雌節って何?鰹節との違いは?なんて気になったことはないですか?
雌節(めぶし)とは鰹節の腹側を加工したものです。又、女節(めぶし)と呼ばれることや腹節と呼ばれることもあります。反対に背中側を加工した鰹節は雄節と呼ばれます。
見た目は丸みをおびた形をしていてくぼみがあるのが特徴です。このくぼみは鰹の内臓を抜かれた部分になっていてこの内臓周辺には脂肪が比較的多く含まれています。
この記事では雌節とは何なのか、雄節との違いは何かわかりやすく紹介します。
1.雌節(めぶし)
「雌節」(めぶし)とは鰹の腹側の部分を加工した鰹節のことをいいます。又は女節とも呼ばれることもあります。女性らしい形をしていることから雌節と呼ばれるのです。
「雄節」(おぶし)は「雌節」の反対側の背側で作られた鰹節のことをいいます。又は男節と呼ばれることもあります。男性らしい形をしていることから雄節と呼ばれます。
決して鰹のメスだから雌節と言われているのではありません。それぞれの鰹節の形から「雌節」「雄節」と呼ばれています。
オスの鰹でもメスの鰹でもそれぞれ1匹の鰹から「雌節」が2本、「雄節」が2本ずつ加工されます。
「雌節」は「雄節」に比べ小さく、丸みをおびた形になっています。
「雄節」は直線的な形をしていて「雌節」に比べサイズが大きいです。
鰹節は大型の鰹を3枚におろして、さらに半分に割ってつくられていて1匹の鰹から計4本分の節をとる事が出来ます。そのうちの半分の2本は「雌節」、残りの2本は「雄節」が出来上がります。
赤い線で囲われている部分が雌節です。③・④
青い線で囲われている部分が雄節です。①・②
このようにして「雌節」は鰹の腹側の身を使ったものであり、鰹の雌の個体を加工したものではなく、雌節が女性を連想させるような形である事からこの名称で呼ばれています。また結納の際に本枯節を雌節と雄節をついにして送られるのも雌節(女性)雄節(男性)を一緒にするということからよくわかります。
2.雌節と雄節の違い
雌節と雄節は同じ鰹から加工され出来上がります。
2-1.見た目
雌節は鰹の腹部分を加工されていて丸みをおびた形をしています。
雄節は鰹の背部分を加工されていてまっすぐ伸びた形をしています。
雌節の部分にはもともと内臓がある為、この内臓を除去した部分がえぐれているのが雌節です。雄節にはこのくぼみはありません。

鰹節の下半分のイメージ画像(下の図でいう③・④の部分になります)
内臓を除去した時のこのくぼみがあり丸みをおびているのが雌節です。背中を加工した雄節はまっすぐのびていてサイズも若干おおきくなります。
2-2.呼び方の由来
雌節の形が丸みをおびていて「女性を思わせる形」このことから「雌節」と呼ばれるようになりました。
雄節は節の形が加工された時に雌節に比べサイズが大きくまっすぐに伸びていることから「男性を思わせる形」このことから「雄節」と呼ばれるようになりました。
結納の際に雌節と雄節の鰹節セットが用いられる理由がよくわかりますね。
3.雌節と雄節の使い方
実際に雌節・雄節による違いに大きな差はないのでこだわりがない場合はどちらを使っても美味しくいただけます。
↑雌節だけを薄く削った写真(繊維状になっているところは脂肪分が多いところです)
↑雄節だけを薄く削った写真
このように見比べるとよく違いがわかりますね。
ちなみに市販されている削り節は雌節と雄節が一緒に混ざった状態の物が置いてあります。ですがその混ぜられた中から雌節、雄節を探し出して使うのは非常に難しいのでおすすめしません。市販の物をご使用になられる際は是非そのまま使用するようにしてください。
しかし鰹節を自分で選んで削り、こだわりを持って使いたい!という人もいるかと思います。その人達の為に雌節と雄節の特徴をとらえた使い方をご紹介します。
3-1.雌節の使い方
雌節は濃い味付けの煮物や麺つゆなどに使用するのがおすすめです。
なぜなら雌節は鰹の腹の部分を加工した部位なので脂肪分が高くその脂肪が魚のうま味として強く感じられ、味にコクが出るので、濃い料理にも負けない強いダシが出来ます。
厚く削ってみると白くなっているところがあります。これが脂肪です。

雄節の方は雌節に比べ白い個所が比較的少ないです。

これらの写真にある白い部分が削った時に粉っぽくなる事やダシにしたときに濁る事もあります。

雌節の方の色は少し濃いです。その分にごりはあるもののうま味は強く感じられます。
雄節の方の色は雌節に比べて薄色ですね。透明度も高く上品な香りを感じる事が出来ます。
ちなみに雌節と雄節の脂肪分の違いをわかりやすく鰹節の製造日毎に表にまとめてみました。
製造日が分かれている3種類の鰹節を用意して①・②・③の雌節(左)、雄節(右)それぞれの脂肪分の比較です。これをみてみると雌節の脂肪分の方が明らかに高い事が伺えます。
②の脂肪分に関しては雄節の方が若干高くなっていますがこれは雄節も背側に脂肪が集まっている場所があるからです。ただ言える事は雌節が雄節に比べて脂肪分の比率が多いということです。
ですから雌節を料理で使用する際には味の濃いものを作る時。であれば特ににごりを気にすることは無いでしょうし味付けにも負ける事がないので上手な使い方と言えるでしょう。
3-2.雄節の使い方
雄節は冷やっこへのトッピングやお吸い物のだしなど薄味の料理に使用するのがおすすめです。
雄節は鰹節の背側を加工されていて脂肪も雌節に比べると脂肪分が少なく香り高いスッキリした印象の鰹節になります。
ですから雄節を料理で使用する際には味の薄いものに使用する事で鰹節特有の上品な香りを感じる事ができ、料理の引き立て役になること間違いなしです。
まとめ
雌節と雄節は鰹を加工する部位の違いです。鰹節の形として雌節は丸く、くぼみがある節で雄節は少し大きめの節で形がきれいにまっすぐになっているものです。
味については雌節と雄節を比べれば多少の違いがあるもののこれも僅差と言えます。「雌節」だとこれがダメ!「雄節」だとこれがダメ!なんて事は一切ありません。私としてはどちらも必要なので混ざった物を使う事をおすすめします。
それでもこだわって使いたい!という方には雌節は濃い味用として雄節は薄味用としてお使いいただくことをおすすめします。
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