最近良く耳にする生活習慣病。
生活習慣病は日本人の死因の上位を占めるがんや心臓病、脳卒中などを引き起こす恐れがあると言われています。
生活習慣病にならないためには、適度な運動や健康的な食事をすることが推奨されており、運動面ではウォーキングやラジオ体操などの有酸素運動が効果的と言われています。しかし食事面ではどんな食事をすればいいかお困りではないでしょうか。
ここでは、「生活習慣病を改善したい」「生活習慣病に良い和食のレシピを知りたい」「ただの和食ではなく、生活習慣病が改善される美味しい和食を作りたい」と 思っているあなたに生活習慣病に和食が良い理由と生活習慣病に良いとされる和食のレシピを紹介しいたいと思います。
記事の内容によって、皆さんに生活習慣病の改善になる和食のレシピを知ってもらえれば幸いです。
目次
1.和食によって生活習慣病は改善されます!!
生活習慣病に該当する主な病気として、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病、痛風、肥満症、メタボリックシンドローム等が挙げられます。これらの病気を予防、改善するには日ごろから和食を食べることが良いとされています。理由としては、海草、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶に含まれている食物繊維、ポリフェノールやカテキンなどの抗酸化物質、カロテン、不飽和脂肪酸などの栄養素が効果的だからです。
海藻
海藻である昆布とかつお節などからとる「だし」の「うまみ」を上手に利用することで、バターやラードなど動物性脂肪の少ない食事のため、日本人の長寿や肥満防止にも役立っています。
漬物
漬物は、食物繊維を多く摂取できるので、野菜の栄養をしっかり摂ることができます。そして、食物繊維は、腸内環境の改善、整腸作用、便秘の改善、コレステロールの抑圧効果があり肥満症等の予防にもなります。
緑黄色野菜
緑黄色野菜には、「プロビタミンA」とも呼ばれ、優れた抗酸化作用や免疫強化作用を発揮する成分が含まれています。また、カリウムには体内の余分な塩分を輩出し、高血圧や動脈硬化を予防することが出来ます。
魚介類
魚に含まれる油はDHAやEPAで、オメガ3脂肪酸といわれ、これらはコレステロールを下げる働きがあり、動脈硬化を予防する働きがある脂肪として、良質の油になります。
1-1.どうして和食は生活習慣病によいのか
和食の特徴は主食、主菜、副菜と汁物の一汁三菜と食事スタイルです。主食はエネルギー源となる炭水化物を多く含むご飯、主菜は肉や魚、大豆製品など筋肉や血液の材料となるたんぱく質、副菜にはお浸し、煮物、和え物などを利用することで体の調子を整えるビタミン、ミネラル、味噌汁からも野菜か海藻類が補えるため、生活習慣病によいとされています。
厚生労働省HPより引用
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html
2.生活習慣病に良いとされる和食レシピ
生活習慣病に良いとされる和食の組み合わせはたくさんありますが、ここでは代表的な一汁三菜の組み合わせを紹介します。
例として、
【朝食】ご飯、卵焼き、納豆、みそ汁(キャベツと油揚げ)、果物(ミカン2個)。
【昼食】きつねうどん(具は、油揚げ、カマボコ、ホウレンソウ、刻みネギ)、果物(ミカン2個)。
【夕食】ご飯、五目豆、サバのみそ煮、すまし汁(ハクサイとワカメ)
こうした食事の注目すべき点を以下にまとめました。
(1)多様性:一汁三菜(主食、汁物、主菜、副菜×2)を基本として、色々な食材を少しずつ食べ、バランスが良い。
(2)調理法:「煮る」「蒸す」「生(なま)」を優先し、次いで「ゆでる」「焼く」が多く、油を使う「揚げる」「炒める」が控えめ。
(3)食材:タンパク質の多くを大豆製品や魚介類から摂っている。また、野菜(漬物を含む)、果物、海藻、キノコ、緑茶を積極的に摂取し、食物繊維が豊富である。一方、卵、乳製品、肉は食べすぎにならない程度に摂っている。
(4)調味料:出し汁や発酵系調味料(しょうゆ、みそ、酢、みりん、お酒)を上手に使って、糖分(砂糖)や塩分の摂取量を抑えている。
また、食事の時間帯ですが、時間栄養学的に見た理想の食事時間は、朝食が朝6時から7時前後。 夕食は朝食から12時間前後の午後6時から7時に食べ、昼食は朝食と夕食の間である正午から午後1時となります。これらの時間を目安として、毎日決まった時間帯に食事をすることが大切です。
以下、和食の基本となる「一汁三菜」のレシピを紹介します。
主菜の「豚バラと白菜の旨煮」副菜の「漬物」「出汁巻き卵」、汁物として「白菜のスープ」を紹介します。このレシピで「一汁三菜」が満たされるので是非作ってみて下さい。
3.生活習慣病予防で組み合わせたい料理
3-1.豚バラと白菜の旨煮
豚バラと白菜の旨煮を美味しく作るポイントは、「しょうがを使うこと」です。
しょうがを入れて豚肉を煮ることによって、豚肉のもっている獣臭さを消してくれます。また、しょうがに含まれている「ショウガオール」には、血行促進・発汗作用があるので、血液の循環を促進し、身体を温めてくれます。
白菜に豊富な食物繊維は腸内の善玉菌の活動を促進し、豚バラの柔らかい肉は消化を助けます。これにより、消化器官の健康を維持し、食事の効率的な吸収が期待できます。
食材紹介
「出汁取り用」
水、1000cc
昆布、10g
鰹節(花かつお)、20g
「調味料」
濃い口醤油、大1
みりん、大1
塩、ひとつまみ
「具材」
豚バラ、100g
白菜、1/4株
しょうが、チューブしょうが2cm
青ネギ、3本
1-2.作り方
まずは、かつおと昆布を使って出汁を取っていきます。
鍋に水1000ccと昆布10gを入れて、30分浸けておいたものに火を付けます。30分水に浸けておくことで昆布から旨味と栄養素が抽出され、香りのよい昆布だしが取れます。
出汁取りのポイントとして、沸騰する前に昆布を取り出してください。水が沸騰するまで昆布を加熱してしまうと出汁自体が濁ってしまうため、注意してください。
目安としては、鍋の底から小さな気泡がポコポコと出てきたタイミングです。
昆布を取り出したら、次は鰹節を入れていきます。写真のような花かつお(薄い鰹節)を沸騰させた状態で入れると昆布と同様に出汁の濁りや雑味が出てしまうため、火を止めた状態で入れて待ちます。また、しっかりと出汁を取ろうとして長い時間鰹節を入れたとしても雑味が出てしまう要因となりますので、目安として2分経ったら鰹節を漉すようにしてください。
次はザルにキッチンペーパーを引いて出汁を漉していきます。その際に、ゆっくりと注ぎ込むようにし、注ぎ終わった後は、鰹節を絞ったり、押したりしないでください。出汁が濁ったり、えぐみが出てきてしまう要因となります。
次に、旨煮用の出汁の味付けをしていきます。出汁に醤油、みりん、塩を入れて沸かしていきます。
旨煮用の出汁が沸いたら、初めに豚バラを入れていきます。
その際に、豚バラと一緒にしょうがを入れ、豚バラに火が通るまで煮ていきます。
最後に、白菜を入れて火が通るまで加温すれば完成です。
実際に豚バラと白菜の旨煮を作って食べた感想ですが、しょうがの風味と豚肉と白菜の甘味がよく合って、とても美味しかったです。私自身、一人暮らしをしていますが、鍋を作った後にしょうがや白菜が少し冷蔵庫の中に残ってしまい、どう片付けようか悩んでいました。そこでこのレシピを知り、余らせた食材の片付けが出来ました。まだまだ寒さが続きますが、こちらの「豚バラと白菜の旨煮」を作って身体を温め、風邪の予防にも役立ててください。
3-2.浅漬けの素の作り方「白菜の漬物」
白菜の漬物を美味しく作るポイントは「鰹節の出汁を使うこと」です。
鰹節のイノシン酸と白菜のグルタミン酸は相性が良く、美味しい漬物を作ることが出来ます。
浅漬けは、生野菜と比べて食物繊維の割合が豊富になるため、生活習慣病である、便秘や肥満の解消、コレステロールの抑圧に役立ちます。 また、野菜を塩で揉んで漬けるだけのシンプルな浅漬けは、加熱調理をする必要がないため、野菜が本来持っているビタミンやミネラル、食物繊維を摂取することができます。
食材紹介
「出汁取り用」
水、500cc
昆布、5g
鰹節(花かつお)、10g
「浅漬けの素」2人分
だし汁、1/2カップ
醤油、大1.5
塩、小1.5
砂糖、小1
「具材他」
白菜、2枚
きゅうり、1本
人参、1/4本
チャック袋、1枚
作り方
まずは、かつおと昆布を使って出汁を取っていきます。
鍋に水1000ccと昆布10gを入れて、30分浸けておいたものに火を付けます。30分水に浸けておくことで昆布から旨味と栄養素が抽出され、香りのよい昆布だしが取れます。
出汁取りのポイントとして、沸騰する前に昆布を取り出してください。水が沸騰するまで昆布を加熱してしまうと出汁自体が濁ってしまうため、注意してください。
目安としては、鍋の底から小さな気泡がポコポコと出てきたタイミングです。
昆布を取り出したら、次は鰹節を入れていきます。写真のような花かつお(薄い鰹節)を沸騰させた状態で入れると昆布と同様に出汁の濁りや雑味が出てしまうため、火を止めた状態で入れて待ちます。また、しっかりと出汁を取ろうとして長い時間鰹節を入れたとしても雑味が出てしまう要因となりますので、目安として2分経ったら鰹節を漉すようにしてください。
次はザルにキッチンペーパーを引いて出汁を漉していきます。その際に、ゆっくりと注ぎ込むようにし、注ぎ終わった後は、鰹節を絞ったり、押したりしないでください。出汁が濁ったり、えぐみが出てきてしまう要因となります。
次に、浅漬けの素を作っていきます。
出汁、醤油、砂糖、塩を入れて混ぜます。その際に、出汁が冷たいと調味料が混ざりにくいので、電子レンジや鍋を使って温めてください。
しっかりと混ざったら、浅漬けの素は完成です。
食材を好みのサイズに切ったら、いよいよ浅漬けを作っていきます。
切った野菜と浅漬けの素をチャック付きの袋に入れて、封をする前によく揉んでください。
満遍なく野菜に浅漬けの素が行き届いたら、空気を抜いて封をしてください。
空気を抜くと浸透圧の作用によって液が野菜に染込み、早く浸け上がることが出来るのでしっかりと空気を抜くようにしてください。
そして、1時間冷蔵庫においておけば完成です。
空気をしっかりと出す。
実際に作って食べた感想ですが、かつおだしの香りと旨味が白菜によく馴染んで、普段食べている浅漬けとはまた違った味を楽しめました。作り方も簡単で、手軽に作ることが出来ます。味付けについては、調味料の分量で調整できるので、みなさんも自分好みの浅漬けを作ってみてください。また、出汁の風味を楽しみたい方も是非作って食べてみてください。
3-3.だし巻き卵の作り方
動物性たんぱく質であるたまごには、このメチオニンが多く含まれており、生活習慣病のひとつである「がん」の予防に効果が期待されています。 また卵黄に多く含まれる「カロチノイド」という成分も、がんをはじめ動脈硬化を抑制する作用があり、心臓病の予防にも役立つといわれています。
今回は、4人前の分量を紹介します。
食材
卵、4個
昆布、30~40g
鰹節、30~40g
水、1000㏄
薄口醬油、小さじ2/3
酒、小さじ2/3
みりん、小さじ2/3
片栗粉、小さじ2/3
大根、1/4本
ポン酢、適量
サラダ油、適量
用意する道具
片手鍋
ボウル
ざる
卵焼きフライパン
さえばし
包丁
まな板
まきす
かつお出汁の作り方
1.鍋に水を入れます
- 切り込みを入れた昆布を30分漬けます
3.鍋に火をかけ、沸騰する前に昆布を取り出します
4.煮立ったら鰹節を入れ、火を止めて2分待ちます
5.別容器に濾します
濾す際には、写真の様に、ボウルの上にキッチンペーパーを敷いたざるを置き、ゆっくり注いでください
完成した、かつお出汁がこちらです。綺麗な黄金色の出汁が取れました。
焼く前までの準備
1.取った出汁を人肌位の温度(35℃~36℃)になるまで冷ましてください。
冷ますことによって、卵と混ぜる際に卵が固まるのを防ぎます
2.卵を軽くかき混ぜてください
ポイントとしては、勢いよくかき混ぜるのではなく、空気を含ませないようにゆっくりとかき混ぜてください。そうすることによって、ふわっとした食感になり、舌触りが滑らかになります。
私自身、実際に食べたときに、今まで作ってきただし巻き卵よりもふんわりとした食感になり驚きました。
3.軽くかき混ぜた後に、ざるを使って濾してください
濾すことによって、完成した際に目が細かく、口触りがやさしくなります
4.各調味料、かつお出汁、濾した卵を混ぜます
これで、生地の準備は終わりです
焼き方
1.フライパンを温め、まんべんなく油をひいてください
油を引いた後、キッチンペーパーを使って全体になじませるのがポイントです。そうすることによって、油が均等に引かれ焦げ目がつきにくくなります。
2.焼き方は、強めの中火で焼き、固まってきたら気泡を潰してください
ポイントとしては、気泡を潰すことによって、完成した際に生地の凹凸が無くなり、綺麗な形になります
巻き方
- 卵は、上側から手前に巻いてください。また、巻きやすくするために隅にはしを入れて剝がれやすくすると上手く巻けます
2.手前側に巻いたら、空いたスペースに油を引き、卵を上側にずらします
3.上側にずらしたら、また空いたスペースに油を引き生地を入れます
そして、同じように手前側に巻いていく手順を繰り返していきます
- 写真のように、はしで浮かせて生地を流し込むことがポイントです。そうすることによってつなぎ目がきれいになります。
魅せ方
1.完成した生地をまきすで丸く包み、形を整え、二分ほど置いてください。
力を入れて丸くするのではなく、包み込みようにして巻くことがポイントです。
2.包丁で食べやすい大きさに切り、お好みで大根おろしを添えれば完成です。
3-4.白菜とベーコンのだしスープ
白菜の中のビタミンCは、免疫機能を高め、体内の酸化ストレスから細胞を保護します。また、コラーゲンの生成にも寄与し、皮膚や血管の健康をサポートします。そして、鰹出汁にはビタミンやミネラルのほか、DHAやEPAといった健康に良いとされる不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。 生活習慣病の予防や、疲労回復の効果が期待されています。
ポイントは、「黒コショウを使う」です。
黒コショウの辛味成分であるピペリンには、栄養の吸収を促す作用があり、油に溶けやすいことから今回作る「白菜とベーコンのだしスープ」と相性がとても良いです。また、黒コショウを使うことによって、味のアクセントになり、スープの甘味と旨味がより引き立ちます。
3-1.食材紹介
「出汁取り用」2人分
水、1000cc
昆布、10g
鰹節(花かつお)、20g
「調味料」
薄口醬油、大1
塩、ひとつまみ
みりん、大1
ホールコーン、1缶
黒コショウ、ひとつまみ
作り方
出汁を温めて好みの大きさに切った野菜とベーコンを入れていきます。その際に、ベーコンは重ならないように解しながら入れるようにしていきましょう。そうすることによって、ベーコン一枚一枚に火が通るようになります。
野菜とベーコンに火が通ったら、次は水切りをしたコーンを入れていきます。
最後に、黒コショウをひとつまみ入れて完成です。
実際に作って食べた感想ですが、かつおだしだけでなく、ベーコンの旨味も感じるスープでした。白菜もよく煮たので柔らかく、だしが染み込んでいて優しい味わいでした。
これだけだと普段飲んでいるスープと同じですが、黒コショウを入れたことによって、さわやかな香りと辛味を感じることが出来ました。香辛料一つを加えるだけで料理の印象がまるで変わると感じました。黒コショウの量はお好みで変えることが出来るので、ピリッとした辛味が好みの方は量を増やしても良いのではないかと思います。
まとめ
生活習慣病に良いとされる食事の組み合わせは、和食の基本である「一汁三菜」です。主食・副菜・主菜・(汁物)をそろえることで、栄養のバランスがとりやすくなります。また、食事の時間はバラバラではなく、朝昼晩と毎日規則正しい時間に食べることが生活習慣病の予防に繋がります。この記事では、生活習慣病を改善する和食のレシピをまとめましたので、是非活用して皆様の料理に役立ててください。また、紹介した記事のレシピを食べれば必ず生活習慣病が治るとは限りません。規則正しい食生活を心がけてください。
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