行われます。

タイミングがずれると一本釣りを行う竿先まで呼び寄せるのに時間が掛かってしまい、多くの鰹を釣り上げる事が出来ないのです。

次号に続く・・・