ガリッ、ガリッ!説明書通りにやっているのにどうしてこんなにたいへんなの!
鰹節をご家庭で削るのはとてもむずかしいですよね。
鰹節は世界で一番硬い食べ物なんて言われるので薄く削ろうとすればやっぱりコツがいるんです。なかでも一番苦労するのがカンナの調整です。
カンナの状態でとてもきれいに削れることも、反対に力いっぱい頑張っても粉にしかならないなんてこともあります。下の動画をご覧ください。力をあまり入れずに軽快な音を立てて削っているのがわかると思います。
まずは、鰹節のカビを布巾でふき取って、はじめましょう!
1.削り方のコツ
鰹節の削り方のコツはカンナの状態を見極めることです。
鰹節と削り器さえあれば簡単に削れるわけではありません。これから見ていただく3つのポイントさえ、マスターすれば1分で7g(削りパック約3パック分)の削り節を削ることができます。
1–1.カンナの調整
カンナの調整は鰹節削りにおいてとても重要です。せっかくの鰹節、せっかくの削り器を活かすのはカンナの調整だといっても過言ではないのです。
①カンナの状態の確認
まずはカンナの状態を見てみましょう。ちなみに新品の削り器でも簡単に削ることができる状態ではないことがあります。カンナの状態がわかるようになるだけでも調整がとても簡単になります。
カンナの状態を見極めるための姿勢は下画像です。
目線とカンナの台が水平になっています。少しでも斜めから見てしまうと、どんな状態か見極めることができません。水平にみているとカンナの先端が出ているのか出ていないのかわかります。
削り器の説明書には紙一枚分出ているのがよいと書いてあることがあります。このうっすらカンナの先端がでている状態です。
②カンナを引っ込める方法
カンナを引っ込める方法のカンナのお尻を木のハンマーなどで叩くことです。叩くときには刃先がどちらを向いているか確認してからたたきましょう。引っ込めるときにたたくのは下図です。
カンナの厚い部分の近くを叩くと引っ込むと覚えましょう。
注意するポイントが2つあります。
・カンナの刃先を叩かない。
・カンナの台の広い面(鰹節が当たる面)を叩かない。
いくら木のハンマーでもカンナの刃先は叩いてしまうとすぐに丸まって切れなくなってしまいます。鰹節が当たる面を傷つけてしまうといざ削るときに削りにくくなってしまいます。
③カンナをもっと出す方法
カンナを出すにはカンナのお尻を叩きます。状態の確認のときの目線で見ながら叩いていると、少しずつカンナが動いていることが確認できます。
刃先に向かって叩くイメージです。
カンナの調整具合を見るには削ってみることが一番はやくて簡単です。
1–2.鰹節の持ち方
鰹節を削るときの鰹節の持ち方は背節でも腹節でもしっぽのほうを持つことです。しっぽのほうとは本枯節でいうと皮が残っているほうです。わかりにくい場合は鰹節の形から判断します。

そして削るときの持ち方は下画像です。常にしっぽのほうが見えるような状態です。
ここでの注意は、鰹節の中央を握って持たないことです。この持ち方が鰹節を削るイメージになっていますが、とても削るのにコツがいる(一定の力をかけ続けなければならなくなる)のと、鰹節が小さくなった後持ちづらく、最後まで使えなくなります。
1–3.削り方
削り方のコツは切れ味をカンナの切れに任せることです。必要以上のちからをかけると疲れるだけではなく、きれいな削り節ができません。力を入れるイメージは、鰹節がカンナの刃先を通るときだけ、「くっ!」と力を入れます。力加減は削り節の状態を見て判断します。
この瞬間に力を少し入れます。もう少しよるとこの部分です。
ちなみに最初のうちは刃にあたる面積が少ないのできれいに削れません。
しばらくはこのような削りが出ます。
鰹節の背節と腹節でも削れ方が少し違います。腹節の脂の多い部分(白くなっているところが脂)もまた削りが細かくなります。
削り節が厚いと感じたら、カンナを引っ込める方法を、もう少したくさん削りたいと感じたらカンナをもっと出す方法をご覧ください。
2.簡単に削ることができる削り器
削り節を毎日取り扱っている私が、これは簡単だと実感した削り器を紹介します。カンナの調整は覚えると非常に削る作業を簡単にできますが、反面難しいこともあります。そこで購入したらすぐに簡単に削ることができるカンナを紹介します
2–1.おかかシリーズの削り器
簡単なポイントは、カンナの調整がないことです。説明書通りにカミソリのような刃をネジで止めるだけです。あとは鰹節をセットして削るだけです。
削っていない鰹節を削ると最初は普通のカンナと同じように少しだけ削りにくいですが、そのあとはたくさん削ることができます。ちなみに、私が1分間で削れた量は7gでした。7gというと何かに掛けるには十分な量です。お好み焼きならば2枚分、お味噌汁に使うダシ用でしたら約2杯分になります。
おまけのポイントは、削り節がすべて帯状になって出てきます。帯状になっているのでフワッと感が強くなっています。
2–2.台屋の削り器
簡単なポイントは、購入した時点でのカンナの調整が完璧であるということです。削り節用のカンナを何台か試したのところ、抜群に使いやすい調整がなされていました。
加えて、自分で調整するときも力を使わず木づちで軽くたたくだけで、出たり、引っ込んだりが思いのままでした。カンナの中には叩いても叩いてもカンナが動かないものもあるので、その点でもかなり素晴らしいです。それだけでなく、アフターフォローもとてもわかりやすいです。
説明書のほかにメーカーへの返送用の送り状が入っています。切れ味が悪くなってきた、調整してもうまく削れないという悩みを有料ですが解決してくれます(他メーカーにはないサービスです)。まさに至れり尽くせりといったところです。私が1分間に削れた量は7gでした。
トッピング用の調整でしたので7gですが、だし取り用としてもう少し厚く出すと10gくらい削れるので、お味噌汁のだしをとるとすれば1分ちょっとで3杯分の削り節ができます
2–3貝印の削り器
簡単なポイントは、こちらも購入時点での調整が完璧であることです。そして薄く削るようにカンナが作られているので、薄く削る目的ですとかなり簡単に削ることができます。
カンナの調整もしやすいのもよかったポイントです。他にはない特徴として、削り節の受け皿がプラスチック容器であるということです。カンナ以外を丸洗いできるのは手入れの面でとても簡単です。
おまけのポイントはかなり安いということです。カンナを探すと4000円以上が一般的ですが、2000円程度で購入することができます。
まとめ
鰹節をご家庭で削るというのはコツさえ押さえておけば簡単にできます。
そのコツはカンナの調整にあります。大工さんがやっているのと変わらないように見えますが、調整して削ってみて、また調整してということを繰り返すと思ったより早くコツをつかんで、簡単にできるようになります。
鰹節は削りたてが一番おいしいです。削るコツをつかんでおいしい鰹節で食卓を彩りましょう。
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