「あれっ?1キロ増えちゃった。」
久しぶりに体重計に乗ったら自分が思っていた数字より多くて焦ったなんてことありますよね。
そんな時に思い立つのがダイエット。普段から口にすることが多い鰹節にダイエット効果はあるのでしょうか。
結論から言うと、鰹節にはダイエット効果があります。
ダイエットはただ「痩せればいい」じゃなくて、鰹節で健康的にしたいものです。カロリーを抑えることを最重点に置くと「痩せる」ことはできたとしても、体に必要な栄養素が不足して健康に影響が出てしまっては本末転倒だからです。
最近は自分で鰹節そのものを買ってきて削るという人はさすがに減りました。でも、きれいに削ってある鰹節いわゆる「花かつお」はどこのスーパーでも手に入れられます。
このブログでは、鰹節のダイエット効果や健康に良い理由をご紹介します。わかりやすくポイントをお伝えしますので、ぜひ鰹節を食卓に並べる食品の一つに加えてみてください。
目次
1 鰹節にダイエット効果はあるのか(メカニズム、理由)
鰹節にはダイエット効果があるのでしょうか。結論から言いますと鰹節にダイエット効果はあります。その理由は鰹節に多く含まれている「ヒスチジン」と「イノシン酸」にあります。
1-1 ヒスチジンの効果
①食欲抑制
人が食事を通してヒスチジンを摂取すると、脳内で「ヒスタミン」という成分に変化します。このヒスタミンに「食欲抑制効果」があると言われています。
脳内には空腹と感じる「空腹中枢」と満腹と感じる「満腹中枢」があります。ヒスタミンが脳内に入り、満腹中枢を刺激してくれる事で満腹度が高まり、結果、食欲の抑制効果を期待できるのです。そしてヒスタミンの分泌を活発にするには、よく噛む事が大切です。よく噛むと満腹を感じるのはこのためですね。
②中性脂肪燃焼
ヒスチジンはリパーゼという脂肪分解酵素を活性化させて、中性脂肪の燃焼を促進させます。中性脂肪やコレストロールが減少して、体脂肪が減り、血液もサラサラになりやすいです。
この脂肪燃焼効果は、運動と組み合わせることで効果を大きくできます。ヒスチジンはアミノ酸の一種です。アミノ酸は運動前に取ると、体脂肪が燃えやすくなります。やはり運動との併用は、ただ痩せるというのではなく「健康的に」という意味でとても大切ですね。
1-2 イノシン酸の効果
新陳代謝促進
イノシン酸は、体細胞を活発に働かせるので、新陳代謝量が増え代謝が高まるとそれだけエネルギー消費量が増えることになるためダイエットに直結します。
人間の身体で新陳代謝といえば、古くなった細胞が新しい細胞に入れ替わることです。髪の毛が抜けて新しい髪の毛が生えてきたり、古い皮膚が垢となってはがれ落ち新しい皮膚に替わったり、発汗なども新陳代謝の働きです。
1-3 ヒスチジンが生み出すヒスタミンのもう一つの側面
ただし、もうひとつ知っておきたいことがあります。
ヒスチジンが変化して出来るヒスタミンは花粉症のアレルギーの原因とも言われていることです。花粉症対策の薬は「抗ヒスタミン剤」といってヒスタミンを抑える効果があります。
花粉症対策の薬を飲むと眠くなる、つまりヒスタミンの働きを抑えると眠くなるということは、ヒスタミンが脳の活性化にも役立っていつ事の証明にもなります。いずれにしましても、アレルギーの原因物質という側面も把握したうえで適量の摂取をすればよいと思います。
1-4 1日当たりの適量
ではヒスチジンの摂取が過多にならない1日当たりの鰹節の摂取量はどれくらいでしょうか。
体重50kgの成人で約8.9gが適量です。
以下に計算の根拠を示します。
鰹節1g当たりに含まれるヒスチジンの量:56mg(文部科学省「食品成分データベース」より)
成人向けヒスチジンの1日当たり推奨摂取量:体重1kg当たり10mg→50kgで500mg(WHOによる1日当たり推奨摂取量より)
500÷56=8.928…
以上のように約8.9gが適量と言えます。
鰹節を削ったいわゆる花かつおの状態でスーパーの小パックが2~5gです。それを踏まれると通常の食生活で8.9gを超えるような過剰摂取の心配はないと言えるでしょう。
2 鰹節ダイエットが健康に良い理由
ダイエットをする際にも「ただ痩せる」のではなく、健康的にしたいですよね。鰹節はそれができる食品です。
1章でお伝えしたように鰹節にダイエット効果がある理由は「低カロリーだから」ではありません。ダイエットをする際、カロリーが低いことを最重点に食品選びをすると身体に必要な栄養素が不足してしまう恐れがあります。(カロリーは身体を動かすためのエネルギー、栄養素は身体自体を作る素材)。
身体を作る3大栄養素はたんぱく質、脂質、炭水化物ですが鰹節はその中でも特に重要なたんぱく質を非常に豊富に含む食品です。ちなみに1章でお伝えしたヒツチジンもたんぱく質を構成する必須アミノ酸の一つです。
2-1 たんぱく質の働き
たんぱく質は身体の約20%に存在する成分で主に筋肉や臓器、皮膚、髪、爪などに含まれています。つまりたんぱく質は筋肉を作っています。
ダイエットをする際、低カロリーに注目してたんぱく質が不足すると、体重は落ちますが、それは脂肪ではなく筋肉が落ちた結果としての体重減少ということが考えられるのです。
しかし、筋肉は身体の脂肪を燃焼させてエネルギーに変える大切なものです。たんぱく質をきちんと補い、筋肉は落とさずに脂肪を落とした結果としての体重減少が健康的なダイエットといえます。
2-2 鰹節のたんぱく質含有量
以下に、低カロリーの食品を各カテゴリーから選択して、3大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)と共に鰹節と比較してみました。
100g当たり
単位:カロリーはkcal、他はグラム
カテゴリー | 食材 | カロリー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 |
---|---|---|---|---|---|
魚介類 | 鰹節 | 356 | 77.1 | 2.9 | 0.8 |
穀類 | おかゆ | 71 | 1.1 | 15.7 | 0.1 |
いも・澱粉類 | 白こんにゃく | 5 | 0.1 | 0 | 2.3 |
砂糖・甘味料 | はちみつ | 294 | 0.19 | 0 | 79.7 |
豆類 | 豆乳 | 46 | 3.6 | 2 | 3.1 |
野菜類 | 白菜 | 14 | 0.8 | 0.1 | 3.2 |
果物類 | レモン | 26 | 0.4 | 0.2 | 8.6 |
肉類 | 鶏肉 | 200 | 16.2 | 14 | 0 |
参照:「カロリーSlism」
鰹節より下に書かれている食品は、低カロリーのものから選んだだけあって、すべて鰹節より低カロリーです。特に白こんにゃくの数値はさすがです。
しかしここで見てもらいたいのは、たんぱく質の数値です。鰹節がいかに豊富なたんぱく質を含む食品かが分かります。またカロリー自体はそこまで低い食品ではありませんが、鰹節の持つ風味うま味の効果で使用する調味料の量を減らせて、総体的にはカロリーの減少にも繋がると思います。
3 鰹節を効果的に摂る方法
3-1 そのまま食べる
鰹節を効果的に摂るには、そのまま食べるのが良いです。そのまま食べるとは、それだけで食べるということでなく、調理加熱はしないでお好きな食材にそのままかけて食べるということです。
その理由は、加熱調理しない方がヒスチジンの効果が高いまま維持されるからです。
お出汁にして飲むのも良いのですが、よく噛む必要がある分、これもヒスチジンの効果が高まります。
簡単なので長続きします。
何にかけるかはもちろん自由なのですが、やはり冷ややっことかほうれん草のおひたしなどにかけて食べるのがダイエットには効果的です。
3-2 食事の最初に食べる
もう一つは食事の最初に食べるのが良いです。
理由はこれもヒスチジンが満腹中枢を刺激する効果を考えれば、すでに満腹になっている最後の方に食べるのではなく、最初によく噛んで食べてゆっくり食事をすれば食べ過ぎを抑えてくれてより効果的ですね。
4 まとめ
以上のように、鰹節にはヒスチジンとイノシン酸の働きによりダイエット効果があるといえます。そしてヒスチジンが生み出すヒスタミンのもう一つの側面も頭に入れたうえで、適量を摂っていただきたいと思います。
鰹節は「カロリーが低いからダイエット効果がある」のではなく「ダイエット効果があって、体に必要な栄養素たんぱく質もしっかり摂れる」健康に良い食品です。
もちろん、このブログの読者の方に鰹節ばかり食べてくださいとお勧めしている訳ではありませんし、そんなことをしても短期間に3キロも4キロも減量できる訳ではありません。
読者の方には痩せたいがために、とにかくカロリーを抑えることだけに目を奪われることなく、ダイエットは
あくまで食事と適度な運動、そして睡眠のバランスのとれた生活の中で無理なく行っていただきたいと願っています。
※参照元
ふるさと文庫 驚異の酵素パワー 理学博士 東京農工大学 藤本大三郎
日経ウーマンオンライン 食べすぎ防ぐ21時からのカツオブシ 文教大学健康栄養学部 中島滋
文部科学省 食品成分データベース
WHO 必須アミノ酸成人1日当たり推奨摂取量
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