06.食品添加物について

こんにちは。前回は食品添加物の安全性評価の中の「毒性試験」及び「最大無作用量」についてお話しました。今回は、残りの2段階、「1日許容摂取量(ADI)」と「使用基準」の設定について説明します。

1日許容摂取量(ADI)は、ヒトが一生涯毎日摂取しても影響を受けない量を示します。毒性学者の長年の研究により、実験動物とヒトが影響を受ける量には10倍も差がなく、また、性別、年齢、健康状態等の個人差によって影響される量の差にも10倍以上の違いがないと知られております。そのため、動物を用いた反復経口投与毒性試験、繁殖試験、催奇形性試験、発がん性試験、変異原性試験、体内動態試験、及び一般薬理試験などがリスク評価され、健康へ影響を与えない最大無作用量に、実験動物とヒトの動物種の差として10倍、ヒトの性別、年齢、健康状態などの個人差として10倍、全体として計100倍の安全率を見込んで算出します。
ADI=最大無作用量×1/100倍
となります。ADIは1日にヒトの体重1㎏当たり摂取する量のmg(mg/kg/日)と表記します。極端な話をしますと、体重50㎏の人にある物質のADIは1mgとして、今日1mg摂取したら、翌日また1mgまで摂取できるでしょう。
使用基準は、厚生省が行った国民栄養調査や食品の生産量、輸入量、消費量、家計調査等から食品ごとの摂取量を調べ、それに基づいて食品添加物の摂取量を推定しています。その量がADIを大幅に下回るように食品衛生法第11条の規定に基づいて設けられています。
①使用できる食品の種類の制限
②食品に対する使用量や使用濃度の制限
③使用目的についての制限
④使用方法についての制限

ここまでは、食品添加物が、毒性試験→最大無作用量の確認→1日摂取許容(ADI)を算出→使用基準を定めるような厳しく安全性評価を行い、安全性を確立されたものの話でした。ご理解いただけたでしょうか。
食品添加物は100%安全だ、とは言いませんが、食品添加物で日持ちの向上を図ることの出来なかった時代には、食中毒で年間に1,000人以上の死者が出たと言われています。食品添加物による事故で人が亡くなった例はありません。
次回は、添加物の各論に入り、指定添加物を紹介したいと思います。

参考資料:食品衛生法;食品衛生学;厚生労働署HP;食品安全委員会HP