06.食品調味について

アミノ酸およびペプチドの味

  1. アミノ酸の味

天然に存在するアミノ酸は二十余種あって、遊離アミノ酸としても、特殊のアミノ酸を除いて、ほとんどすべてのアミノ酸が各種の食品中に存在します。

しかし、そのアミノ酸の存在量は食品によってそれぞれ違うので、これに伴って、食品の味も相違します。この遊離アミノ酸組成をアミノ酸パターンと呼んでいて、例えば、緑茶中には遊離グルタミン酸が多く、お茶にはグルタミン酸が必須であって、ウニにはメチオニンが多いことが注目されます。

アミノ酸パターンを見ると、その呈味成分中どれが最も重要であるかを指摘できますが、その成分だけでは特有の味とはなりません。やはり他の少量存在するアミノ酸も加わって、個々の食品固有の味となります。

それで例えば、ウニの味を考えるときには、メチオニンなどが主体となりますが、それだけではなく、種々のアミノ酸が一定の割合で加わってこそ、はじめてウニ本来のおいしさが出現するのです。

後述するような個々の食品においても、それらの味の主役はアミノ酸と5’-ヌクレオチドであるといってもよくて、特に個々の食品に特有なアミノ酸パターン(アミノ酸の種類と割合)が食品本来の味の出現にとって重要となります。

したがって、このアミノ酸パターンの呈味に対する構成、アミノ酸の関与度および相互関係が官能検査によって正確に調べられねばなりませんが、アミノ酸の種類がく複雑なため未だ不明は点が多いのです。

  1. 1各アミノ酸の味

単独のアミノ酸の味質および強さについては詳しく調べられていて、一般に天然型アミノ酸の刺激閾値およびその閾値の5~10倍濃度付近における濃度差弁別閾(その濃度を中心にしてどのくらいの割合で濃度を変化させたらその味の強弱が明瞭に弁別しうるか、その割合(%)をいう)をみると、アミノ酸は以外に閾値が低く、すなわち味ののびがよいものであることがわかります。

また大多数のアミノ酸はその濃度を変化させても基本的は味質が変わりませんが、L-アラニン、L-アルギニンL-グルタミン酸、L-セリン、L-スレオニンの5種類のアミノ酸はその濃度変化によって味質が変化します。また非天然型のアミノ酸(D-体という)は、甘味度が強い傾向が認められています。アミノ酸の味は単一なものではなくて、種々の味(甘、鹹、酸、苦、旨、その他)から成り立っています。
参考資料;食品調味の知識より