04.HACCP かつお節の水分活性

先月から、かつお節の水分活性についてお話をしてきました。

元々水分活性が低い「かつお節」にあえて水分を与えている光景を見て、アメリカの査察官が疑問をもたれたわけですが、非常に堅いかつお節(かつおは漢字で書くと鰹、魚に堅いという字が入ります。)は、水分を与えずに削るときれいな「花」にならず「粉」の多いものになってしまいます。
そのため、我々のような削りぶし業者では、なんらかの方法でかつお節に水分を与えている場合があります。
先月号に書いたように、水分活性が低いと微生物が生育できないのですが、削りぶしを生産するには必要な工程であることを説明するのに非常に苦労されたそうです。

かつお節の水分活性を測定してみますと、黄色ブドウ球菌の生育最低水分活性の「0.85Aw」を下回っています。
これに弊社で、水分付与(蒸気殺菌)したものの水分活性を測定してみましたら、同様に「0.85Aw」以下でした。
アメリカの査察官も、この黄色ブドウ球菌の生育を懸念されていたそうで、水分付与後の水分活性でご説明する方法と、あるいは水分付与時の温度(黄色ブドウ球菌の殺菌温度として75℃以上で1分以上の加熱)で制御する方法で説明できると考えられました。
弊社の殺菌工程では、この殺菌温度を十分保証できる温度と時間で作業しており、その後の水分活性も低かったことから、万一査察官がいらした際にもご説明ができることがわかり少し安心しました。
現在は、使用するかつお節~水分付与後のかつお節~削り加工したかつお節と、同じ原料を使用した工程ごとの水分活性を測定し、データ取りをしているところです。
食品の腐敗には、こうした微生物が深く関係していますので、これからも、おいしいかつお削りぶしをご提供するとともに、安心して食べていただけるように、こうしたHACCPの監査などで聞いたお話を、自社の衛生管理にも役立てて更に良いモノを作れるようにしていきたいと思います。
季節も、春から夏に向かい、外気温も高くなってきました。
気温が上がると、微生物が活発に増殖し始めます。
食品は、その食品にあった正しい保存をして、微生物の増殖を抑えて食中毒にならないようにしていきましょう。