02.圧搾サバ ②

(先月からの続き〉
先月は、圧搾サバについて書きましたが、今月はその圧搾サバがピンチである事をお話します。

もともと圧搾サバは、サバ節にも鮮魚にも向かないサバを使用するという事で、安価で取引されていました。しかし、近年サバの使用用途が広がり、生のサバの取引値が高くなっている事と、近海で漁獲されるサバが減ってきている事から、価格が数年前より倍近くになっています。漁獲量が減ってきている理由は、近海漁業の衰退、水温の変化、アジア圏における乱獲等が言われています。その様な背景から圧搾サバの価格年々上昇し、以前の価格より2倍程値上がりしています。

圧搾サバの主な産地は、九州と静岡の沼津です。小林食品では、削った時の花が白っぽく、弾力が強い沼津の圧搾サバを主に使用しています。
沼津の加工会社は住宅街にあり、製造しにくい環境にあります。魚の臭いと燻製の煙、それと排水の問題です。特に排水は死活問題で、サバの煮汁と圧搾した時のサバの脂の処理が問題になっています。そのまま下水に流せませんので、脂は処理業者に、排水は負担金を支払っています。負担金は非常に高く、負担金が払えずに廃業する業者も何件も出ています。負担金は、区域に別けられ金額が決まっていて、区域内の会社が分割して負担しています。
ですので、1社が廃業すると残る会社の負担額が増えていきます。その様な事から、1社が辞めると他の会社も続けて廃業するという事もある様です。ここ何年間に何社も圧搾サバの製造から撤退し、現在では数社程しか製造していません。その様な事から、沼津の圧搾サバの製造量は年々落ちてきている様です。

特に今年は8月以降の台風と、漁に出ても魚が獲れない日が多かったので、8月以降は、毎月数回しか製品を作れなかった様です。価格が上がる事は承知していますが、当社では、平成28年は圧搾サバの確保に苦労しました。サバの漁模様は、以前不漁が続いていますので、今後の見通しは厳しいと感じています。

圧搾サバは、ダシとしてではなく、佃煮、ふりかけとして日本の食文化を守ってきた食材です。小林食品では、これからも圧搾サバの文化を守る為にも、原料を調達し削り続けます。