もし、削る前の鰹節が手に入ったらどうしますか?せっかく鰹節が手に入ったら、ぜひとも削りたてを食べたいですよね。
でも鰹節削り器を常備しているお宅は少ないのではないでしょうか。できるのならば、家にある調理道具で削れたらうれしいですよね。
包丁で鰹節を削ることはできますが、鰹節を削るならやはり専用の削り器が便利です。
鰹節を包丁で削るのはお勧めできません。
具体的には以下の3つの理由があります
- 危険である
- おいしく削れない
- 効率が悪い
ここでは鰹節を削りたいあなたに、安全に、また効率的な削り方をお伝えします。
目次
1.鰹節を包丁で削るのをおすすめしない3つの理由
1-1 危険である
包丁で鰹節を削る場合に一番注意しなくてならないのは包丁の刃こぼれです。
鰹節はギネスで世界一硬い食品として認定されているほど硬い食品です。野菜やお肉,お魚を切る目的で作られた包丁で世界一硬い食品を削るのは包丁が刃こぼれしてしまう可能性があります。
包丁の欠けた刃が混じっっているかもしれない削り節を口にすることは明らかに無謀です。
写真は鰹節を削るための専用のカンナ刃です。刃こぼれしている部分があります。
鰹節専用の刃でさえ、まれに刃が欠けることもあるほどですから調理用の包丁で削るのは危険と言わざるを得ません。
1-2 おいしく削れない
なんとか包丁で鰹節を削っても、なめらかに薄く削れません。ガサガサしたザラメ状になってしまいます。
口に入れると確かに鰹節の味がします。しかし、ザラザラ、ゴツゴツと舌に当たり、口当たりはよくありません。豆腐やあえ物などのトッピング等そのまま食べるのには適しません。
しいていえば、だしを取るためには使えるでしょう。その場合は目の細かいざるやふきんで濾す必要があります。
専用の削り器で削った削り節のお味は格別です。せっかくの鰹節が手に入ったのなら、ほど良い薄さの削りたての鰹節を味わいたいですよね。
1-3 効率が悪い
包丁で鰹節を削る際に注意しなくてはならないのは野菜やお肉を切るのとは比べられないくらいの力が必要です。その上鰹節の形は流線型です。まな板の上に立てて削るしかありません。不安定で支えにくい形です。
グラグラした状態で包丁を使い、手や指を切ってしまったら、元も子もありません。
効率を考えたら、この状態で鰹節一本削るにはたいそうめんどうです。調理器具を使う上で大前提は「安全」に「楽して」「おいしく」調理できること。
忙しいあなたの貴重な時間を無駄にしないために、包丁で鰹節を削るのはふさわしくありません。
2.ピーラー&スライサーでは削れるのか検証
2-1 ピーラーでは?
ピーラーでは鰹節は削れませんでした。
ピーラーで削った様子です。
鰹節の表面を上滑りするだけで、文字通り「刃が立ちません」。
ピーラーの刃は主に「ステンレス」が使われているのに対し、鰹節の削り器の刃は「鋼(はがね)」。つまり特別に加工した鉄です。刃の強度が圧倒的に違います。
その上鰹節に対して刃が鋭角に食い込ませられないため、効果的に力が加わらず、削れません。
2-2 スライサーでは?
わずかながら削れます。ほんのわずかです。
野菜のスライサーと鰹節の削り器は形状が同じなのでわずかながらですが、削れます。しかし、ほんのわずかです。一食分削るには何分かかるでしょうか?根気がいる仕事ですね。
鰹節の削り器の要は「削り刃」の素材です。野菜のスライサーの素材はピーラーと同様に「ステンレス」です。
無理に削り続けると、スライサーのステンレスの刃は湾曲し、野菜すら切れなくなります。スライサーで鰹節を削るのはあきらめましょう。
3.おすすめの鰹節削り器2選
鰹節を削るにはやはり専用の削り器が最適です。
せっかく貴重な本枯節が手元にあるのならば、おいしくいただきたいですよね。
毎日お料理をする人にとって、気持ちよく調理できることはとても重要です。調理器具の使い勝手がいいと、料理のできばえが映えるのはもちろん、素材を活かした料理が簡単に作れます。
力がなくても上手に削れ、ケガの心配もない削り器2点を紹介します。
3-1 かつおぶし削りオカカ
かつお節削りオカカの最大の特徴は「安全に削れる」ということです。
「削る仕組み」が画期的です。
削り器といえば、大工道具のカンナを逆さにして下に削り節の受け皿があるという構造で通常は長四角の形をしていますが、おすすめのかつおぶし削りオカカは違います。
上部のハンドルが目を引きます。一見鰹削り器とは思えない変わった形をしています。数年に前にモデルチェンジがあり、デザインがより洗練されました。
3-1-1 お勧めの理由は安全性
かつおぶし削りオカカの最大の利点は「安全性」です。鰹節を器具で押さえて削るため、刃でケガをする心配はありません。鰹節を削っていくと当然小さくなりますが、小さくなった鰹節でも安全に削れるのはありがたいです。その上、1センチほどの幅の削り刃が5枚。それが3か所計15枚あるので削り刃が5枚センチほどの幅の削り刃が5枚。それが三か所合計15枚セットされているので、短い時間で多くの量を削ることができます。
鰹節は下の図のようにセットします。(以下のモデルは旧タイプですが、構造は同じです)
青三角印を下に押して鰹節を固定させつつ、上部のハンドルを右回りに回します。
こちらが鰹節をセットしたところです。矢印部分を手で押さえつつ、ハンドルを回すと下の受け皿に削り節がたまる仕組みです。
底面の面積が大きいために安定感があり、ぐらつくこともありませんでした。
ハンドルを回すと刃がついた円盤が鰹節に当たり、鰹節を削り取ります。
一般的な鰹削り器は大工道具のカンナとほぼ形は同じです。むき出しの削り刃に手で鰹節を当てて削るのに対して、このかつおぶしけずり器オカカは器具で押さえつけるため、手を切る危険性がありません。
3-1-2 削り花の状態
削り刃の幅が狭いので、削り節もその幅と同じ幅に削れています。サイズは小さめですが、軽くカールしていてかわいらしいです。
口に含むと鰹節のかぐわしい香りが鼻に抜け、うま味が口中に広がります。
形がそろってきれいに削れているので、ほうれん草のお浸し、冷ややっこなどのトッピングには最適です。
ハンドルの回し始めは一瞬重いのですが、その後はスムーズに回せます。鰹節を抑える力を最初は軽く加え、ハンドルの動きが安定したら強く押すのが、コツですね。
3-2 貝印:かつお節削り器
削り器の素材はふたと削り節を受ける部分が、プラスチックできていて、一見華奢な印象ですが、削りの実力は確かです。
外見を裏切るようにカンナはずっしりと重く、本体にぴったり収まっています 。刃のできばえも、いかにも容易に削れそうな雰囲気を感じます。さすが刃物メーカーで有名な「貝印」の実力を見る思いがします。
削るときには手首に力を入れて、鰹節を削り刃に押し当てます。
削り器の高さが低く、底面に滑り止めがついているので削っているときにもぐらつきません。
削り節はうすく美しく削れました。作業も「シャーッ,シャーッ」となめらかな音で削れ、いつまでも削っていたい気持ちになります。
削り節がとても薄いので、そのまま食べても口に残りません。家で削る削りたての鰹節ならではのおいしさです。
4.さいごに
鰹節は俗に「世界一硬い食物」といわれます。したがって、鰹節を食べるためには専用の削り器が必要で、広く使われていました。
しかし、生活様式の変化や鰹節の削り節を長期保存できる方法が確立され、家で鰹節を削ることはほとんどなくなりました。それに伴い、丸のままの鰹節も削り器も見る機会も少なくなりました。
かつお節の削り節は和食の中心となる食品です。せっかくの鰹節が手に入ったら、ぜひとも削りたてを食べたいですよね。
この機会に専用の削り器を家の調理器具の一つに加えて、毎日の食事つくりに活用してはいかがでしょうか。鰹節の味と香りで食生活がグンと豊かになること間違いありません。
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