削ってある前の鰹節の塊を最近見たことが有りますか?見る機会が少なくなっていると思います。でも、稀に贈り物で頂いたり、スーパーで見かけた時に昔を思い出して購入する事があります。
家に鰹節の塊があっても、つい簡単に使える削ってある「削り節」や、液体だしを使用して、鰹節の塊をそのままにしがいがちになってしまいます。
せっかくのこだわりの鰹節を寝かせて置いてはもったいない。有効に使用するために、保存方法や使い方を説明していきます。
目次
1鰹節の塊の活用
鰹節の塊は、食べる直前で削りましょう。削って直ぐに食べる削り節が一番美味しい召し上がり方です。また、鰹節は保存食として長期保存できる食材です。
長く保存しながら、食べる直前で削る事が、鰹節の塊を一番有効に活用できる方法です。
- 鰹節 ・・・削る前の堅い状態の鰹節(鰹節 塊)
- 削り節・・・鰹節を削った物
以下では「鰹節 塊」=「鰹節」とさせていただきます。
2鰹節の削り方
鰹節は専用の削り器で削ります。ナイフで削る人もいますが、危険なのでやめましょう。
家庭用の削り器は、大まかに2種類になります。大工さんが使う様なカンナのタイプと、かき氷削り器の様にハンドルをクルクル回すタイプがあります。
2-1カンナタイプ
皆さんが一番良く見る鰹節削り器になります。大工さんが使うカンナと似ています。カンナの刃が上に向いていて、鰹節を手で押しながら削ります。
大工さんが木を削ると、薄くて長いシューとした削りが出るイメージですが、鰹節ではそうはいきません。堅すぎて粉になってしまいます。出来るだけ、綺麗に削るためのテクニックをお伝えします。

①カンナ刃の確認
カンナの刃の状態を見ましょう。錆びていると削れません。また、使っているうちに刃の先が丸くなってくるので、刃の交換や、研磨が必要になります。
砥石で研磨をします。包丁の刃の様に曲線ではないので、簡単に研磨出来ます。刃先が鋭角になったら、大丈夫です。
② カンナ刃の調整
カンナの刃を出して削り方を調整します。刃の出し方はカンナの後ろの木の部分を、木づちや樹脂ハンマーで叩きます。
力加減で左右の出方が変わりますので、刃の出具合を見ながら調整します。

刃を出し過ぎてしまった場合は、カンナの反対部分から叩きます。叩き続けると刃が抜けます。

刃が出過ぎると粉っぽくなりやすくなります。おすすめの刃の出具合は葉書1枚分くらいです。
③鰹節の準備
鰹節は、そのまま削っても粉になりやすいです。特に冷蔵庫から出して直ぐ削るとほとんどが粉になります。上手に削るためには、削る部分の所だけ、水分を与え、温めるという事です。
削りたい部分の表面のカビを拭き取り、お湯で布巾を濡らし、鰹節の削りたい部分にあてておきます。鰹節が人肌程度に温められたらOKです。
濡らす部分は、削る場所だけにして下さい。濡れたまま放置をしておくと、悪性のカビが出てくる可能性があります。

④ 削る
鰹節の頭の部分を下にして、30度の角度にして力を入れて鰹節を押しながら削ります。削る面が、曲線ですと削り節は粉になります。

削る面が平になるまで、削りましょう。平面をカンナの刃にあてて力を入れて押してください。削り節は下の箱に入ります。

ご家庭で鰹節を削るとスーパーで売っている削り節の様に綺麗には削れません。スーパーで売っている削り節は、専用の業務用の機械で力強く削っているので、綺麗に削れています。

ただ、削り節は、削りたては香りがよく、風味も一番出ますので、ご家庭で鰹節をその場で削って食べるのが一番美味しいです。
使い終わったら、カンナの濡れた箇所を乾燥した布巾でしっかり拭き取り、削りカスをしっかり取ってください。
2ー2ハンドルタイプ削り器(オカカ)

鰹節を機械にセットして、ハンドルを回して削るタイプになります。直接刃の近くに触れない、力が均等にかかる事から、安全で綺麗に削れます。カンナタイプの削り器より使いやすい削り器です。
紹介する「オカカ7号」は、刃が平らではなく、帯刃(おびば)といい、刃にくぼみが付いています。鰹節を削ると、細長い削り節になります。

① 刃の調整
刃は円盤に3枚付いています。裏返して刃の出方を調整しましょう。蝶ネジで緩めて刃を合わせて締める方式です。

ポイントは、3枚の刃の出方が一緒にするという事です。
② 原料のセット、削り
原料をオカカ7号にセットします。原料を布巾で濡らして温めるというところは一緒です。

カバーを開けて鰹節の広い面を刃の方に合わせてセットします。

手でカバーを抑えてハンドルを回します。
細く伸びた削り節が削れます。

カンナ対応の削り器より、安全で綺麗に削れるので、ハンドルタイプの削り器がおすすめです。
3鰹節の保存期間
鰹節の保存期間は、保存方法が正しければ2年間は大丈夫です。鰹節は製造する時に、燻製にして水分を飛ばし、更に優良なカビを付けていますので腐りにくい食材です。
正しい保存方法の基本としては、水分を与えない、暑い所に置かないです。いくら腐りにくい鰹節とはいえ、鰹節は栄養分の塊ですので、水分とカビが増殖しやすい温度の場所に置いておくと、悪性のカビが付いてしまいます。
水分が与えられなければ、基本的には常温でも構わないのですが、湿度の多い日は鰹節が湿気を吸ってしまいますので袋に入れるか、ラップに包んで冷蔵庫か冷凍庫に置いておくのが良いでしょう。
削る時に水分を与えますので、水分を与えた場所を全て削る事が大事です。濡れた箇所が残ってしまったら、天日干しをして、水分を飛ばせば、大丈夫です。
4削り節の有効活用
使う直前で削るのが一番美味しく食べる事が出来ます。鰹節は、削る前は鰹節の良質なカビに覆われていて、酸化がしにくくなっています。削ると、削った面が酸素に触れて、酸化してきます。酸化すると削り節の風味を落として魚臭さ出てしまいます。
その為、削って直ぐに食べるのが鰹節を一番美味しく食べるコツと言えます。
鰹節を削って使う一番のメリットは、必要な分だけ削る事で、いつでも削りたての美味しい削り節が使える事です。
スーパーで売っている鰹節は、空気を抜いて窒素充填をしていますので、開けない限り賞味期限までは酸化しません。
削りたては、おひたしや、冷奴にかけて食べると美味しいです。また、お味噌汁のダシとして使用し、そのまま具として食べても、美味しくいただけます。
一番のおすすめは、温かいご飯に削りたての削り節を乗せて、少し醤油をかけていただくのが、最も削りたてを贅沢に食べる食べ方です。
5鰹節の購入方法
スーパーで売っているのは、鰹節を削った「削り節」になります。鰹節を購入するのでしたら、ネットや専門店になります。
5-1 ショッピングサイトで購入する
楽天やAmazonの様なショッピングサイトの他以下のようなショッピングサイトがあります。
- 築地伏高(https://www.fushitaka.com/katsuo.html)種類が豊富です
- にんべんネットショップ(https://shop.ninben.co.jp/)贈答向けの鰹節があります
- かつおぶしのやまじゅう(https://www.yama10.jp/)手火山による焙乾加工
- 思わず舌鼓(https://shitazutsumi.com/wp/)日本近海鰹の大きいサイズの鰹節です
5-2専門店で購入する
①首都圏
首都圏では東京築地の乾物店の他
- にんべん(https://www.ninben.co.jp/honten/guide/)だしバーもあり、選んで購入出来ます
他多数
②鰹節産地の店舗(静岡県焼津市・鹿児島県)
焼津市
- 新丸正(http://www.s-marusyo.jp/)鰹節関連商品が多数あります
- 柳屋本店(http://www.yanagiya.co.jp/)贈答用からご家庭用まで幅広くあります
他多数
鹿児島県
- 丸俊(http://www.e-marutoshi.co.jp/)日本一の鰹節の産地です
他多数
価格は、大きさや形、作り方によりますが目安は1本1,000~5,000円になります。
6まとめ
鰹節を塊のままでもらったり、つい珍しくて購入する事があります。腐りにくい食材という事でほっといてしまう事があります。
有効に使用する事で、美味しい削り節になります。是非鰹節を削って、食べてみてください。鰹節の本来の風味を味わう事が出来ます。
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