01.おすすめの一冊

小さな理由
森 浩美   双葉文庫

 親子、夫婦など家族を描いた短編集で、その中から「いちばん新しい思い出」を紹介します。
 吉祥寺駅沿線で一人暮らしをしている中年の佐藤のケータイに15年ぶりに娘の香織から着信がある場面で始まります。佐藤は15年前に離婚して以来娘とは会っていませんでした。ケータイの番号を変えなかったことを良かったと思いつつも、久し振りの再会はぎこちないものでした。なかなか本題を切り出さない娘を促すと、結婚することになったと言うのです。しかし、母親の再婚相手である義理の父親とその親族の手前、香織は実の父親を式に呼ぶことは出来ません。香織はどんな方法で佐藤に感謝の気持ちを伝えるのでしょうか。
 この著者の著作は、重松清氏のものが好きな人には特に合うような気がします。ちなみに男性です。そして、SMAPの多くの曲や古くは田原俊彦の「抱きしめてTONIGHT」、森川由加里の「SHOW ME」などを手掛けた作詞家であることも興味深いところです。