03.トランス脂肪酸ってなんでしょう?

小林食品の前島です。先月号までは本枯節が出来るまでを説明させていただきましたが、今回は少し前から食品業界で言葉を聞くようになった「トランス脂肪酸」についてお話しをしたいと思います。

数ヶ月前のニュースでトランス脂肪酸が話題になってから、いくつかのお客様から、「鰹節にトランス脂肪酸は入っているの?」「鰹節のトランス脂肪酸含有量のデータはあるの?」等のお問合せを頂きました。結論として、鰹節とトランス脂肪酸はほぼ無関係ですが、これらのお問合せにお答えする為にあちこちに聞いて回る中で、トランス脂肪酸に関するあれこれが多少は身につきました。今回の新聞を使って、トランス脂肪酸が鰹節とは関係無い、といった内容も含めて少しご説明していこうと思います。

 

①そもそも脂肪酸ってなにさ?

トランス脂肪酸は、名前の通り脂肪酸の一種で、不飽和脂肪酸に分類される脂肪酸です。栄養成分等に詳しい方であれば、これだけで十分でしょうが、私のように専門外の方にはよくわからないでしょうからもう少し細かく。

まず脂肪酸とはそもそも何か。私たちが油や油脂と呼んでいる物質は、グリセリンとこの脂肪酸が結合した物質です。脂肪酸にもかなりの種類がありますが、全てに共通しているのは炭素原子が鎖状に結合し、その鎖の端に酸の性質を表すカルボキシル基(COOH)が結合している事で、こういった組成をした物質を総称して脂肪酸、と呼んでいます。

 

②飽和脂肪酸?不飽和脂肪酸?

さてこの脂肪酸ですが、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに大別できます。この二つの違いは何かというと、メインとなる炭素原子同士の結合で2重結合があるか無いかの違いです。炭素の2重結合が無い物を飽和脂肪酸、有るものを不飽和脂肪酸と呼んでいます。

2重結合とは、高校の化学で出てきたアレです、(C=C)。ちなみに2重結合でない場合はこう(C-C)。

ものすごく大雑把な説明をすると、原子にはそれぞれ他の原子と結合出来る腕の本数が決まっていて、炭素原子(C)はそれが4本あります。2重結合している、という事はお互いの炭素原子が腕を二本ずつ結んでいてとっても強い、代わりに他の原子は2個ずつしか持てない状態。2重結合していないと、ちょっと結びつきが弱いけど他に3つも持てるぜ!という状態です。実際には、この空いた腕には全て水素原子(H)が手を繋ぎにやってきます。そのため、2重結合が無い→炭素が水素を限界まで持っている(飽和状態)→飽和脂肪酸、と呼ばれます。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の簡単な違いは、

飽和脂肪酸→常温で固体、動物性油に多い、健康に悪いと嫌われる

不飽和脂肪酸→常温で液体、植物性油に多い、健康に良いと好まれる(有名所がDHAやEPA)、なのに何故かトランス脂肪酸もいる

 

思いのほか長くなってしまいました。次回に続く!