出汁に向いているのは『軟水』!「硬水」との違いを解説します。

「だしを取ろうと思うけど水道水でいいの?それともミネラルウォーター?」
だしを取る際に使用する水。
水質によって向き不向きがあることをご存じですか?
だし取りに向いているのは『軟水』(なんすい)です。
今回は『軟水』、『水道水(静岡県)』、『硬水』の3種類の水で実際にだしを取り比較してみました。
ぜひこの記事を読んでだし取りに適した水を理解し、料理に役立ててください。


1 .だし取りには『軟水』(なんすい)を使う

だし取りに適した水は、『軟水』に分類される水です。

だしを取る際に
ミネラル成分が多く含まれる『硬水』(こうすい)を使うと
その成分の作用でたんぱく質が固まり
うまみ成分(グルタミン酸やイノシン酸)が溶け出しにくくなるので
だしのおいしさを最大限に引き出すことができません。

そのため、だし取りに使用する水は
水の硬度を基準にして選び
『軟水』を使用することをおすすめします。


2.日本の水は『軟水』

日本の水は、地域によって多少違いがありますが『軟水』に分類される水です。

水は硬度によって種類が分けられます。

水1000mlあたりに溶けているカルシウム・マグネシウムの硬度が

120mg未満だと『軟水』

120mg以上を『硬水』

といいます。

【北海道】軟水
硬度:約50mg未満/水1000ml
軟水の中でとても硬度が低い

【東北】軟水
硬度:約75mg未満 / 水1000ml
軟水の中で硬度が低い

【関東】軟水
硬度:約100mg未満 / 水1000ml
軟水の中で硬度が高い

【甲信越】軟水
硬度:約75mg未満 / 水1000ml
軟水の中で硬度が低い

【北陸】軟水
硬度:約75mg未満 / 水1000ml
軟水の中で硬度が低い

【東海】軟水
硬度:約75mg未満 / 水1000ml
軟水の中で硬度が低い

【近畿】軟水
硬度:約75mg未満 / 水1000ml
軟水の中で硬度が低い

【中国】軟水
硬度:約75mg未満 / 水1000ml
軟水の中で硬度が低い

【四国】軟水
硬度:約50mg未満 / 水1000ml
軟水の中でとても硬度が低い

【九州】軟水
硬度:約100mg未満 / 水1000ml
軟水の中で硬度が高い

【沖縄】軟水
硬度:約120mg未満 / 水1000ml
軟水の中でとても硬度が高い


3 .『軟水』と『硬水』のだしの違い

実際に『軟水』、『水道水(静岡県)』、『硬水』でだしを取り比較してみました。

左から『軟水』、『水道水(静岡県)』、『硬水』です。

 

使用した『軟水』

 

使用した『硬水』

 

『水道水(静岡県)』は2章でご紹介した通りで
軟水の中でも硬度が低い水です。

【東海】軟水
硬度:約75mg未満 / 水1000ml

3-1.「薄削り」のだし

節を薄く削った削り節、「薄削り」は香りの良いだしを取ることができます。

今回は500mlの水に対して20gのかつおの薄削りを使用しました。

実際にそれぞれの水を使用してだしを取ってみますと
硬水は色が薄く、白く濁りました。

だしを飲んでみますと
香り・味ともに薄く、硬水独特の苦味が強く
だしとしておいしいとは言えないものでした。

軟水と水道水(静岡県)は香りも味もほぼ変わりなく
香りの良いおいしいかつおだしが取れました。

3-2.「厚削り」のだし

節を厚く削った削り節、「厚削り」は濃厚でうま味の強いだしを取ることができます。

今回は500mlの水に対して20gのかつおの厚削りを使用しました。

実際にそれぞれの水を使用してだしを取ってみますと
硬水は色が薄く、白く濁りました。

特にだし取り中の濁り具合は、だしを取っていて驚くほどでした。

だしを飲んでみますとこちらも薄削りと同様で
香り・味ともに薄く、硬水独特の苦味が強く
だしとしておいしいとは言えないものでした。

軟水と水道水(静岡県)は香りも味もほぼ変わりなく
濃厚で強いうま味のおいしいかつおだしが取れました。


まとめ

だし取りに適した水は、『軟水』に分類される水です。

実際にだしを取ってみて改めて『硬水』がだし取りに適していないことがわかりました。

 

また、日本の水道水は『軟水』ですので

水道水、または浄水器の水でおいしいだしが取れます。

 

ミネラルウォーターを使用する場合は

『軟水』を選んでください。

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