06.食品調味について

アミノ酸およびペプチドの味
前回に引き続きペプチドの味について

みそに含まれるペプチドについては、比較的低分子のペプチドの占める割合が大きくて、酸性ペプチドが多い。みそのペプチドは酸性、中性、塩基性ペプチドとも構成アミノ酸はアスパラギン酸、グルタミン酸が主体となります。

種々の点でしょうゆの場合と類似しています。チーズのペプチドには苦味を呈するものが多くて、低分子ペプチドとともに高分子ペプチドの存在が多いです。

このペプチドはロイシン、バリンなどの含有量が高い。牛肉エキス、鯨肉エキスなどの肉エキス類に含まれるペプチドは大部分がカルノシン(β-アラニン-ヒスチジン)系のジペプチドです。

肉エキス中のカルノシン系ペプチドは全窒素量の20~30%を占めています。カルノシン系ペプチドとしてはカルノシン(β-アラニン-ヒスチジン)、アンセリン(β-アラニン-1-メチル-ヒスチジン)、バレニン(β-アラニン-3-メチル-ヒスチジン)であって、これらの3種のペプチドの含量は肉エキスの原料によって特徴があって、牛肉エキス中にはカルノシン、鯨肉エキス中にはバレニン、魚肉エキス中にはアンセリンが多い。

これらのカルノシン系ペプチドはいずれも微苦味を呈します。食品の味はアミノ酸、有機酸その他多くの物質の混合した味ですが、これらの物質とペプチドが共存すると呈味がどのように変化するかを調べてみると、しょうゆから分離したペプチドの場合、以下のような結果が得られています。

すなわちグルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムの弁別閾はペプチドの添加によって上昇します。すなわち、ペプチドの添加により、これらのうま味物質の呈味力が抑えられます。

食塩に対してペプチドはそのしおからさに対して減少も増大もさせません。有機酸類に対してペプチドは呈味に著しい変化を与えます。閾値量のペプチドを閾値以下の有機酸塩(コハク酸ソーダ、酢酸ソーダ、乳酸ソーダ、レブリン酸ソーダ、塩化アンモン)溶液に添加すると、加えないものとの間に明らかな識別がつきます。

また、ペプチドはアミノ酸とは異なる緩衝作用を示します。ペプチドの役割を要約すると、ペプチドは食品の基本的な味への関与はそれほど大きくありませんが、食品を構成する諸物質の呈味を微妙に変化させて、食品の味全体の調和を図っているように思われます

参考資料;食品調味の知識より