減塩した料理は味がイマイチなんて思っていませんか?
からだの健康のためには減塩は欠かせないのはわかるのですが、おいしくない料理では長続きしないですよね。
病気で塩分の摂取量をコントロールしなくてはならない人にとって、お料理を作る時
「減塩」することはとても重要です。
減塩調味料を使わなくても、調理のコツしだいで食事の塩分量は減らすことができます。
つまり、塩分を控えても工夫次第で食べ応えのある料理は作ることができるのです。
調味料は変えずに「減塩」できるコツは味に「メリハリをつけること」。
・表面に塩味を強く
・他の味を足す
・うま味や香りをまとわす
・献立に味の濃淡をつける
いつもの調味料で減塩してもおいしい料理をつくりましょう。
1. 減塩しつつ塩味を味わう4つのコツ
自分や家族の健康のために減塩した料理を作るにはどうしたらいいでしょうか。
減塩調味料を使わなくてもいつもの調味料を使って実際の調理に応用できる方法は4つあります。
1-1 表面に塩味を強く
塩味は最初にガツンときかせましょう。
甘みは最初に甘くするとだんだん甘さになれてしまいますが、塩味はその逆です。
最初の一口で塩味を濃い目に感じさせるとその後も薄味にしても塩味を感じやすくなります。
たとえば、魚料理。
焼きものは外側だけに塩を振るだけで全体の塩分を減らしても食べ終わった後、強く塩味を感じます。
煮魚は魚に火が通ったら、いったん魚を鍋から取り出し煮汁を濃く煮つめてから具材にからめると塩分を控えてもおいしくいただけます。
1-2 うま味や酸味、辛味をプラス
塩分を控えるにはうま味や酸味や辛味また、香味など他の味を足しましょう。
味わいにおける塩の役割は塩味を感じさせるだけでなく、「水っぽくない心地よさ」があります。
言い換えれば「物足りない」味を他の味で補えば減塩しても人はおいしいと感じます。
塩味の代わりに他の味、例えば「うま味」「酸味」「辛味」などを加えましょう。
和食ではしょう油という便利な調味料があるため、しょう油つまり塩分を加えることで食べ物の味わいの物足りなさを補おうとしがちです。
しかし、「うま味」「酸味」「辛味」など塩味以外の味付けをして満足感を補いましょう。
1-3 香りをまとわす
料理の香りも減塩するために重要な役割があります。食べ物の味は多くの場合、舌で感じる感覚だけでなく鼻で感じる香りを含めた感覚で味わっています。
ほとんどの人にとって、例えばお肉を焼いた香りは食欲をそそります。
また、柚子やシソなどの香味野菜をほんのわずか添えても満足感は補われ、減塩につなげることは難しくありません。
なお、しょう油の味になじみが深い日本人の場合、しょう油の香りだけで塩味の感じ方が強くなる効果があるそうです。
最後にしょう油を加えて、その香りをいかせば塩分を控えてもおいしく感じられます。
1-4献立に味の濃淡をつける
一回の食事の中で濃い味の料理と薄味の料理を作りましょう。
和食の献立は「一汁三菜」や「一汁二菜」といわれるように、ご飯と汁物と複数のおかずの組合せが一般的です。
そのおかずのどれかの味を「濃いめ」または「普通」の味付けにして、他のおかずを薄味にしてみましょう。
献立すべてを薄味にするのではなく塩味が強めの小さなおかずをひとつ入れると一回の食事として満足できます。
2. まとめ
いくら減塩調味料を使ってもおいしい料理が作れなくては塩分を控えた食生活は長続きしません。
また、塩味が足りない気がしてその結果、減塩調味料を使う量が増えては「減塩」したことにはなりません。
それよりもいつもの調味料を使って、味や献立にメリハリをつけてみんなに喜ばれる料理を作りつつ、楽しく生活していきましょう。
参考文献 「料理と栄養」 2022月5月号・2020年2月号 女子栄養大学出版部
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