健康的で美味しい煮干しをご自宅で簡単に作りたいと思いませんか?
実は煮干しの作り方さえわかれば、誰でも簡単に作ることが出来るのです。
ご自宅で作れば添加物などを一切使用しない、自然な風味で美味しい煮干しを作ることができ、様々な料理にも使うことが出来ます。
ここでは元料理人の私が、誰でも簡単に美味しい煮干しが作れる方法をお話しさせて頂きます。
スーパーで生のイワシを見つけたら、是非、ご自宅で美味しい煮干しを作ってみてください。
1.煮干しの作り方
煮干になる魚はイワシやアジ、アゴなどがありますが、ここでは代表的なイワシ煮干しの作り方をお話しします。基本的にどんな魚種でも同じ作り方で煮干しを作ることができます。
まず、実際に煮干しを作ってみようと思ってもなかなか難しそうに感じてしまいますが、実は3つの手順で作ることが出来ます。
①イワシを洗う(洗浄する)
②イワシを茹でる
③乾燥させる
たったこれだけの手順で簡単に美味しい煮干しが作れてしまうのです。
まずは、3つの手順と美味しく作るためのポイントをお話しします。
1-1 水洗いでウロコと内臓を取り除く
購入したイワシや釣ってきたイワシは必ず魚体の表面を洗うことが大切です。
イワシの表面には柔らかいウロコが付いていますので、ボールに水を入れ、水につけたまま魚体の表面を指で優しく洗ってあげると柔らかなウロコが簡単に取り除くことが出来ます。
ウロコが残った状態ですと煮干しになってからもウロコが付いたままの状態となり、そのまま食べると口あたりが悪くなってしまいます。
また、魚体の表面を水で洗うことで小さな付着物やヌメリを取ることが出来ますので、イワシを茹でる前に水洗いをしておくことが重要です。
そしてこの水洗いの時に必ずやっておいた方が良いことがあります。
それは、イワシの内臓を取り除くことです。
煮干を丸ごと食べたときに苦味の原因にもなり、出汁を取った時には濁りの原因にもなります。
水洗い時はウロコと内臓をしっかり取っておくことが重要です。
1-2 低温でサッと茹であげる
水洗い後のイワシは、鍋で茹でていきます。
自分が板前をしていた頃、煮干の製造業者に煮干しの作り方を聞いたことがあり、実際に煮干しを茹でる時には海水をろ過したものを使用し、イワシを茹でているとのことでした。
また、真水を使って茹でてしまうとイワシのうま味が煮汁に溶け出てしまうため、おすすめできないとのことでした。
自宅で煮干しを作るために海水を取りに行き、ろ過をする手間は掛けられませんので、海水と同じ塩分濃度3.5%の食塩水を用意し、イワシを茹でていきます。
ここでのポイントは2つ。
①食塩水は沸かしすぎない。(80℃くらいの温度)
②茹で時間は3分~5分程度
食塩水を沸かし、80℃くらいになったら水洗いしたイワシを鍋に入れ、そのままの温度をキープします。
食塩水を沸騰させてしまうとイワシの身崩れが発生し、出来上がりの形が悪くなってしまいます。
茹で時間は3分から5分程度を目安にします。イワシのサイズにもよりますが、イワシの目玉が白くなったら魚体にも火が通った目安になります。
茹で時間を長くしてしまうとイワシのうま味が食塩水に溶け出してしまい、煮干しになった時に淡白な味わいになってしまいます。
温度と時間がイワシを茹でる際に大切なポイントとなります。
1-3 じっくり乾燥で旨みが凝縮
茹で上がったイワシは粗熱を取り、乾燥させます。
乾燥方法は、天日乾燥とオーブン乾燥の2種類があります。
天日乾燥をおこなう場合は、干物用ネットがあると便利です。
茹でたイワシをネットに並べ、5日程度屋外で乾燥させます。
天日が当たりやすい場所でじっくり乾燥させていくことで、イワシの持つ旨みが凝縮され、美味しい煮干しが出来上がります。
乾燥状態を見る目安として、並べられたイワシの尾ビレが上むきに反り始めたら乾燥してきた目安となります。判りづらい場合は、イワシの魚体を手で折った際に簡単に割れると乾燥の完了です。
イワシを持った時に柔らかさを感じたり、折っても身切れが悪いときは乾燥しきれていない状態です。
雨が降り出しそうなときには必ず室内へ入れてください。
オーブン乾燥をする場合は、天板にキッチンペーパーを敷き、イワシが重ならないように並べ、120℃で100分程掛けて乾燥させていきます。
途中イワシを取り出し、上下を入れ替えてあげると効率良く乾燥させることが出来ます。
天日乾燥に比べ時間が短く済みますので、簡単に作りたいときはオーブン乾燥がおすすめです。
個人的にオーブン乾燥は天日乾燥に比べうま味が弱く感じてしまうため、じっくり美味しさを求める場合は天日乾燥、時短で直ぐに使いたい場合はオーブン乾燥と使い分けています。
2.美味しさを長持ちさせる保存の仕方
イワシ煮干しの保存方法は、ジップロックなどの密封できる袋に入れ、空気をしっかりと抜いてから冷凍・冷蔵保存をすると長持ちします。
煮干は温度や湿度の影響を受けやすく、すぐに劣化してしまい、美味しく食べられる時期が短くなってしまいます。
このためなるべく空気に触れない様、脱気した状態で密封できる袋に入れ冷凍もしくは冷蔵保管することで煮干しの風味を長く維持することが出来ます。
3.まとめ
今回、自宅で簡単にできる煮干しの作り方と美味しく作るためのポイントも合わせお話しさせて頂きました。
煮干しは3つの手順で簡単に作ることができ、更にご自身で作ることで無添加で美味しい煮干しを作ることができます。
スーパーでイワシを見かけたら、簡単煮干作りにチャレンジしてみては如何でしょうか。
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