普段の食卓や居酒屋などで、馴染みの深い料理「冷奴」。
そして、その冷奴と切っても切れない縁があるのが「鰹節」です。
鰹節をかけることで、冷奴は見栄えも良くなり、風味も良くなって何倍も美味しくなるんです!
鰹節を扱うプロである、我々が冷奴に一番合うとお勧めするのは、花かつおです。
見た目の華やかさと、食べやすさ、風味の付き具合などのバランスが一番良くて、相性抜群です!
今回はそんな、お勧めの花かつおを含めて、5種類の鰹節を冷奴に掛けてみて、見た目や味を比べてみました。
本記事では、美味しくて見た目も華やかな冷奴の作り方をお伝えします!
目次
1.冷奴に鰹節をかけるべき2つの理由
冷奴をよりおいしくいただく為には、鰹節が欠かせません。
それには大きく2つの理由があります。
1-1. 見た目を華やかにする
豆腐の混じり気のない白色は、それはそれで美しいものではありますが、
単体ですと、少し寂しいものです。
しかし、このお豆腐の上に鰹節をかけてみると、こんな感じの見た目になります。
鰹節を上に乗っけるだけで、派手ではありませんが、少し寂しかった見た目が華やかになるのと、同時に美味しそうな印象がつきませんか?
やっぱり料理は見た目もすごく重要で、鰹節をかける事で産まれる「華やかだ」だったり、「美味しそう」という視覚の情報はとても大切なのです。
どんなに美味しくても、見た目が良くないと美味しさも半減してしまいますよね!
鰹節はそんな「目で視る美味しさ」を冷奴に与えてくれます!
1-2. 風味を良くする
鰹節をかけることで、風味(味や香り)が良くなるという利点もあります!
鰹節を口に含むと、ふんわりと香りが広がりますが、その香りが豆腐特有の甘みと絶妙にマッチします。
豆腐の甘みも、鰹節の香りも、どちらもそれほど主張の激しいものではなく、
フワッと香る優しいものどうしなので、お互いケンカをせずに、良く合うのです!
うまみ成分について着目すると、
豆腐にはグルタミン酸が多く含まれており、
鰹節にはイノシン酸という成分が多く含まれています。
これらのふたつは三大うま味成分とよばれている、「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」のうちの二つであり、これらを同時に食べる事で、うまみの相乗効果があるのですね!
うまみ成分について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ! うま味倍増!イノシン酸・グルタミン酸・グアニル酸の相乗効果と食材
2.冷奴にお勧めの鰹節は花かつお!
今回は、冷奴の上に
・花かつお
・砕片
・帯削り
・糸削り血合い抜き
・鰹粉末
以上5種類の形状の違う鰹節をかけてみました!
この五種類の評価を一覧表にまとめるとこうなりました。
この章では表の結果について、それぞれ解説をしていきます!
今挙げた鰹節ってどんな鰹節?という方はコチラの記事も併せてドウゾ! 削り節とは?厚さ・サイズ・削り方による削り節の分類を徹底解説
2-1.一番のお勧め花かつお
先程挙げた5種類の中で、一番冷奴に合うと断定したのは、花かつおです。
まずは、見た目がとってもボリューミィで華やかさがあります。
花の一つ一つが大きくてまとまっているので、散らばり難く食べやすく、机なども汚しにくいのもGOOD!
お醤油を数滴垂らしてみても、見た目も良く、程よくお醤油がからむので、口に入れると鰹節の香りと、
お醤油の甘じょっぱさが、丁度良い塩梅で広がりました。
花かつおは、見た目がとても華やかで、お醤油との相性も抜群で食べやすさ、風味の良さ共に良かったので、
冷奴に合わせる鰹節として、一番お勧めします!
花かつおを購入されるならコチラ!
有名鰹節メーカーのヤマキ様から販売されている花かつおです。冷奴には一回2gぐらいしか使わないと思うので、お出汁をとって一緒にお味噌汁も…。なんて使い方もいいですね!有名メーカー様なので初めて買うという方も安心だと思います。
2-2.その他の鰹節も掛けてみた
一番のお勧めは花かつおでしたが、他の鰹節はどうでしょうか。
2-2-1.砕片
お次はよく小袋で鰹節として売られている砕片ですが、
どうしても周りに鰹節が散ってしまい、見た目があまりよろしくありません。ボリューム感も少ないです。
少し安っぽい見た目になってしまいました。
次にお醤油を垂らしてみました。写真のものは、ちょっとお醤油を掛けすぎてしまいましたが、
お醤油が掛かると、少ないボリュームが更にペチャっと減ってしまいます。
しかし、細かい花に良くお醤油が絡むので、全体的に味が付きやすいです。
味は悪くはないが、見た目があまり綺麗ではないという評価です。
砕片を購入されるならコチラ!
先程に引き続き、ヤマキ様から販売されている商品です。削り節は空気に触れるとどんどん酸化してしまい、味や香りが悪くなってしまうので、1gという冷奴にベストな量が使い切りで小分けされているのは、とっても嬉しいですね!
2-2-2.帯削り
お次は鰹節を細く短冊状に削った帯削りです。
帯削りが重なり合い、とてもボリューム感があり見た目はとても華やかですね!
お醤油を数滴垂らしてみると、見た目はあまり変わらずボリューミィで、華やかです。
しかし、立体感がありすぎるせいで、お醤油が鰹節の一部だけにかかっており、あまり馴染んでおらず、
味にムラがあります。全体に満遍なく醤油の味をつけようと思うと、たくさんお醤油をかける必要が出てきます。そしたら塩辛くなり、鰹節の香りや豆腐の甘みはほとんど消えてしまうでしょう。
見た目はかなり良いのですが、お醤油との相性があまり良くなかったです。
帯削りを購入されるならコチラ!
トマル水産様から販売されているこちらの帯削りは、一つ一つの花がとても大きくボリュームたっぷりですので、冷奴はもちろんサラダやたこ焼きなどのトッピングとして大活躍するでしょう。
2-2-3.糸削り血合い抜き
お次は血合いという、血液の塊の部分を取り除いた節を帯削りよりも、もっと細く削った花です。
血合いの濃い茶色の部分がないので、見た目が他の削りと比較して上品です。
たくさん乗せるよりも、少量の方がよりお上品さがましてよいです。
お醤油を垂らしてみましたが、せっかくの糸削りの淡い色合いが台無しになってしまいました。
お味の方も、糸削りが絡まっている部分に多く醤油が絡んでしまい、少し塩辛くなってしまいました。
糸削りにお醤油を合わせる場合は、削り節より先に、お豆腐に直接醤油を少量広げるように馴染ませてから、
糸削りを乗せた方が良いかもしれませんね。筆者も勉強になりました。
糸削り血合い抜きを購入されるならコチラ!
かね七様から販売されている糸削りです。とても綺麗な薄桃色の削り花は料理を上品に美しく彩ってくれるでしょう。ちなみに、商品名の「糸がき」は糸削りの別の言い方なので、どちらの名前でも物は変わりません。
2-2-4.鰹粉末
最後は鰹節を細かく粉末状に砕いた、鰹粉末を使ってみました。
見た目はかなり残念なものになってしまいました。華やかさは一切なく地味です。
お醤油を垂らしてみても、あまり見た目の変化はありません。
しかしお醤油を垂らした部分にダマが出来てしまい、そこだけ塩辛くなってしまいました。
口当たりもお豆腐の滑らかな食感に、ザラザラした食感が付いてしまい合っていません。
見た目も風味も、一番冷奴には向いていないでしょう。
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鰹節の伏高様から販売されているかつお粉です。原材料は鰹節100%の無添加品なので安心して様々なお料理に入れて楽しめると思います。
3.鰹節と併せて食べたいトッピング
お豆腐と鰹節とお醤油だけでも、冷奴はおいしいですが、より美味しく、見た目も良くしたいなら、トッピングを加えてみましょう。
私がお勧めするトッピングは、定番中の定番とも言える
・刻みネギor大葉
・しらす
・おろし生姜
・ごま油
以上の薬味や食材を断然お勧めいたします!
3-1.おすすめその1!花かつお+大葉+しらす+おろし生姜+ごま油で、まろやかな味わいに。
花かつお+大葉+しらす+おろし生姜+ごま油
お勧めの組み合わせその1です。
3-1-1.トッピングの順番は鰹節→お醤油→薬味の順番で!
お豆腐に掛ける順番は、
①鰹節→②醤油→③その他薬味の順番を推奨します!
なぜなら、鰹節はお醤油を馴染ませて味わいたいのですが、お醤油の味はとても強いので、他の薬味の上からかけてしまうと、その薬味の味も醤油風味になってしまい個性が無くなってしまいますし、下のお豆腐までお醤油が辿り着きにくくなってしまい、上の薬味はしょっぱい醤油味、下の豆腐はほぼほぼ無味という風に、味のバランスが崩れてしまいやすいからです。
3-1-2.鰹節で飾りお醤油を少しだけ垂らす。
まずは、お豆腐に花かつおをお皿にこぼれて見た目が汚くならない程度にたっぷりと乗せてお醤油を2,3滴垂らしましょう!お醤油は2,3滴だけでも十分な味がつくので、掛け過ぎない事が大切です。
3-1-3.大葉でいろどりを加える。
大葉は花かつおの大きさと、同じくらいの大きさに切り揃えてあげると、
一体感が出て緑色のアクセントも、非常に映えます。
3-1-4.釜揚げシラスを高く盛る。
その上に釜揚げしらすを乗せます。ここは個人の好みですが、柔らかくフワッとした食感とお豆腐の甘みに調和する、ほのかな甘みが好きな方は釜揚げシラスを。硬さで食感にアクセントを付けたい方は、ちりめんじゃこと、使い分けてみましょう。ただし、ちりめんじゃこを使う場合は、ちりめんじゃこ自体にかなり塩気があるので、お醤油の掛け過ぎにはより注意しましょう。人によってはお醤油がいらないという方もいらっしゃるかもしれませんね。
3-1-5.ごま油の香りで食欲増加!
つぎにごま油を、お醤油と同じく数滴かけます。掛け過ぎは注意です。
ごま油は香ばしいとても良い風味をつけて、口当たりもまろやかになります。
油っぽさは大葉のさっぱりした風味が、飛ばしてくれるので、相性が良いです。
3-1-6.ピリッとアクセント!おろし生姜をのせて完成!
最後はおろし生姜を乗せて完成です!市販のチューブの物も悪くはないですが、出来れば生の生姜を、
すりおろして出来立てを乗っけるとベストです!黄色の鮮やかさと、ピリッとした辛味が段違いで、
格段に美味しくなります!
3-2.おすすめその2!砕片+刻みネギ+しらす+おろし生姜でピリッと辛い味わいに。
砕片+刻みネギ+しらす+おろし生姜
お勧めの組み合わせその2です。
先程とほとんど同じですので、トッピングの順番の詳細は省きます。
今回は大葉のかわりに刻みネギを使用しています。
刻みネギをたっぷり乗せることで、砕片の欠点の一つであるボリューム感の無さを解消することが出来て、
見た目も鮮やかになります。
好みの問題になるかとは思いますが、刻みネギとごま油を合わせると少しクドイと感じましたので、
今回はごま油は入れませんでした。
先程の組み合わせは、全体的にまったりとした味わいでしたが、こちらの組み合わせはピリッと鋭い味わいとなっていますので、お好みの組み合わせで試してみてください!
4.まとめ
冷奴に鰹節を乗せる理由は、
①見栄えを良くする為
②風味をより良くする為
そして、その二点を良くするのに一番向いている鰹節は花かつおです。
冷奴には、ねぎや大葉、しらすやおろし生姜等の薬味も非常に合うので、
ぜひ試してみてください。
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