08.山彦日記  2月 本とお菓子

山彦は田舎に住んでいる。最寄りの駅まで12kmもある田舎だが、新聞は毎朝夜明け前に届けてくれる。日本という国は本当にありがたい。

山彦はいうところの「活字中毒」であろうか、新聞や本を読まないとどうも落ち着かない。帰宅がどんなに遅くなっても、新聞は目を通さずにはいられないし眠りにつく前の読書はやめられない。(あえて言うが、活字中毒とインテリが等しくないのはいうまでもない)

山彦の読書歴は幼稚園にさかのぼる。田舎だから家に蔵書があるはずもなく、子供用の絵本もなし。最初はマンガ。兄や姉が買った月刊マンガをちゃっかりただ見して味を覚え、ついでに漢字にふりがながふってあったのを幸いに漢字をいつの間にか学び、それを同級生や先生にほめられたのが原体験である。

本というものは「お菓子」と同じかなと思う。色んな種類のお菓子がある。甘いものしょっぱいお菓子,硬いもの柔らかいものなど。それぞれ好みがあって、嫌いなものもある。大事にとっておきたいけれど、がまんできずに食べてしまう。三度の食事と違って、無くても生きていられるが、楽しみやうるおいが得られない。本から様々なことを学んだ。つらかったとき主人公の生きざまに励まされ、時には背中を押してもらい、実践できことは多くはないが人の道を示してくれた。本の中に入ればつらい現実からしばらく逃避できた。わずかだが、その時の気持ちが軽くなった。

最近山彦は不安を感じている。それは依然読んだ本をまた手に取ってしまうことである。

すぐに気が付けばいいのだが、かなり読んでから「あれっ」と気づいた。これこそ「老化」。が~んと暗くなりつつも、「まぁっいいか」。しょせん楽しみのために読んでいるのだから。おいしくいただければそれでオーケーなのだ