「糸削りって何だろう?」
フワフワした花かつおやだし取りに使う厚削りはスーパーでよく目にするけれど、糸削りって何に使うのかよくわからない…という方も多くいらっしゃると思います。
糸削りは日本料亭など、ちょっと上品な料理の盛り付けに用いられるとても細く削られた削り節なんです!
今回は糸削りの特徴や削り方、用途を紹介します。この記事を読んで糸削りについて理解を深めてみて下さい!
目次
1.糸削りとは?
糸削り(いとけずり)とはまさに糸のように細い削り節のことです。
1-1.糸削りの特徴
糸削りは鰹節(かつおぶし)や鮪節(まぐろぶし)などを糸のように細く削った削り節です。
「血合い」(ちあい)※1と呼ばれる魚の身の部位を除去したものを削っているものが多く、その淡い色彩がとても美しく、血合いを取り除いたことにより魚の生臭みのない上品でフワッとした口当たりが特徴の料理に華を添える削り節です。
※1「血合い」
魚の背中側の身とお腹側の身の間にある赤黒く、生臭みを持った部位。
血液が多く含まれるため、レバーのように鉄分やビタミンが多い部位ですが生臭みが苦手な方も多い。
1-2.糸削りの用途
糸削りはその見た目の美しさから、だし取り用ではなく、料理の盛り付け(トッピング)に特化した削り節です。
特に「天盛り」(てんもり)と呼ばれる日本料理の盛り付けに使用されます。
天盛りとは日本料理の盛り付け手法のひとつで、和え物・酢の物・お浸し・お漬物・煮物などの料理の上に香りの良い食材を少量のせる盛り付けです。
「天盛り」は、旬のものを使い季節感を演出したり、料理の色彩・香り・味わいを引き立てたりする効果だけでなく、「この料理には誰も手をつけておりません。」というお客様への気遣い・おもてなしの気持ちをあらわすものです。
1-3.糸削りの削り方
削り節を削るためにはカンナと呼ばれる刃がついた削り機が必要です。
中でも糸削り用のカンナ刃は特徴的で、「花かつお」のような一般的な一枚の大きな削り節(平削り-ひらけずり)用のカンナ刃とは作りが違います。
平削り用の刃
糸削り用の刃
平削り用は刃が一枚になっていますが、糸削り用は細かくでこぼこになっています。
このでこぼこの刃で削ることで細い糸のような削り節を削ることができます。
2.糸削りと糸がきに違いはない
糸状の削りのことを「糸削り」、もしくは「糸がき」と呼びますが、こちらは同一のものです。
「糸削り」は糸のように削ることから、「糸がき」は糸状に引っかくように削ることからそう呼ばれています。
呼び方は違いますが内容は同じものになります。
3.鰹(かつお)の糸削りと鮪(まぐろ)の糸削りの違い
鰹糸削りと鮪糸削りの一番の違いはその色彩です。
鰹の糸削りは桜色ですが、鮪の糸削りは乳白色です。
鰹糸削り
鮪糸削り
4.シビ糸削りとメジ糸削りの違い
まぐろ糸削りの中にはシビ糸削り(糸がき)とメジ糸削り(糸がき)と書かれたものがあります。
シビとメジの違いについてですが、シビとは鮪(まぐろ)のことで、特にクロマグロの成魚(大型)を意味します。
メジはメジマグロとも言い、クロマグロの若魚(1m以下)を意味します。
そのためシビ糸削り(糸がき)とメジ糸削り(糸がき)は同じ鮪でも大型の成魚/若魚の違いを表しています。
まとめ
糸削りは特徴的な細かい刃のカンナ刃で削られた糸のように細い削り節のことです。
こちらはトッピングに特化した削り節で、料理に華を添える上品な削り節です。
鰹の糸削りは桜色、鮪の糸削りは乳白色です。
ぜひお料理のトッピングに使い、上品な盛り付けを演出してみて下さい。
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