03.勇壮なカツオの一本釣り

カツオの代表的な漁法は、一本釣り漁法とまき網漁法の2つとなります。一本釣り漁法は、ナブラ(カツオの群)を発見すると、餌や海水を撒きながら、擬餌針の付いた竿でカツオを釣り上げていきますが、日本の沿岸、近海、または遠洋の海域にて行われています。釣り上げる様子は、伝統的であり、また勇壮な漁法で、優れた技術が必要となります。

【風向きへの配慮】
撒かれた餌と海水とで興奮状態となったカツオは、船尾の側から生き餌に猛烈な勢いで飛びつき、漁船のそばへ誘い込まれていきます。そうなると、漁業者たちは風を背にして、定められた位置に座ります。風を背にする理由としては、散水した水が追い風となって狙い通りカツオに届くこと、逆風となって水が船員に降りかからないようにするためです。また、釣り糸の絡み合いを防ぎ、釣り糸をすばやく操作するためでもあります。

【エサマキによる撒き餌】
漁業者がカツオを釣る位置と役割は、一般的に航海の始まりまでに決められています。カツオの群れを発見後、全責任を負う漁労長が船を操りながら、全体の指揮を取るなか、エサマキと呼ばれる、海中へ餌を撒く役割の人が、船首と船尾のそれぞれの場所に位置して、カツオの群れの動きに注目しながら、撒き餌をしていきます。

【一本釣りでの人員配置】
経験の少ない未熟練者には、エサクバリと呼ばれる餌を配分する役割もあり、生き餌が収納されている水槽からエサマキの所にある餌用のタンクまで、餌を運んでいきます。その他の漁労者は船首から船尾まで一列に並んでカツオを釣り始めます。船首側には若者が、船尾側には年配者がそれぞれ並びます。また、船首の先端で釣る船員はヘノリと呼ばれ、視力が良く、知識の優れた経験豊富な人物が配置されています。経験が少ない船員たちはドウノマ(胴の間)と呼ばれる漁船の中央部あたりでカツオ釣りを行います。

【状況に合わせた対応】
このように、一本釣りの現場では、釣る配置があらかじめ決められており、経験によって一定の序列があります。エサマキは一本釣りが行われている最中、カツオの群れができるだけ漁船から離れないように、疑似餌の周辺に均等に餌を撒き続ける必要があります。また、漁労長は別のカツオ群れが現れることもあるので、周囲の状況に気を配ります。また、釣っていたカツオの群れが漁船から離れてしまうと、新たな群れを探しに向かうことになります。
参考資料:カツオの産業と文化