皆さんは梅醤(うめびしお)という食品についてご存知でしょうか?
梅醤は、「梅干し」と「醤油」を使用した日常の食卓を深く彩る万能調味料です。
おにぎりや炒め物に使用することで、さっぱりとした味わいを楽しむことが出来ます。
またほうじ茶に入れれば体を芯から温め、胃腸の調子を整えてくれます。
この記事では梅醤の作り方・活用法・効能について解説していきます。
ぜひ目を通していただき日本古来の知恵が現代のライフスタイルにマッチする
その魅力を体験してみてください。
1.梅醤とは?
梅醤は、「梅干し」と「醤油」を主な材料とした日本の伝統的な健康食品・調味料です。
一般的には、完熟した梅干しの果肉を練り、醤油や生姜の絞り汁を加えて
ペースト状にしたものを指します。古くから民間療法や自然食の分野で重宝され、
体を温めたり、消化を助けたりする効果があるといわれています。
◇コラム梅醤の歴史
梅醤の直接的な起源を示す明確な記録は少ないものの、
日本の伝統的な保存食である「梅干し」と「醤油」という
二大調味料の融合によって生まれた食べ物です。
梅干しは奈良時代にはすでに薬用として使われていた記録があり、
平安時代には貴族の間で重宝されていました。
醤油も室町時代には既に食文化に浸透しており、江戸時代には庶民にも普及していました。
この二つを組み合わせて生まれた梅醤は、
江戸時代以降に庶民の間で自然発生的に使われ始めたとされており
日本の民間療法や自然食の一部として親しまれてきました。
1-1.梅醤の作り方
ここでは家庭でも簡単にできる梅醤の作り方を紹介します。
ぜひ実践してみましょう、
梅醤の基本材料(約1〜2人分)
材料 分量 説明
梅干し 1粒〜2粒
醤油 小さじ1〜2
生姜(おろし) 少々
◇作り方(梅醤を調味料・飲み物として使う場合)
1.梅干しの種を取り出し、
すり鉢(または小鉢とスプーン)でよくすりつぶします。
更になめらかにしたい場合は裏ごししてもOKです。
2.醤油を加えて混ぜます。
比率は「梅干し:醤油=1:1」程度が基本ですが、
酸味や塩気の好みに応じて調整してください。
3.体調に応じておろし生姜を加えると、さらに身体を温める効果があります。
他にも、にんにく、ねぎなどを少量加えるのも良いです。
◇保存方法
梅醤そのものは、冷蔵庫で1週間〜10日ほど保存可能です。
梅干しと醤油のみなら、殺菌効果もあり長持ちします。
生姜などを加えた場合は早めに使い切りましょう。
1-2.梅醤の活用法
梅醤を作ったらぜひ普段の生活に取り入れてみましょう。
今回は調味料としての使用法、及び梅醤番茶、梅醤たたききゅうりについて紹介します。
◇調味料として
- お茶漬けに
ごはんに梅醤をのせ、熱々のお茶やだしをかけるだけ。食欲のない日にもぴったりです。
- おにぎりの具に
代わりに梅醤を使えば、しっとりした口当たりのおにぎりになります。
- 冷や奴や湯豆腐のたれに
代わりに梅醤を使えば、よりまろやかで旨味豊かな風味にを楽しめます。
- 炒め物の味付けに
炒めた野菜や肉に梅醤を加えると、自然な塩気と酸味が旨味を加えてくれます。
- サラダドレッシングのベースに
梅醤+酢+ごま油やオリーブオイルで、和風ドレッシングが出来上がります。
◇梅醤番茶
梅醤の代表的な摂り方が「梅醤番茶」です。
作り方は、湯飲みに梅醤を小さじ1杯入れ、熱いほうじ茶を注いでよくかき混ぜるだけです。
体を芯から温め、風邪のひきはじめや胃腸が弱っているときにおすすめです。
梅醤たたききゅうりのレシピ(2人分)
材料
きゅうり:2本
梅干し:1〜2個(塩分10〜15%程度のもの)
醤油:小さじ1〜2
おろし生姜:少々
鰹節:少々
作り方
1.きゅうりをたたく
ヘタを取ったきゅうりをラップで包み、包丁の背やすりこぎで軽くたたき、ひと口大に手で割る。
2.梅醤だれを作る
梅干、醤油・おろし生姜を加えて混ぜる。※梅醤の作り方は本記事1-1を参照して下さい。
3.きゅうりと和える
きゅうりに梅醤だれを加え、全体を軽く揉みこむように和える。
10分ほど置くと味がなじみます。
4.盛り付け&仕上げ
器に盛り、鰹節をトッピングすれば完成です
※トッピングの具材はお好みに合わせて追加も可能です。
注意点
梅醤は塩分が高めなので、摂りすぎには注意が必要です。
高血圧の方は医師と相談のうえ適量を考えましょう。
また市販品も手頃な価格で入手できますが添加物が含まれているものもあります。
そのため原材料表示を確認することが大切です
1-3.梅醤の効能
梅醤は、栄養価の高い梅干しを手軽に摂りやすくしたもので、
疲労回復や風邪予防などに効果があると考えられており、
古くから伝わる民間療法にもよく用いられています。
効能については以下の表を参考にして下さい。
効能 | 説明 |
胃腸の調子を整える | 梅干しと生姜が消化を助け 胃の不調や食欲不振に効果的です。 |
疲労回復 | 梅干しに含まれるクエン酸が疲労物質を 分解する働きがあるとされます。 |
冷え性の改善 | 生姜が体を温め、血行促進に寄与します。 |
免疫力アップ | 生姜と梅の抗菌作用が 風邪予防や体調維持に効果的とされます。 |
二日酔いの緩和 | 梅の酸味が胃を刺激し アルコールの代謝を助けます。 |
便秘改善 | 梅と醤油の作用で 腸の働きを助けると考えられています。 |
2.まとめ
梅醤は、日本人の知恵と自然の恵みが詰まった伝統の万能調味料と言えます。
日々の食事に取り入れることで、体調管理や味付けのバリエーションに役立つ存在です。
ぜひ一度、梅醤を使った料理や梅醤番茶を試してみてはいかがでしょうか。
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