03.原料高騰における環境と時代背景 ③

こんにちは。今月は鰹節に纏わる
付加価値と利益構造についてお伝えします。
先月HACCP対応の鰹節製造会社など環境面における付加価値(次月説明)を付けた工場が複数出てきました。
とお伝えしましたが、これは価格に反映できる付加価値ではなく、業界の中で5年後、10年後、20年後を見据えて、生き残る為の付加価値をつけるという意味合いとなります。鰹節は本来身を切り、表面を最大で120~60度程度の温度の煙で燻(いぶ)しますので、菌の発生がほとんどなく、また金属異物も魚体自体にはありません。現在では多くの節製造会社でも、金属探知機を導入し、温度管理は日報で時間と温度を記録するようになりました。環境面、衛生面をトレースを含め行うようになり、業務用向けには船~鰹節会社~弊社の様な加工業者~お客様へと全ての記録が残るようになってきました。HACCP対応はいずれ標準化しますので、今後は旨みに付加価値が置かれた鰹節が重宝されると思われます。

鰹節の利益構造は大まかに説明しますと、原料価格が全体の80~85%を占め、人件費が10~15%です。粗利が2~5%程度ですので、かなり儲けを出しにくい商売です。加えて市場で鰹を購入して代金の支払いが現金で2週間。冷凍庫に大凡2週間ほど保管していますので、鰹を切る前にお金を払い、荒節で1ヶ月かけて製品化し、販売して入金が2ヶ月後になりますから、タイムラグが3ヵ月以上あります。
本節になりますとカビをつける工程が入りますので、完成までの日数が追加で更に2か月~3ヵ月かかります。本節は「姿売り」と言いまして、見た目で価値が決まりますが、中には多少表面に傷がついたり、先端が折れてしまうものなどがどうしても発生してしまいます。こちらの俗に言う傷物は「姿売り」されるものと味は変わらないのですが、価格は下がってしまいます。
本節は荒節より更に歩留りが悪いので、原料価格が全体の90%以上を占めるようになってきます。こちらは更に利益が出にくい上に半年も資金を寝かせますので、製造家がどんどん本(枯)節を作るのを辞め、日本で本当に本節を作る職人は10人居るかどうかといわれるようになりました。現在本枯節を製造されている鰹節屋の人々は、年間契約や、先にお支払してもらうなど、ある程度決まった形で取引をされているそうです。
また、近年は国産の鰹節における「日本の近海鰹使用」というモノが大変貴重になってきました。といいますのも、近海の鰹で鰹節を作りますと、作る際に骨を抜く骨抜きという工程があるのですが、身が柔らかすぎて身割れを起こしやすく、最終的には歩留りが落ちるばかりか製品が出来上がりにくいので、避けるようになりました。
国内では猛烈な勢いで鰹節製造会社が商売を畳んでいるのです。