02.海外巻き網船の入漁料について

今月は「入漁料」についてお話します。入漁料はカツオ節を使用する業界にとって、とても重要な言葉になります。

鰹や鮪を漁獲する「海外巻き網船」は、北緯20°以南の太平洋中央海区の水域で、年間を通して操業しています。
この水域は、ミクロネシア連邦、パラオ共和国、マーシャル諸島共和国、パプアニューギニア、ソロモン諸島、ナウル共和国、キリバス共和国、ツバルの8ヶ国の排他的経済水域です。
この国々では、海産物等の水産物は大事な経済資源である為、この水域で漁をする際「入漁料」と言われる料金を「海外まき網船」から徴収します。2004年までは入漁料は年間定額方式で、年間定額の入漁料を支払えば漁獲量や漁獲日数の制限はありませんでした。

2005年以降から、「年間定額方式」から「漁場に船が滞在出来る権利」を購入するシステムに変更されました。この海域で、操業する権利を日数単位で入札するという方法です。お金のある会社程、操業する権利が優先されやすいという事になります。

この変更により巻き網船が1年間に支払う入漁料が2倍以上になりました。その後、年々入漁料が上がり10年間で約8倍になっています。この様な状況に対し、船を大型化したり、効率的に魚群を見つける為に、ヘリコプターを装備したりと対策をしてきていますが、入漁料の高騰には対応しきれていません。

この状況は日本の巻き網船ばかりでなく、この水域に入る各国も同じ状況です。この水域では、アメリカ、フランス、韓国、スペイン等の大型巻き網船も操業しています。この中でも、アメリカは多額の入漁料を支払っていますが、現在の鰹の取引値では入漁料を支払うと割に合わないとして、この水域での漁獲を見送る方針を示しました。
多額の入漁料を支払っているアメリカの判断は、年々上昇している入漁料に一石を投じました。今までは、売り手市場のみで動いていた入漁料の相場ですが、今後は買い手市場になってくるのでは無いかという話が出て来ます。

入漁料が高ければ当然カツオ節の価格にも影響しますし、まき網船会社の経営も圧迫します。まき網船会社が安定する事もカツオ節の文化を守る事に繋がりますので、適正な入漁料であり続ける事が望まれます。