08.山彦日記

山彦はこのところ車の買い替えを考えている。現在の車は登録から8年目にしてすでに13万キロを超えており、車には愛着と未練があるが潮時かなと思いつつとにかく迷う。車の種類は以前では車種をどうするか?くらいなのが今はエンジンというか駆動動力を何にするか?ガソリン、ハイブリッド、電気自動車という選択肢もある。迷い迷って早や2ヶ月である。
田舎住まいでは車は必需品あり重要な道具ある。山彦が子供のころは「一家に1台軽トラック」の時代で親たちはすべて軽トラックで出かけた。日々の農作業はもちろん町への用事にも冠婚葬祭においても大活躍であった。ここだけの話だが、山彦兄弟がみかん取りの手伝いに行くときは好んで荷台に乗り込みジェットコースターさながらにワーワーキャーキャー山道を登ったものである。
現在 公共交通がさみしい田舎で車は貴重な「足」なので「18才以上一人1台」の様相である。足代わりの車であるから足元が定まらないけっこうな年齢のおじいちゃんも軽トラックを運転しているのも田舎の特徴である。彼ら曰く「運転能力は落ちているが、通行量は少ないしゆっくり運転すれば大丈夫」という論理らしいが、朝 急いでいる時にマイペースで走っている軽トラックを前方に発見すると、思わず舌打ちしたくなるのは山彦ばかりではないだろう。
そんな彼らに自動車の目覚ましい進化は朗報である。「自動ブレーキ」やら「はみだし警報」,ハンドル操作無しで駐車できるシステムとか驚くほど親切な車が市販されている。日本において実用化にはまだ時間がかかるらしいが「自動運転」も射程距離に入っているらしく「凄い」の一語に尽きる。ただし、軽トラックにこのシステムが搭載されるのは今のおじいさま方には間に合わないであろう。事故が起きないことを祈るのみである。
「自動運転」は車を運転するという楽しみを放棄してしまう寂しさもあるが、老化による危機回避と利便性には代えられないか。将来の車選びにそのところで迷うのだろうなあ、きっと。