普段、家庭で食べている鍋を美味しくする方法を知っていますか?
その方法は、鍋に入れる食材の下処理や入れる順番を工夫する方法です。
具体的な順番としては、火の通りにくい根菜類やだしの出る鶏肉や魚介類の順番から入れていき、最後に火の通りやすい、葉野菜を入れていきます。
また、下処理については、ひと手間かけることで、味が染み込みやすくなる、食材の雑味が出なくなるといったメリットが生まれより鍋をより美味しく調理することが出来ます。
この記事では、食材を入れるタイミングや食材別の下処理の方法を紹介していきます。
ここに書いてあることを実践すれば、いつもより美味しい鍋を作ることが出来ます。
是非、実践してみてください。
目次
1. 美味しい鍋を作るために知っておきたい食材を入れる順番
現在、スーパーには沢山の種類の鍋つゆが販売されています。
それらの多くに書いてある鍋の作り方は、鍋つゆを鍋に開けて、沸騰させた後に食材を入れていっぺんに煮てしまうという方法が書かれています。
この方法でも、十分美味しく鍋を作ることはできますが、食材を入れる順番を意識するとより美味しく鍋を作ることが出来るでしょう。
ここでは、鍋の作り方を4つのタイミングに分けてそれぞれ食材を入れるタイミングを紹介していきますので、是非試してみてください。
具体的な入れる順番は以下の通りです。
ここからは、それぞれについて詳しく紹介していきます。
1-1. 火をかける前に入れてじっくり味を染み込ませたい食材(根菜類、魚介類、鶏肉、白滝)
火をかける前に入れる食材は、良いだしのでる食材とつゆの味が染み込みにくいためしっかりと煮込みたい食材です。
食材の例としては、大根、人参やごぼうといった根菜類が挙げられます。
根菜類ではありませんが、白菜の白い部分(軸)も固く、熱が通りにくいのでこのタイミングで入れてください。
だしが出やすい鶏肉、魚介類も火をかける前に入れておくころで素材のだしがでて鍋を美味しく作ることが出来ます。
白滝はだしやつゆを吸うことでより美味しくなるので初めから入れておいた方が良いです。
下ゆでや水戻しをしていない固いままの春雨を入れる場合には、水で洗い、はじめから鍋に入れておくと、出来上がりのタイミングで食べごろになります。
1-2. つゆが温まってきたら入れて、じっくり中まで温めたい食材(きのこ類、木綿豆腐)
つゆが温まってきたら入れる食材は、煮込みすぎると食感や型崩れしてしまうけれど、中まで温めておきたい食材です。
食材の例としては、きのこ類や木綿豆腐です。
つゆが温まってきたら(フツフツと揺れるくらい)、きのこ類を入れます。
きのこ類はよいだしが出ますが、熱をかけすぎてしまうと、食感が失われてしまう為、このタイミングで入れてください。
木綿豆腐はだしやつゆを吸わせておくと美味しくなるので、このタイミングで入れてください。
早くに入れ過ぎると水分が出てしまい、つゆが薄くなってしまったり、温度が上がりにくくなるので注意が必要です。
1-3. つゆが沸騰したら入れて、サッと中まで温めたい食材(肉類、つみれ、牡蠣など)
つゆが沸騰したら入れる食材は、しっかりと火を通す必要がありますが、あまり温めてしまうと、食材が固くなってしまうものです。
食材の例としては、牛肉、豚肉、つみれや牡蠣などです。
だしが沸騰してきたら、火を中火にして、牛肉・豚肉・つみれや牡蠣などを入れます。
肉の厚みにもよりますが、肉や牡蠣は火を通し過ぎるとかたくなるので、だしが沸騰したタイミングで入れるのがベストです。
アクが出るのでしっかりと取ってください。
アクをしっかりとっておくことで、臭みやえぐみを取り除くことが出来ます。
また、生の肉が白滝と触れると肉が固くなってしまうため、白滝とは離して入れることが大切です。
火加減は常に中火にして、プクプクと微沸騰の状態を維持してください。
1-4. 最後にサッと火を通す食材(葉野菜、ネギ、もやし)
もやしや白菜の葉、長ネギ、春菊、水菜など緑の野菜、絹ごし豆腐、わかめなど、さっと火を通すだけですぐに食べごろを迎える食材を入れて完成です。
下ゆでや戻してある春雨はここで入れるようにするとドロドロになりにくく、美味しく食べることが出来ます。
2. 鍋を美味しく作るための食材別下ごしらえの方法
ここからは、鍋の定番食材の下ごしらえの方法を紹介します。
下ごしらえの方法覚えておくだけで、味が染み込みやすくなる、煮崩れしにくくなる、だしやつゆの味を汚さないといったメリットがあり、鍋をより美味しくすることが出来るので是非、試してみてください。
ここで紹介する下ごしらえの方法は、煮物など他の料理にも応用することが出来るので覚えておくと便利です。
2-1. 大根
・切り方
薄切りにして輪切りや半月切りやいちょう切りにして食べやすい大きさに切ります。
半月切りは輪切りを半分に、いちょう切りは半月切りをさらに半分に切る方法です。
大き目に切るときは、隠し包丁を入れておくと、だしやつゆの味が染み込み、美味しく仕上がります。
・下茹で
(大根の下茹での方法はこちらから)
2-2. 白菜
・切り方
葉の部分と白い軸の部分に分けます。
葉の部分を重ね、同じ幅にざく切りにします。白い軸の部分は包丁の刃を斜めに入れてそぐように切ります。
白菜の葉の部分と軸の部分では、硬さが違い火の通り方が違うので料理に使用する際は、注意が必要です。
・下茹で
白菜の葉の部分はすぐに火が通るため、下茹でをする必要はありません。
白い軸の部分は固く、火が通りにくいため、下茹でをしておくと味が染み込み美味しく仕上がります。
ラップに包むか耐熱容器に入れて軽くラップをかけ、電子レンジ(600w)で2分ほど加熱。取り出してからしばらくおき、粗熱が取れたら水を絞れば完成です。
2-3. 水菜
・切り方
根元をよく洗って切り落とし、端からざくざくと好きな幅に切っていきます。
歯ごたえをよくするには長めに切るのがポイントです。
・下茹で
水菜は火が通りやすい食材ですので下茹でする必要はありません。
2-4. 人参
・切り方
皮をむいて輪切りにしてください。切る幅によって食感が変わります。
・下茹で
輪切りにした人参を水の状態から鍋に入れ、火にかけます。沸騰させずフツフツとした状態で20分程茹でます。
こうすることで、人参の甘さを存分に引き出すことが出来ます。
時間がない場合は、耐熱皿に大さじ1程の水を入れ電子レンジで600W、3分程加熱して完成です。
2-5. もやし
・切り方
切り方ではありませんが、もやしはひげを取っておくことで、食感を良くする、臭みをなくすといったメリットが得られます。
・下茹で
もやしは下茹での必要はありません。
2-6. しいたけ
・切り方
軸をおとし、かさの部分に左右からV字になるよう、6箇所~8箇所切込みを入れます。
花のようにきれいな飾りが生まれ、味もよく染み込みます。
・下茹で
下茹でする必要はありません。
3. 鍋を美味しくするための肉類と魚介類の下処理の方法
ここからは、鍋に入れる肉類や魚介類の下処理の方法を紹介していきます。
肉類や魚介類はしっかりと処理をすると美味しいだしが取れる一方で、下処理を行わないと臭みやえぐみが出る場合があるのでしっかりとした処理を行いましょう。
3-1. 肉類
鶏の手羽元や手羽先は血合いや汚れを流水で洗い、たっぷりのお湯でゆでることアクや脂を取り除いてザルに上げ、表面を洗い流してください。
また、鶏のもも肉は、熱湯にくぐらせる「霜降り」をすると臭みやとアクを取り除くことができ、つゆを汚しません。
豚肉や牛肉は特別な下ごしらえをする必要はありません。
3-2. 魚介類
魚介類は汚れを取り除き、塩や酒に漬けることで臭いみを抜くことが出来ます。
貝殻つきのあさりなどは、貝殻に汚れがついていることも多いため、殻同士をこすりあわせるようにして洗ってください。
牡蠣は片栗粉をまぶして、つぶさないように軽くすすいでください。
魚は塩をふって15分ほどおき、水分をふくと臭みを取ることが出来ます。
4. 鍋に入れる順番に関するQ&A
ここからは、鍋を作る際の疑問について答えていきます。
4-1. 〆の食材はどうすればいい?
・麺類
鍋の〆の麺類はうどんやラーメンが定番です。
乾麺、生めんどちらでも大丈夫ですが、鍋にそのまま入れてゆでるのではなく、別茹でして鍋に入れる方をお勧めします。
そのまま鍋に入れてゆでてしまうと、粉が溶けてつゆにとろみが出てしまうからです。
・雑炊
鍋の〆として雑炊も定番です。作る際のポイントは、ご飯にスープを吸いやすくして、スープにとろみを付けないようにするために米を洗っておくことです。
鍋のスープが完全に沸騰したらご飯を入れます。沸騰しない弱い中火程度で蓋をし、10分ほどスープをご飯にしみこませます。
最後に強火にして沸騰させ、溶き卵を回し入れ、ネギを振ったら火を止めさらに蓋をします。卵がとろとろタイプが好みな場合は短く、完全に固まったタイプが好きな場合は長く蓋をして調整します。
4-2. 鍋の種類によって入れる順番は変わりますか?
鍋の種類によって食材の入れる順番を変える必要はありません。
理由は、食材の火の通り方は鍋つゆの種類によって変わらないからです。
4-3. 追加で食材を入れる場合はどうしますか?
後から食材を追加する方法はあまりお勧めしません。
食材から水分が出てきてしまい、味が薄くなったりしてしまうからです。
もし、食材を追加で入れる場合は1章でお伝えした通りのつゆの状態まで温めて、食材を入れてください。
5. まとめ
美味しい鍋を作るためには、食材を入れる順番と下処理にひと手間をかけることが大切です。
そうすることで食材の良さを活かした鍋を作ることが可能になります。
鍋を作る際、是非参考にしてみてください。
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