卵の栄養にまつわるモヤモヤを解決。3つの特徴で健康生活

卵の栄養素がどれだけ優秀かご存じですか?

卵はどの家庭でも常備されている私たちにとても身近な食材です。そのせいか卵にはいくつかの都市伝説のような疑問が付きまとっています。

・「コレステロール」の過剰摂取を防ぐため、1日1個にすべきか

・生卵は消化に悪いか?

・卵は本当に完全栄養食品か?

・卵の色に違いと栄養の関係

 

卵は栄養が豊富で価格は安く、どんな食材ともあいやすく調理方法によっては料理のアレンジは無限とも言えます。

完全栄養食品と称される卵の栄養にまつわるモヤモヤを解決し、より健康的な食生活を送りましょう。


1. 卵の栄養にまつわる基礎知識:三つの特徴

卵の栄養は他の食品と比較していくつかの特徴があります。

・栄養のバランスが良い完全食品である。
・炭水化物が少ない
・ビタミンCが含まれていない。
・食物繊維が極めて少ない

1-1卵は完全栄養食品である。

卵は人が生きる上で欠かせない「5大栄養素」のうち炭水化物を除く栄養素がまんべんなく含まれています。つまり卵と主食のご飯やパンや麺類の組み合わせで栄養素のほぼすべて補うことができます。

もうひとつ特筆すべき点は卵のたんぱく質を構成する「アミノ酸バランス」は生物の体を構成している筋肉の「アミノ酸バランス」に極めて近いことが分かっています。

人間の体内で合成できないたんぱく質の成分「必須アミノ酸」をまんべんなく含んでいるのが卵のたんぱく質なのです。ちなみにたんぱく質の品質を評価する指標に「アミノ酸スコア」というものがあり、卵は満点の100点とされています。

これらのことが「卵は完全栄養食品」と称される理由です。

1-2卵には炭水化物が少ない

人間が必要とする栄養素は「たんぱく質」「炭水化物」「脂質」「ミネラル」「ビタミン」の五大栄養素ですが、そのうち「炭水化物」の含有量は少量です。

卵の生みの親である鶏の血糖値は100㎖当たり250mgで人間では糖尿病と診断されるレベルです。しかし、卵には乳糖のような炭水化物は含まれていません。炭水化物類は卵の生育には不要で、むしろ菌の増殖を抑える意味でも卵にとっては効果的といえるのです。

また、炭水化物が少ないということは病気の治療やダイエットのために糖質を制限しなくてはならない人には有効な食材と言えます。

1-3卵にはビタミンⅭと食物繊維が含まれていない。

栄養豊富な卵ですが、ビタミンⅭと食物繊維はありません。

なぜか?

ビタミンⅭは孵化したヒナが体内で作れるので卵にはビタミンⅭは含まれていないのです。それに対して人は体内でビタミンCを合成できないので必ず食品から取り入れる必要があります。

また、食物繊維についてはヒナの孵化から自分でエサを食べるまでの成長の期間に食物繊維を必要としていないためです。

これはニワトリだけでなくウズラや烏骨鶏など鳥類全般に当てはまります。

 

 


2. なぜ卵は栄養のバランスがいいのか

卵が完全栄養食品と言われる理由は鶏が子孫を残すために産みだしたものだからです。

卵の中には水分を含めニワトリにとって必要な栄養が過不足なく含まれています。

これは有精卵も一般的な卵である無精卵も変わりません。

鳥類において卵の栄養成分の不足は致命的です。親のニワトリの栄養状態が悪くなると、卵の栄養成分を変えるのではなく卵を産む個数が減らすことで成分を一定に保っています。

もう一つ興味深いことに栄養成分は鶏の品種によっても大きな違いはありません。

日本食品標準成分表2020年(八訂)


3. 卵の栄養効果

卵にはヒナの体を作るために栄養成分がすべて含まれています。それは私たち人間にとっても重要なそして有益な栄養素が豊富です

 

3-1良質のたんぱく質で健やかな生活 

卵にはたんぱく質が多く含まれ、そのたんぱく質のバランスは良質で素晴らしい食品です。卵たった150gで一日に必要な量の多くを摂取できます。

体重60kg 成人男性の場合

 

3-2骨粗鬆症の予防効果

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは骨の組織がもろくなって骨折などをしやすくなる病気で中高年齢に発症しやすくなっています。
人間が骨を作るうえで大切な栄養素は「カルシュウム」ですが、実際はたんぱく質など各種栄養素が重要なカギを担っています。卵にはこれらに栄養素が含まれているため骨粗鬆症の予防に役立つといわれています。

参照:牛乳とタマゴの科学 酒井仙吉著 ㈱講談社発行

3-3病気に対する抵抗力

「塩化リゾチーム配合」とうたっているにかぜ薬のCMを見た方多いと思います。この「塩化リゾチーム」の原料は卵の卵白に含まれているリゾチームという酵素です。

リゾチームは  ①細菌の細胞壁を分解する ②免疫力を高める

これらのメカニズムをもっているのです。

風邪をひいた時や、体調が悪い時に「卵酒」や「卵のおかゆ」を食べることは昔から行われていました。

これらはとても理にかなったことと言えるでしょう。


4. 卵のおすすめ1日当たりの摂取量

健常者は1日1~2個、脂質異常症などのリスクを持つ人は1日1個にとどめるのが賢明だと思われます。

卵1個に含まれるコレステロールはおおよそ200mg。日本人の栄養摂取基準(2020年版)によると脂質異常症の重症化予防の目的にはコレステロールの摂取を一日当たり200mg未満にとめることが望ましいとされています。

厚生労働省より発表されている日本人の栄養摂取基準(2020年版)には「日本動脈硬化学会による『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版』では(略)コレステロールの摂取を200mg/日未満にすることによりLDLコレステロールの低下効果が期待できるとしている」と記述されています。

コレステロールを含む食品は卵だけではありませんが、心配な方は一日一個に控えることも必要かもしれません。

 


6. 卵の栄養のよくある質問

間違った情報も実は多い?卵についてのモヤモヤにお答えします。 

6-1生卵と半熟卵では栄養が変わりますか?

卵は煮ても焼いても、もちろん生でも栄養は変わりません。

胃に入った生卵も半熟卵も消化酵素で等しく分解されます。
ただし、消化のため胃にとどまる時間には差があります。半熟卵はすでに卵のたんぱく質が軽い変成状態にあるため、例えば固ゆで卵より消化されやすいと言われています。

主要栄養素は熱による影響はないため、調理方法による栄養の変化はありません。

6-2卵のコレステロールは体に悪いですか?

卵のコレステロール量は比較的多いため多く食べると「コレステロール値」が上がるのではと敬遠する人がいますが、必ずしも正しくはありません。

卵のコレステロール含有量は100g当たり420mgで他の食品より多く含まれています。しかし卵にはコレステロールが動脈壁へ沈着することを抑えるリノール酸などが多く含まれていることからあまり心配する必要はないとも言われています。

また卵黄に多く含まれている「レシチン」は動脈硬化の予防薬の主成分としても使われています。

卵のコレステロールだけが体に悪くはありません。他の食品に含まれるコレステロールと合わせて考える必要があります。

6-3卵の色によって栄養に違いはありますか?

卵の色による栄養の違いはありません。

卵の殻の色は卵を産むニワトリの品種によって変わります

また、卵黄の色は「与えるエサの色」に影響されます。卵黄の色はエサに含まれる脂溶性の色だけが反映されるのです。

 

参照:牛乳とタマゴの科学 酒井仙吉著 ㈱講談社発行
  :たまご大事典 高木伸一著  ㈱工学社発行
  :厚生労働省「日本人の栄養摂取基準 2020年版」


7. まとめ

業界紙の「鶏鳴新聞社」によると2020年度の卵の消費量はおよそ340個と言われています。国別でみると世界第2位の消費国で卵好きの国民性がここでも表れています。

卵の調理法は焼く、煮る、蒸す、揚げる。もちろん生でもおいしくいただけます。料理も主菜から副菜、汁物、デザートまで何でもできます。

だからこそ食べすぎに関心が集まるのでしょう。

卵だけでなく他の食材とバランスよくいただき、健康な食生活をおくりましょう。

 

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