08.山彦日記  4月 絶滅危惧種

山彦は田舎に住んでいる。寒い冬が去って田舎にも春が来た。春はいろんなものが色とりどりで気温だけでなく、景色からも気持ちを暖かくさせてくれる。黄色い菜の花,ピンクのレンゲ草,今年の桜はとうに散ってしまったが、若葉が萌え出している木の下をピカピカの小学校一年生が歩いている。

田舎において新一年生は「絶滅危惧種」といっていいかもしれない。山彦の同級生は100名弱いたが、今年はようやく二桁らしい。6学年そろって地域ごと集団登校する風景は相変わらずだけれども、かつては列をなして歩いていた登校班も今は数人ずつで列は限りなく短くなり「これって集団登校?」状態である。

山彦が小学校の頃とさらに変わったものがランドセルであろうか。今のランドセルは従来の赤・黒に加え、緑・青・ピンクやパステル系そのうえ別色で縁取りあり、ワンポイントありでとてもカラフルで楽しそうだ。

愚息が幼稚園の年長さんの時、ランドセルを愚息自身に選ばせた。男女差による習慣や嗜好の押し付けを避けてきた山彦は愚息が赤ちゃんの頃から本人が望めば、赤でもピンクでも与えてきた。すでに多色化傾向があるランドセル。さあ何色を選ぶのか…山彦は内心ドキドキ。今更育て方は変えたくないし、さりとてあんまり奇抜な色で高学年になってから支障があってもまた困る。そして愚息が選んだ色は… 「濃い緑のランドセル」でした。

最近 田舎の小学校の統廃合が取りざたされてきている。規模の大小による長所短所はそれぞれあるが、肝心な事は保護者だけでなく地域の大人がどれだけ子供を見守れるかにかかっている。「絶滅危惧種」を守るには「生存環境」を守ることが必須らしい。生物の多様性は私たちの気持ちも豊かにさせてくれる。子供たちよ、大きく育て!