化粧塩っていったい何のこと?
お店で焼き魚を注文して提供された焼き魚のヒレが白っぽくなっていることがありませんか。
それは化粧塩と言って、魚のヒレに塩をまぶして焼き上げているため魚のヒレが白くなっているのです。
ここでは、化粧塩をおこなう理由や化粧塩のやり方と化粧塩をする際に注意することについてお話していきます。
1.化粧塩とは
化粧塩とは魚のヒレに塩を付けて焼くことです。かざり塩とも呼ばれることがあります。
魚の尾ヒレ・胸ヒレ・腹ヒレ・背ヒレに手で塩を刷り込み、焼き上がった際にヒレの部分に付けた塩の水分が抜けて白くなることで、魚のヒレに「化粧」をほどこしているように見えることから化粧塩と呼ばれます。
ヒレが残った状態の魚を姿焼にするため、塩焼きやお祝いの際に出される”尾頭付き”の焼き物に多く見られます。
化粧塩を施す焼き魚には鯛やあじ、さんまなどの海の魚の他にアユやイワナ等の川魚の塩焼きでも見ることができます。
2.化粧塩をおこなう理由
化粧塩は魚の頭やヒレ、尻尾を残したままの姿で焼かれる姿焼(尾頭付き)で見られることが多く、切り身の魚よりも大きさがあり、厚みもあるため、焼くのに時間が掛かってしまうことが多くあります。
魚の中心部までに火が通るのまで時間が掛かるため、直火にさらされる時間の長いヒレの部分はヒレ自体が焦げて、ひどい時にはヒレ自体が焼け落ちてしまって仕上がりが奇麗にならないことがあります。
このため、焼く前にヒレ自体を保護する目的と焼き上がりの見栄えも良くするため、ヒレに塩を刷り込むように付けていきます。ヒレに塩を刷り込んでいくことで、焼いている際も直火からの熱を塩が遮り、ヒレの焦げつきやヒレの焼き落ちを防ぐことができるのです。
3.化粧塩のやり方
焼き魚に化粧塩をする方法は2種類あります。
1つめは濡れた魚のヒレ部分に直接塩を刷り込む方法。もう一つはたまごの卵白を使う方法です。
3-1 ヒレ部分に直接塩を刷り込む方法
魚のヒレに直接塩を刷り込むには、ヒレ部分を水で濡らす必要があります。
ヒレに付いた水分を利用し、塩を刷り込んでいくのですが魚を手で持ったまま塩を刷り込むことは難しいので、
バット等に塩をあらかじめ持っておき、その上からヒレを直接塩に付けていくと簡単に出来ます。
ここでの注意点は、塩をしっかりと刷り込むことです。
塩をしっかりと刷り込まないと焼いている最中に出る魚の水分で塩を溶け流してしまうことがあります。
ヒレに塩を付けた後、手でしっかりとヒレを挟み、刷り込んでいくことで塩の溶け流しを防ぐ事が出来ます。
また、ヒレに塩を刷り込んだ後、ヒレの部分だけアルミホイルで包んでおくと、直火の熱からヒレを守り、焼き上がり後も奇麗な化粧塩が盛られたヒレになります。
3-2 ヒレに卵白を塗ってから化粧塩をする方法
ヒレ部分に直接塩を塗るだけではなく、ひと手間加えて化粧塩を更に奇麗に仕上げる方法があります。
それは卵白を使うことです。
ヒレに直接塩を塗るだけですと、ヒレから抜け落ちた水分で塩が溶けだしてしまい、化粧塩が部分的に剥がれてしまうことがあります。卵白を塗った後で塩を刷り込むことで、化粧塩が強固になり、剥がれやすさを低減させる事が出来ます。特にお祝いなどで鯛の塩焼きを出す場合などは、見栄えを重視することもありますので、卵白を使って化粧塩をすることがあります。
卵白を使うやり方として、
①たまごの黄身だけを取り外し、卵白だけを取り出す
②取り出した卵白をメレンゲ状にして魚のヒレに塗る
③メレンゲを塗った後で塩をヒレ部分に刷り込んでいく
④アルミホイルを使ってヒレの部分を覆っていく
卵白を使うことで、化粧塩の仕上がりも見栄えが良くなりますので、おすすめのやり方です。
4.化粧塩をおこなうときの注意点
化粧塩をおこなう際の注意点として、魚の身に塩が付かないように丁寧に塩を塗ることです。
魚の身に塩が付きすぎてしまうと塩辛くなってしまいますので、化粧塩を塗るときは身の部分をキッチンペーパーで覆うなど注意が必要です。
また、化粧塩が落ちないように過度に塩を塗りこむことも避けた方が良いです。
魚のヒレ全体に塩が薄っすらと付いているのが見栄えもよく、塩がたくさんついている状態ですと焼いている時に時に塩の比重で形が崩れ、見栄えも悪くなりますので厚い化粧は避けた方が無難です。
5.まとめ
今回は化粧塩の意味と化粧塩のやり方についてお話しさせて頂きました。
化粧塩は魚のヒレに塩を刷り込むことで、焼き上がり後の魚の見栄えを良くすることができる和食のテクニックの一つです。
お祝いの席などで提供される焼き魚で見かけることが多いですが、ご家庭でも簡単に化粧塩を施す事が出来ますので、是非この記事を参考にしてください。
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