だしを使えば減塩になる? その理由と減塩レシピも紹介

減塩料理にしたいけど、醤油や塩を減らしたら美味しくないのでは?と思ったことはありませんか。

実は「だし」を上手に活用すれば、美味しさはそのままに減塩料理を作ることができるのです。

この記事では、だしが減塩に効果的な理由と、だしを使った減塩料理のレシピを紹介していきます。


1. だしに含まれる「うま味成分」が減塩になる

なぜ「だし」を使うことが減塩につながるのでしょうか。
その理由は、だしの具材であるかつお節や昆布には、うま味成分が含まれているためです。

うま味成分の例として鰹節にはイノシン酸、昆布だしにはグルタミン酸といった成分があげられます。
これらのうま味成分を上手に活用することで、おいしさはそのままに調味料の塩分を押さえて、減塩することができるのです。

〈だしとうま味成分の一例〉

鰹節

イノシン酸

煮干し

昆布

グルタミン酸

しいたけ

グア二ル酸


2. 減塩料理におすすめ 鰹・昆布・合わせだし

2-1 鰹だし

味噌汁やお吸い物など、上品な香りを生かしたい料理におすすめのだしです。
だしの取り方は次章のレシピ内で紹介していますので、参考にしてください。

2-2 昆布だし

水出しと煮出しの二種類の取り方があります。
さっぱりとしただしを取りたい場合は水出し、濃厚なだしを取りたい場合は煮出しがおすすめです。

2-3 合わせだし

だしに含まれる「うま味成分」は、個別で摂取するよりも2つをあわせて摂取したほうが、相乗効果でうま味が強くなります。
そこで重要なのが、うまみ成分を含む具材の組み合わせです。

うま味成分には、アミノ酸系のグルタミン酸、核酸系のイノシン酸・グアニル酸があります。
相乗効果を発揮させるには、異なるうま味成分の組み合わせが必要になります。
例えば2種類以上の素材から合わせ出汁をとるのも良いですし、単独で取っただしに別のうまみ成分を含む食材を組み合わせた料理にするのもおすすめです。

相乗効果におすすめな、うまみ成分の組み合わせがこちらの2種類です。

①グルタミン酸×イノシン酸
昆布×鰹節、昆布×豚肉などの組み合わせで取ることができます。

②グルタミン酸×グアニル酸
昆布×しいたけなどの組み合わせで取ることができます。

うま味の相乗効果については、こちらで詳しく解説しています。
うま味相乗効果とは?発生させる組合せや食材を知って料理に活かす (kobayashi-foods.co.jp)

この「うま味の相乗効果」を使えば、減塩しても美味しく料理を作ることができるのです。


3. だしを使った減塩料理を紹介

ここからは、だしの旨味を活用して作る、減塩料理のレシピ動画を3つ紹介します。
それぞれ鰹だし、昆布だし、鰹と昆布のあわせだしを使い、塩分を抑えています。
だしの活用以外にも、具材の食感を残して満足感を高めるなど、調理のポイントも紹介していますので、ぜひ動画を参考にしてみてください。

3-1 きんぴらごぼう

https://www.youtube.com/watch?v=BFW8ChHottE&t=6s

かつおだしを使った、きんぴらごぼうのレシピです。

〈材料 2人前〉
・ごぼう 150g
・人参 120g
・ごま油 大さじ1
・みりん 大さじ1
・醤油 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・酒 大さじ1
・生姜 少々 
・ごま 少々
・唐辛子 少々
・かつおだし 適量

〈鰹だしの取り方〉
①水1000mlに対し、鰹の薄削り40gを用意する
②鍋に水を入れて沸騰させる
③沸騰したら火を止め、鰹の薄削りを入れて10分置く
④ザルにキッチンペーパーを敷き、だしをこす

〈作り方〉
①ごぼうを斜めの輪切りにした後、千切りにして水にさらす
★ 食感を残すため、少し厚めに切ることがポイント
②人参の皮をむき、縦に切ってから千切りにする
③フライパンにごま油と具材を入れ、しんなりするまで炒める
④具材に火が入ったら、かつおだし・砂糖・酒を入れる
⑤蓋をして、強火で5分ほど蒸す。だしが少なくなるまで炒める
⑥生姜・みりん・醤油を入れ、唐辛子を入れて煮詰める。火を止め、ごまを振りかける

3-2 けんちん汁

https://www.youtube.com/watch?v=oOWm8B3NV3w

このレシピでは鰹と昆布の合わせだしを使っています。
だしを使うことで風味がよくなり、余分な塩分をカットすることができます。

〈鰹と昆布の合わせだしの取り方〉
①昆布だし1000mlに対し、鰹の薄削り40gを用意する
②鍋に昆布だしを入れて沸騰させる
③沸騰したら火を止め、薄削りを入れて10分置く
④ざるにキッチンペーパーを敷き、だしをこす

〈材料 2人前〉
・大根 100g
・里芋 3個
・人参 1/3本
・ごぼう 1/2本
・こんにゃく 100g
・生椎茸 2個
・木綿豆腐 1丁
・醤油 大さじ2
・料理酒 大さじ2
・ごま油 大さじ1
・長ネギ 1/2本
・鰹と昆布の合わせだし 適量(鍋に具材を入れ、ひたひたになる程度)

〈作り方〉
①ごぼう・里芋・大根・人参の皮をむき、乱切りにする。椎茸は軸を取り、千切りにする
②こんにゃくは短冊切りにする
③鍋に火をつけ、ごま油を引いて①②を炒める
④合わせだしを入れ、蓋をして里芋が柔らかくなるまで煮込む
⑤沸いてきたら灰汁を取り、醤油・酒を入れて煮込む
⑥里芋に竹串が通ったら、豆腐を入れてひと煮立ちさせる
★しっかり煮込むことで、野菜の旨味が出て美味しくなります

3-3 ミルフィーユ鍋

https://www.youtube.com/watch?v=Q0f1g6agNOY

こちらのレシピでは、昆布だしを使っています。
昆布だしのグルタミン酸と、豚肉のイノシン酸がうま味の相乗効果となり、減塩しても美味しさを引き出すことができます。

〈材料 2人前〉
・豚バラ肉 300g
・白菜 300g
・酒 大さじ1
・ポン酢 適量
・昆布だし 適量

〈昆布だしの取り方-水出し-〉
①水1000mlに対し、昆布20gを用意する
②容器に水と昆布を入れ、蓋をして冷蔵庫で一晩寝かせる

〈昆布だしの取り方-煮出し-〉
①水1000mlに対し、昆布20gを用意する
②鍋に水と昆布を入れ、30分程置いてから煮出す
③昆布が浮いてきたら取り出し、沸騰させる

〈作り方〉
①白菜を縦に切り、芯を取る
②白菜と豚肉を交互に重ね、5㎝くらいの幅に切る
③鍋に断面が上になるように並べ、昆布だし・酒を入れる
④中火で15分ほど火にかける

〈補足〉
こちらでは、具材別にだし取りのポイントをより詳しく解説しています。
この記事で紹介した鰹だし・昆布だしの取り方も写真付きで紹介していますので、ぜひご覧ください。

https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/stock-cooking#1-1


4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

だしに含まれる「うま味成分」を活用すれば、塩分を抑えても満足感のある料理を作ることができます。

ぜひ、この記事で紹介した内容を参考に、減塩料理に役立ててください。

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