お造りと聞くと、皆さんはどのような切り方を想像されますか?
お造りには様々な種類があり、魚の種類や盛り付け方によっても切り方が変わってきます。
今回はお造りの種類について詳しく解説していきたいと思います。
1.「お造り」とは
「お造り」とは、魚の切り身を盛りつけたもののことを一般的に指します。
「お刺身」との違いについてよく聞かれますが、「お刺身」は魚の切り身の呼称で、「お造り」は魚の切り身を盛りつけたものというような違いがあります。
しかし、現在では「お刺身」も「お造り」もほぼ同義で「切り身」というような意味で扱われています。
お造りは魚の種類や身質によって様々な種類があります。
2.代表的な「お造り」の種類
①平造り

最も一般的な「お造り」の手法です。魚の「さく」を皮目を上にして置き、右側から包丁を直角にあて、引き切る切り方です。
マグロやカツオといった赤身の魚や、ブリやアジなどの「青物」と呼ばれる魚に用いられることが多く、切り身に厚みが出るのが特徴です。
マグロやカツオ等の赤身魚は、身が柔らかく大きく厚いので、薄く切ると歯ごたえが弱まります。赤身魚の身の弾力を楽しむために切り身に厚みの出る平造りが用いられます。
また切り身を一直線に並べることで盛り付けた際の見た目が良くなるので、美しい盛り付けを行う時に用いられます。
②そぎ造り

魚の「さく」を皮目を下にして置き、左側から包丁を寝かせて、魚の繊維と平行に薄くそぐように引き切る切り方です。
タイなどの白身魚に用いられる方法で、白身魚の弾力性を生かすことのできる切り方です。
白身魚は身が硬いので、繊維を断ち切って口当たりを柔らかくするためにこの切り方をします。
また、斜めに切る事で切り口が大きくなり、見映えがよくなるので、美しく盛り付けたい際に使われます。
③薄造り

魚の「さく」を皮目を上にして置き、左から薄くそぐように引き切る切り方です。
この際、皿が透けて見えるほど薄く切るのがポイントです。
フグやヒラメ、カワハギなどの白身魚の中でも特に身の硬い魚に用いられる手法です。これらの魚は非常に身がしまっており、噛み切れない場合があるので、薄造りが用いられます。
また、魚の身を薄く切っているため、盛り付けも自在で、フグの薄造りに見られるような創意工夫のある盛り付け方ができるのも特徴的です。
④細造り

イカやサヨリ、太刀魚などの身が薄く、平造りに向かない魚に用いる切り方です。
包丁の刃先を使って、斜めや縦に細く引き切る切り方です。
これらの魚はそぎ造りなどにすると身が薄いため、力強さが出なく見映えもよくないので縦や斜めに細く長く切ることで、盛り付けた際の見栄えが良くなります。また和え物などにも適しています。
⑤角造り

マグロやカツオ等に用いられる切り方で、山かけ用などに用いられます。「平造り」と同じように約1.5㎝幅で直角に引き切り、その切り身を約1.5㎝各になるくらいに切る切り方です。
ハワイ料理のポキや漬け料理やあえ物などにした際に味がよくなじむようにこの切り方が用いられます。
⑥八重造り

平造りの応用的な切り方で、皮目を上にして切り身の中央に切り込みを入れて身を切っていく切り方です。
見栄えが良く、醤油も乗りやすくなる効果があります。
カツオやサバなどの皮下に旨みがある魚に用いられる切り方です。
⑦皮霜造り

皮に旨みがあるとされる、タイやイサキ等の魚に用いられる手法です。魚の皮を引いていない状態で熱を通し、冷水で冷まし、切り身を切っていく方法です。
お湯で皮目に熱を通した場合を「湯霜造り」、皮目を火で炙った物を「焼霜造り」と言います。
皮にうまみがある魚を、皮ごと食べる場合に用いられ、火を通すことで皮の生臭みやクセを取り除く効果があります。
また皮の部分はコリコリとした食感であり、身の部分と違った食感を一度に楽しむことができるのが特徴です。
まとめ
お造りの種類は、赤身や白身といった身質の違いや身の硬さなどなどによって多くの種類があります。
盛り付けた際の見た目だけでなく料理の種類によっても多くの切り方が存在し、いずれも素材の味が生きるように切り幅の厚みの違いや下処理などの工夫があります。
ご家庭でお造りを切る際に魚種や用途に合わせて、様々な切り方に挑戦してみてはいかがですか。



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