03.原料高騰における環境と時代背景 ④

こんにちは。社長の小林です。
前々回までは焼津に纏わるお話をさせていただきましたが、これが高値高騰と相場にどのように影響するのでしょうか?
以前は鰹節業者も含めて、セリに参加する人達がとても多かったですが、現在では実際には10社~15社程度でセリを行いますので、市場で仕入れする価格帯や価格のポイントが非常に大味になりました。
これにより価格が乱高下する可能性が非常に高くなりました。
現在では20年前、30年前よりも加工業者が大型化し、取扱量も増えてきた半面、中堅以下の仕入れ業者が姿を消したので、価格に影響を与える大手の動向がより顕著になりつつあります。
少しでも海の漁模様が芳しくない状況になりますと、高値掴みをするようになります。当然ながら、鰹に限らず相場というのは大量購入者に吊られる傾向にありますので、高値で勝負を目論めば、天井がないまま、どんどん上がっていきます。
(現在の状況は正にこの状況です)
またある鰹節業者は20年前が相場の底値だったと話しています。
リーマンショック前は鰹節会社は1ヵ月ほどの冷凍鰹を原料として貯蔵していたのですが、リーマンショックの時、投機筋が入り価格を動かしたとの噂が立ちました。高値の鰹を大量に抱えた時に、一気に大暴落したのです。その痛い経験から原料を1ヵ月確保するのを改め2週間程度にしてしまいました。
ギリギリの在庫で、ギリギリの量を購入するようになり、1年のデータを計測してみますと、結果的に以前より高値で購入するようになったという話も耳に入れました。
 どちらの方が鰹節業者にとってよいのかは全く見当がつきません。  
といいますのは安値で1ヵ月保管しても、冷蔵庫賃、資金の回転から考えますと、高くても2週間の在庫の方が良いかもしれないからです。この反面、鰹より鮪の方が博打性が高いのですが、鮪は在庫を抱える会社が増え、焼津の街では多くの冷蔵庫が出来上がりました。恐らく鮪の在庫量は焼津では増えているのではないでしょうか? 肌感覚で大変申し訳ないのですが、業者の数より冷蔵庫の数の方が多い感じが致します。
鰹相場の過去の10年、20年を見ますと確かにこの辺りで相場の底値を打ちながら価格は高騰してきております。この業界に居る人間としてではなく、客観的に見れば国内の市場が、川下の裾野が広がりながら、潜在的には日本の加工食品の輸出が右肩上がりで伸びているのですから、需要が伸びている事を考えますと相場が上がっていくのは当然の事かもしれません。ちなみに
 「乱高下というぐらいだから、下がる要素があるのか?」
という質問に対しては、下がるというお答えができにくい状況です。

といいますのは、鰹の獲れる海の状況が少しずつ変化してきたからです。こちらに関しましては来月から紹介していこうと思います。