削り節粉の4つの種類|削り節粉の製法や使い方の全てを解説

あなたは削り節粉の種類がどれくらいあるか知っていますか?実は削り節粉の種類は、各メーカーが沢山種類を用意しています。

もしかしたら、見た目には同じ削り節粉に見えるかもしれませんが、実際に手に取った時の触り具合や、口に入れた時の舌触り、飲み込み具合、風味の残り具合など色々と確認していきますと、削り節粉にはそれぞれ違いがあるという事が良くわかります。

ここでは、普段あまり見かける事の無い削り節粉の製法から、どのような用途に適しているのか、その使い方までを説明しています。ぜひ読んでみてください。


1 削り節粉の種類

削り節粉は主に製造方法の違いから起きる形状の大小や粒の厚さなどで分類されています。なぜ、一口に「削り節粉」と言っても種類が沢山あるのでしょうか? 何故なら削り節粉はその使われ方が沢山あり、例えば出汁に使われる削り節粉もあれば、トッピング用に使われる削り節粉もあれば、他の食品の中に混ぜられる削り節粉など様々です。

ですから粗い粉も有れば、目に見えない微粉(びふん)と呼ばれる粉もあります。種類を細かく分けていきますと数十種類の削り節粉があるのですが、おおよそ

  • 鰹節を削って発生するタイプのもので、破砕(はさい)品と呼ばれる比較的大きな粉
  • 破砕品をさらに細かくした粉砕品(ふんさい)品とよばれる細かい粉。
  • 鰹節を削らずに特殊な機械で細かく砕いたクラッシャー品と呼ばれる粉。
  • 最後にものすごく細かい粉で極小微粉(ごくしょうびふん)と呼ばれる粉

4つのグループに分けることができますが、最終的には、使用される原料としては鰹節以外に、鯖節、宗田節、鮪節や煮干しウルメなどがあり、それらが使用目的によって様々な削り節粉に変わります。また鰹節、鯖節、宗田節にはそれぞれカビが付いているものもあり、それらの粉も流通しております。

以上の事から、使用目的により製法の選定と原料の選定が決まり、幾つもの削り節粉の種類があるのです。


2 削り節粉 破砕(はさい)品

鰹節を削って粉にするタイプのもので、破砕品と呼ばれる比較的大きな粉を紹介していきたいと思います。

2-1削りの厚さ

鰹節を削った後に粉にしますが、その際に削りの厚さを最終製品でどのように使用するかによって厚さを変更していきます。例えば、直接食べる物にトッピングするものとして使用される削り節粉でしたら、こちらは0.030.05ミリ程度に薄く削ってから、破砕機と呼ばれる機械に入れて細かくされます。

しかしながら、この時に少しだけ削り節粉を強調したいとなれば、少しだけ厚く0.050.07ミリ程度に削り、食べた時に舌の上で残るような形にしていきます。出汁用に使用したい場合は、厚さを0.1ミリ程度に調整します。

2-2削りの大きさ

また削った物を粉にする時のサイズを、破砕機の下に設置してある網の目のサイズにより調整し、トッピングする際の強調具合を決めていきます。例えばたこ焼きにトッピングする際、たこ焼きを目立たせるのか、削り節粉を目立たせるのかによって、削り節粉のサイズをミリ単位で調整していきますし、惣菜品や梅干しなどど混ぜ合わせる時は、調味液や煮汁などと共に削り節粉が液類を吸収する事がありますので、吸収具合も確認していきます。

この破砕と呼ばれる物は、比較的粒度の統一がなされておらず、人によって「粉」という人もいれば「粉ではない」という人もおります。

破砕機の刃の写真
破砕機の刃の写真
網のサイズによって粒感が決定する。
網のサイズによって粒感が決定する。
網の目が大きいと粒度が統一されず、粉にならない場面もある。
網の目が大きいと粒度が統一されず、粉にならない場面もある。
網の目が小さいと、粒度が統一され、粉が増えてくる
網の目が小さいと、粒度が統一され、粉が増えてくる


3 削り節粉 粉砕(ふんさい)品

次に粉砕品です。先に説明しました破砕品を更に細かくしたものです。形状としてはかなり細かくなり、通過する網が非常に細かいので粒度は統一されます。網の大きさは1㎜~5㎜ぐらいになるのですが、あまり細かい網目になった場合、削った物が詰まる事があります。

原因としては3つ有ります。1つ目は脂肪が多い事、2つ目は削る前の鰹節に水分が多めに含まれている事です。よって粉砕品にする鰹節は、まずは脂肪の少ない鰹節を選び、削った直後に乾燥機で水分を飛ばし軽くなった所で、破砕機を通して一度ある程度細かくしたものを、粉砕機に入れて細かくしていきます。

また原料の中でも鯖節は鰹節よりも腹部分に脂を含んでいるので、粘り気が多く細かい網目の場合は目を詰まらせます。近年ラーメンだしで使用されるようになってきましたアゴ(とびうお)も、近海の海で獲れる物は脂が多い物もあり、粉砕品には不向きな物もあります。最後の1つは単純に編み目より厚く削った場合です。よって粉砕品になる削りは薄い物になります。

花かつおを細かくする粉砕機の刃
花かつおを細かくする粉砕機の刃
破砕機の網の写真 開口1mm
破砕機の網の写真 開口1mm
破砕機の網の写真開口3mm
破砕機の網の写真開口3mm
1mm粉砕製品
1mm粉砕製品
5mm粉砕製品
5mm粉砕製品


4 クラッシャー品

鰹節業界には「ハンマークラッシャー」と呼ばれる、鰹節を砕く機械があります。箱の中でハンマーが高速回転し、その中に鰹節を入れていきますと、ハンマーで砕かれた鰹節が網を通過して製品化されます。こちらの製品がクラッシャー品と呼ばれて流通しております。破砕品・粉砕品と比べて製造工程が簡単ですので、安価品として案内される事もあります。

鰹節を削った物ではありませんので、粒が非常にしっかりしており、トッピング等などで直接食べる物としての使用は不向きであり、業務用に出汁取り専用で使用されたりします。サイズの調整はハンマークラッシャーの下部に網を設置して行います。調味料メーカーなどは大量に出汁を抽出しますので、このようなハンマークラッシャー品の粉を好み使用しております。

ハンマークラッシャーの外観
ハンマークラッシャーの外観
高速回転で鰹節を砕くハンマー
高速回転で鰹節を砕くハンマー
大きい目の網
大きい目の網
細かい目の網
細かい目の網
大きい目を通解した製品で粉の粒度に統一感が無い。
大きい目を通解した製品で粉の粒度に統一感が無い。
細かい目を通解した製品で粉の粒度に幾らか統一感がある。
細かい目を通解した製品で粉の粒度に幾らか統一感がある。


5 極小微粉

次にとても細かく粉塵のように舞っていく粉製品を紹介します。

5-1粒度

微粉と呼ばれるタイプの物です。パウダーとも呼ばれます。非常に細かく、肺に入ると人体に悪影響を与えるぐらいの細かさです。製造工程としては、破砕や粉砕の工程を経てきたものや、ハンマークラッシャーで細かく砕かれた物を、ネアミルとよばれる機械に通過する事により、とても細かい微粉になります。多くの微粉は製品後に粒度を一定にするために、網を設けて整粒を行い、統一された粉になります。

微粉は主に冷凍食品やせんべいの中に練り込まれたりします。直接食べられるという点では、破砕や粉砕と用途は目的が近いのですが、鰹節を強調させたいのでなく、食べ物全体を和のテイストにしたい場面などで少量使用したい場合などに、味を付け加える形で使用される事が多いです。

ネアミル外観
ネアミル外観
突起物を回転させ細かくする
突起物を回転させ細かくする
網で整流し細かい物が通過する
網で整流し細かい物が通過する
微粉 パウダーとも呼ばれる
極小微粉 パウダーとも呼ばれる

5-2熱と風味との戦い

微粉は熱にとても弱い製品でした。昔は機械の中で製品同士が接触する事と、機械の内側の表面に当たる事の2点により、製品の熱が風味を飛ばしてしまいました。機械内にこもる荒熱を取り除く為に、空気を送りこむ取り組みなども試されましたが、その空気に載りながら製品が機械内から逃げていくのです。概ね製品温度が45度以上になりますと風味が飛んでいきました。

現在の微粉を製造する機械は冷水を機械の周囲に通すなど工夫をする事により、40度程度まで抑えられる機械も開発され、風味を保ったまま製造される微粉も増えてきました。


6 製造時に発生する粉

次に先に説明した4つのグループとは別に、鰹節を削る時に発生する粉があります。こちらを説明していきます。

6-1ブラッシングで発生する粉

まずは鰹節を削る前に、ブラッシングという工程を行い、表面に着いている骨や皮などの夾雑物(きょうざつぶつ)を取り除いていきます。この時に骨と皮と同時にブラシで取り除かれる粉があります。サイズは大小さまざまですが、数量を10kg20kg単位で1ケースにまとめて、業務用で抽出用に使用されます。このまま使用される事もあれば、後に説明するクラッシャーという機械で細かくされてから、粒度を統一して使用される事もあります。

ブラッシングの最中
ブラッシングの最中
ブラシの下から発生
ブラシの下から発生

6-2削る時に発生する削り節粉

こちらは鰹節を削った花かつおに粉が含まれないように、花かつおと粉を工程上で分けて発生する物です。粉は鰹節の脂の具合、水分の含み具合、鰹節を削る刃の研磨具合、鰹節と刃の相性、鰹節を削る時の節自体の温度、鰹節を削る時の刃の温度など様々な条件が重なり多量に発生する事もあれば、少量の時もあります。

よって仮に粉が発生した際には、粉は取り除いているのです。製造工程上のラインに網を敷き、必要に応じて粉を外しているのです。粉には脂肪が含まている事も多く、味が濃厚で旨みを感じますので、こちらを好まれる業者の方もおり、トッピング用に使用する事もあれば、出汁を取る為の原料の一部として使用される事もあります。

網を敷き粉を出す
網を敷き粉を出す

業務用に使用される削り節の粉に関しましては、業務用鰹節専門の小林食品にお問合せしてください。

電話番号 054-625-2001


まとめ

削り節粉とは一言で括れないほど沢山の種類がある事がお分かりいただけたと思います。一般市販品でしたら、その多くは「破砕品」か「粉砕品」を家庭用のサイズの袋にして販売されております。

業務用は使用用途により様々です。もしお求めになられる場合は使用目的を明確にしてから、上記を参考にして製法による違いを把握し、製造会社にお問い合わせをしてみてください。

業務用サイト-トップページ

鰹節をご使用されるあなたの「あんな風にしたい、こんなふうにしたい」という想いを叶える為に、丁寧にお話を聞く事を大切にする会社です。

こんな悩みはありませんか?

  • 大量の削り節が必要だけど対応してもらえるかな?
  • 安定的に供給してもらえるかな?
  • 自社商品を開発してみたけど、出汁感が少しだけ薄いのでもう少し濃くならないかな?
  • 製品のトレーサビリティの証明書原産地証明書は出してもらえるのかな?

味だけでなく、メーカー、仕入れ担当者、営業、品質管理などで、ご要望は様々です。トレーサビリティの証明書原産地証明書や、大量発注など、様々な思いを叶えます。

鰹節の専門アドバイザーがおりますので、お気軽にご相談ください。

無料Ebookプレゼント

家庭でも実践できる!
うま味が凝縮された
美味しい和食料理を作るための全知識

ebook

「もっと美味しい和食を作りたいけど、
なかなかコツが掴めない」と
悩まれていませんか?

和食は繊細な味付けが肝となりますが、そのコツがわからないと悩まれる方は驚くほど多いものです。

特に日本人である以上は美味しい和食を当たり前のように作れるようになりたいと思いますよね。

本冊子では、かつお節の専門家として長く和食に携わってきた私たちが、全ての日本人に知っていただきたいと考える

  • うま味を7〜8倍に引き上げる食材の組み合わせ
  • 素材のうま味を最大限引き出すだしの取り方
  • 「花かつお」と「かつお厚削り」の取り入れ方の違い
  • 誰でも実践できる温かみある和食特有の味付けのコツ

など、美味しい和食を作るための全知識を35ページに渡ってわかりやすくまとめました。
ぜひ、本冊子の知識をもとに美味しい和食を作ってみてください!

コメント

うま味が凝縮された
美味しい和食料理を作るための全知識
うま味が凝縮された
美味しい和食料理を作るための全知識