大根の上下では味は違う!味の違いが出る理由とおすすめの使い方

大根を使った時、大根の上側と下側で味の違いを感じたことがありませんが。

実は大根の上部と下部では大根の甘味・辛味の違いがあり、大根の上部(葉先側)は甘く、大根の下部(根っこ側)に行くに従い辛味が増していきます。

これは大根の成長過程が関係しており、大根が下へ下へ成長していくときに虫などにかじられてしまわないように自らの身を守るために辛味が強くなっているのです。

私も板前時代、大根の部位ごとの味の違いで料理の使用方法を変えており、大根の上部はサラダや大根おろし、下部は煮物料理、中部は万能部分として上下部の使い方、もしくは刺身用の“大根のツマ”と使い分けをしていました。

ここでは大根部位を上中下に分け、部分ごとの味の違いや適している料理について紹介していきます。


1.大根の上と下で味が違う 

大根と一言で言っても全国各地には様々な大根がありますが、全ての大根に共通して言えるのは大根の上部と下部では味の違いがあるということです。

三浦大根(神奈川)・亀戸大根(東京)・練馬大根(東京)・源助大根(石川)・桜島大根(鹿児島)・青首大根などの種類がありますが、大根の上部と下部で味は違うのです。

これは大根の成長過程が関係しており、大根の上部は葉先に近く、葉で作られたデンプンなどの養分が多く溜める箇所となり食味が甘く感じられます。大根の下部は、土の下へ下へと成長していく過程で根っこを虫などにかじられてしまわないように自らの身を守るため、辛み成分が強くなっているのです。

日本国内の市場に流通する大根の90%以上を占める青首大根も同様であり、大根の上部(葉先側)と大根の下部(根っこ側)では味の違いがみられます。

1-1 大根は上中下に分かれる

 

 

 

 

 

 

 

大根を使って料理をする時、大根1本は上部・下部・中部と分けて使うと料理がしやすくなります。

これは大根が持つ栄養素が部位によって違いがあるためです。

大根に含まれる栄養素代表格はビタミンCであり、その他にも消化酵素であるジアスターゼや辛み成分であるイソチオシアネートを含んでいます。

大きく分けるとジアスターゼは大根の上部、イソチオシアネートは大根の下部となり、大根の中部はこの栄養素の中間部で辛みと甘味をバランスよく含んだ部位となります。

また、大根を購入する際は1本丸ごと購入することをおすすめします。

大根はカットした面から水分が抜け落ちてしまいますので、時間が経過すると張りの少ない大根となってしまい料理に使いづらくなってしまうことがあります。

しかし、どうしても1本も使い切るのが難しく、カットされた大根を購入するのであれば、大根の上部から中部を含んだ部位を購入すれば様々な料理に使えますので、使い勝手が良い部位となります。

1-2 大根の上部は甘くて胃腸にもやさしい

大根の上部は土の表面に近く、大根の葉先がある部分を指します。

大根を上部・中部・下部と分けて場合、甘味が一番感じられる部位となります。

大根の上部は葉先に近い部分となり、大根の葉から取り入れた水分が大根に吸収される最初の部位となります。大根の部位の中では水分量が多く、大根の葉で作られたデンプンなどの養分(糖質)がいちばん濃いため、大根の上部は甘い箇所となります。

また、大根の上部にはたんぱく質の分解酵素であるプロテアーゼや消化酵素であるジアスターゼが多く含まれており、胃腸の機能をコントロールし消化を助けてくれる働きもあります。

 

 

 

 

 

 

大根 上部

1-3 大根の下部は辛いが抗酸化作用あり

大根の下部にはイソチオシアネートという物質を多く含んでいます。

イソチオシアネートは大根の根っこに向けて多くなり、葉に近い部分に比べ10倍にもなります。

イソチオシアネートは、抗酸化作用やがんの抑制効果があるとされている物質ですが、大根おろしとしてすりおろした場合、大根の細胞が壊れ、アリルイソチオシアネートという辛み成分が生成され、空気に触れると辛みが増すという特徴があります。

しかし、熱に弱いという特徴もあり、加熱調理すると辛み成分は減少してしまいます。

このためイソチオシアネートを効率よく吸収するためには、すりおろして大根おろしにすることがおすすめですが、辛みが気になる方は漬物として食べることもおすすめです。

 

 

 

 

 

 

 

 

大根 下部

 

1-4 大根の真ん中は万能部位

大根の中部(真ん中)はある程度の水分を含んでおり、下部に比べ辛味も柔らかく、上部の甘味と下部の辛味をバランス良く含んだ部位となります。

そのまま食べる大根おろしやサラダにも適していますが、おでんや大根の煮物として使っても味が浸み込みやすく、加熱によって柔らかくなります。

生食や加温して食べる調理法のどちらにも適した万能な部位と言えます。

 

 

 

 

 

 

 

大根 中部


2.大根の上部しかない場合の料理

大根の上部は、みずみずしく食味も甘いという特徴があります。

また、中部・下部に比べ肉質が固く、食感が良いという特徴もあります。

大根の上部を使ったおすすめの料理は、

①大根サラダやマリネ

②大根スティック

②辛味が苦手な人の大根おろし

など、そのまま食べることで大根のみずみずしさや甘味を直接感じることが出来るのでおすすめです。

もちろん煮物としても使用できますが、大根上部の皮が厚いため、皮を剥くときは厚めに剥くと味が浸み込みやすくなり、食感も柔らかくなります。

その他の使い方として、調理する前の肉や魚を大根おろしにして漬け込むという使用方法があります。

これは大根に含まれる分解酵素のプロテアーゼのタンパク質を分解する働きを利用したもので、鶏のから揚げを作る場合でも30分程大根おろしに漬け込んで調理すると食感が柔らかくなり、ジューシーな鶏のから揚げが出来上がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


3.大根の下部しかない場合の料理

大根の下部はイソチオシアネートという物質を多く含んでいる箇所であり、辛みも強くなる部分です。

イソチオシアネートは、抗酸化作用やがんの抑制効果があるとされている物質ですので、健康に気を遣う方は大根おろしや漬物として生のまま食べることをおすすめします。

どうしても辛味が気になる場合は、イソチオシアネートは加熱に弱いという特徴を活かし、15秒程電子レンジで加熱すると辛みは和らぎます。

また、豚バラ大根などの炒め物として使うと大根の辛みが和らぎます

その他にも大根の下部は上部に比べ水分量が少ないので、煮物として使った場合は味が浸み込みやすいという特徴もあります。

このため、ふろふき大根やおでんの具材や味噌汁の具として使うことがおすすめです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


4.まとめ

大根の上と下では大根がもつ栄養素や成分に違いがあるため、食味にも違いが現れます。

・大根の上部は甘く、サラダなどとしてそのまま食べることがおすすめ。

・大根の中部は万能部位であり、どんな使い方もできる。

・大根の下部は辛味が強いため煮物料理に最適。

もちろん季節によって味の違いが出ることはありますが、部位別の特徴を知ることで、上手に料理に活かすことが出来ます。

 

大根の部位による味の違いを活かして、今日の献立は大根料理にしてみてはいかがでしょうか。

業務用サイト-トップページ

鰹節をご使用されるあなたの「あんな風にしたい、こんなふうにしたい」という想いを叶える為に、丁寧にお話を聞く事を大切にする会社です。

こんな悩みはありませんか?

  • 大量の削り節が必要だけど対応してもらえるかな?
  • 安定的に供給してもらえるかな?
  • 自社商品を開発してみたけど、出汁感が少しだけ薄いのでもう少し濃くならないかな?
  • 製品のトレーサビリティの証明書原産地証明書は出してもらえるのかな?

味だけでなく、メーカー、仕入れ担当者、営業、品質管理などで、ご要望は様々です。トレーサビリティの証明書原産地証明書や、大量発注など、様々な思いを叶えます。

鰹節の専門アドバイザーがおりますので、お気軽にご相談ください。

無料Ebookプレゼント

家庭でも実践できる!
うま味が凝縮された
美味しい和食料理を作るための全知識

ebook

「もっと美味しい和食を作りたいけど、
なかなかコツが掴めない」と
悩まれていませんか?

和食は繊細な味付けが肝となりますが、そのコツがわからないと悩まれる方は驚くほど多いものです。

特に日本人である以上は美味しい和食を当たり前のように作れるようになりたいと思いますよね。

本冊子では、かつお節の専門家として長く和食に携わってきた私たちが、全ての日本人に知っていただきたいと考える

  • うま味を7〜8倍に引き上げる食材の組み合わせ
  • 素材のうま味を最大限引き出すだしの取り方
  • 「花かつお」と「かつお厚削り」の取り入れ方の違い
  • 誰でも実践できる温かみある和食特有の味付けのコツ

など、美味しい和食を作るための全知識を35ページに渡ってわかりやすくまとめました。
ぜひ、本冊子の知識をもとに美味しい和食を作ってみてください!

コメント

うま味が凝縮された
美味しい和食料理を作るための全知識
うま味が凝縮された
美味しい和食料理を作るための全知識