鰹節の背節(せぶし)って何? 呼び方の違いで何か違いがあるのか。これは鰹の背中の部分から造られた鰹節です。別名を雄節(おぶし)とも言います。
この記事は背節の特徴をお話ししながら腹節との比較、その違いなどに触れ、これからはひと目で区別できる記事として紹介していきます。
1.鰹節 背節とは
背節(せぶし)とは、かつおの背側を指す呼び名です。
かつおの背中とお腹で分け、背中の部分からできた鰹節を“背節”といいます。
1-1 背節の特徴
1-2 腹節との違い
外観から、簡単にその区別がつきます。

鰹節の完成形をご覧いただきますとわかるように大きい方が背節です。形、大きさで区別がつきます。
上が頭、下が尻尾側です。見えている表面が皮の部分です。
腹側には内臓がありますので、その部分を取り除いていきますので形は小さくなります。
この違いが背節と腹節を見分ける簡単ポイントです。
①価格の比較
背節は腹節に比べて重量がある分、お値段は高くなります。
価格設定はグラム当りいくらになるか。で設定されていますので、背節が大きい分、腹節より高くなります。品質の差で決められた価格ではありませんのでご安心ください。
②脂肪分の比較
鰹節の背と腹で脂肪の付き方に差があり、腹節がおいしいといわれることがあります。確かに脂肪分はおいしさを感じるひとつの要素ですが、どれほどの差があるのか調べてみました。
下表は比較した結果ですが脂肪はお腹側に乗りやすい、多い、と言われていますがほぼ差がない結果となりました。
腹節には内臓の部分あり、その周辺に脂肪が付きやすくなりますので腹節の場所によっては、多い・少ない の違いがあり、必ずしも腹節が多いとする結果ではありません。
100g中に脂肪分の含まれている量を背節と腹節を比較してみました。
具体的に、厚削りで見てみますと脂肪は全体にはないことがわかります。
背節と腹節を厚削りにした時の脂肪の様子を見てみましょう。
背節の厚削りの一例です。全体的に艶のある飴色の削りです。
腹節の厚削りの一例です。下部が白っぽくなっていますが、この部分が内臓に近い部位であり、脂肪がついている削りです。
これは厚削りにした場合ですので非常にきれいに削られていますが、ご家庭で削りたてをいただく場合、削り花に違いがでることがあります。この違いとは、粉になりやすいことを指します。次は実際に削っていただき、削りたてをお楽しみいただく為の方法をご紹介します。
2.背節を削る
実際にご家庭で背節を削ってみましょう。
鰹節は非常に硬い塊ですので削るところをぬれ布きんでカビを取り、少し湿らせるようにしてください。
この時布きんは固めに絞ってください。
背節の皮側を手の平にあて、頭の方から斜めにしながら削ります。
同じ所をずっと削らず、少しずつ回しながら削る面をずらしていきます。
削り始めは粉もの、小さなものですが、面になれば“花”が大きくなってきます。
これが腹節の場合、脂肪の多いところは“粉”になってしまいます。非常にもろい状態なので“花”にならないわけです。しかしながらおいしさに何ら違いはありませんのでご安心ください。
背節の呼び名ですが、雄節(おぶし)とも呼ばれます。背節は雄節、腹節は雌節(めぶし)と呼ばれます。
昔から鰹節は縁起物として、結納、結婚式などで用いられています。
背と腹が対になることから、夫婦がいつまでも添い遂げる意味が込められています。このように背節を雄節、腹節を雌節と言い、むしろこの呼び方が周知されているのではないでしょうか。
3.まとめ
鰹節 背節とは、かつおの背中の部位から造られた鰹節です。型の大きいかつおを背中とお腹で分けます。
背節は型が大きく、腹節は小さい。見た目ですぐに区別できます。また、ここにお値段の違いがあり、背節は重い分お値段が張るという理屈で、品質の違いではありません。
背節(雄節)がわかれば、腹節(雌節)もわかる。そんな記事にまとめてみました。これからお買い求めになる場合、是非参考にしてください。
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