1.おすすめの一冊

誓約
薬丸 岳   幻冬舎文庫
 
向井聡は家庭も仕事も順風満帆な日々を過ごしていましたが、ある1通の手紙が届いたことにより、平和な日々が崩れ去ります。その手紙には「あの男たちは刑務所から出ています。」とだけ書いてありました。差出人に住所はなく、坂本信子とだけ書いてありました。
 向井は約15年前に彼女と接点がありました。当時、向井は生活がすさんでおり、やくざに追われる身でした。そこで、娘を殺された彼女と、その死刑にはならなかった殺人犯2人が出所したら彼女に代わって2人を殺すという約束をすることにより逃亡資金を彼女から手に入れたのです。彼女が末期がんで、その2人が出所する頃にはこの世にいないことを見越して、守る気のない約束をしたのです。
 彼女が亡くなっている事は確かです。警察に相談もできず、自力で犯人を捜します。もしかしたら自分にも起きるかもしれないというリアルな怖さは無いですが、次にどうなるのだろうとページをめくらせる力のある小説でした。