静岡県焼津市が誇る名産品なまり節」!あまり見慣れない、食べたことがないという方も多いかもしれません。
なまり節は低カロリーで高タンパク、低脂質ととってもヘルシーで健康的な食品なのです!
それだけではなく、我々人間が食べ物からしか摂取する事の出来ない必須アミノ酸を9種類全て持っていたり、エネルギーを作ったり身体の調子を整えたりするのに重要なミネラルやビタミンも豊富に備えているのです!
それらの豊富な栄養素から、筋肉量のアップや貧血予防、肥満対策や丈夫な骨作りなど、とっても嬉しい様々な効能が期待できるなまり節。
本記事ではそんな知られざるなまり節の栄養とその効能について、皆様にお伝えしていきたいと思います。
目次
1.なまり節の主要な栄養素
なまり節には体に嬉しいさまざまな栄養がたくさん入っています!
1-1.なまり節100gに含まれる主要な栄養
なまり節100gに含まれている主な成分はこちらです。
文部科学省「食品成分データベース」より引用
1-2.とっても大切。体に欠かせない9つの必須アミノ酸も完備!
我々の身体では合成することの出来ない必須アミノ酸と呼ばれるアミノ酸が九種類あり、これらのアミノ酸は体外から摂取する必要がありますが、なまり節はこれら必須アミノ酸も全て持っています!
文部科学省「食品成分データベース」より引用
なまり節は低カロリー、高タンパク、低脂質の食品であり、食べ物からの摂取が必要不可欠な必須アミノ酸をバランスよく持っており、身体の調子を整えてサポートをする役目を持つ、ミネラルやビタミン群を豊富に持つ食品です!
1-3.低カロリー高タンパクの代表「鶏ささみ」と比較。筋肉アップにはなまり節が一歩リード!
一般的に低カロリーで高タンパクと言われ、筋トレのお供として有名な鶏ささみと比較しますと、
100gあたりの栄養成分において脂質はどちらとも1.1gで差はありません。エネルギーは鶏ささみが59kcalと僅差ではありますが少ないです。この表で注目して頂きたいのは、たんぱく質の量とビタミンDの量です。
たんぱく質は筋肉を作る元となる成分ですが、なまり節の方が13.4gも多く含まれています!さらに筋肉に作用することによって、筋肉中のたんぱく質合成を促進する働きを持っているビタミンDが、鶏ささみには一切含まれていませんが、なまり節には21.0μgも含まれています。
つまり筋肉を付けたいと思う場合は、たんぱく質が多く含まれており筋肉の増強を助けるビタミンDも同時に摂取できるなまり節の方がおススメというわけです!
2.なまり節を食べる事で期待できる効能
なまり節には豊富な栄養成分が含まれており、身体造りや健康維持に効果が期待できます!
2-1.筋肉量のアップ
効果が期待される成分:たんぱく質、ビタミンD、ビタミンB6、バリン、ロイシン、イソロイシン
なまり節に豊富に含まれているたんぱく質は筋肉の元となります。ビタミンDは筋肉中のたんぱく質合成を促進させる働きがあります。バリン、ロイシン、イソロイシンの3つの必須アミノ酸はBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれており、主に筋肉の形成に必要とされているアミノ酸です。
2-2.貧血予防
効果が期待される成分:鉄、イソロイシン、ビタミンB12、葉酸
私たちの身体に栄養や酸素を運ぶ大切な役割を持っている赤血球。赤血球の主成分であるヘモグロビンの生成には鉄、イソロイシン、ビタミンB12、葉酸等が必要ですがなまり節はこれら成分を全て含む為、ヘモグロビンの生成を促進・貧血の予防の効果が期待できます。
2-3.血液サラサラ効果
効果が期待される成分:EPA(イコサペンタエン酸)、ナイアシン、トリプトファン
EPAとは青魚に多く含まれている脂質の一種でなまり節にも含まれています。EPAは血液中に余った余分な脂質から脂肪が作られるのを抑制してくれて、また血管内に溜まってしまった中性脂肪を分解する働きも持っているので、血管内や血液中の余分な脂肪が無くなり、血液がサラサラになります。ナイアシンも血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす効果があり血液サラサラに貢献します。トリプトファンはそのナイアシンの合成に必要なアミノ酸です。
2-4.肥満予防とダイエット効果
効果が期待される成分:メチオニン、リジン、ヒスチジン、EPA、ビタミンB1、ビタミンB2
メチオニンとリジンは共にL-カルニチンという物質の合成に必要であり、このL-カルニチンは脂質を燃焼させてエネルギーを得るのに必須です。ビタミンB1、ビタミンB2はそれぞれ糖質と脂質の分解に必要であり、糖質や脂質を分解してエネルギーにすることによって、余分な中性脂肪が作られる事を防ぎます。
ヒスチジンから生成されるヒスタミンと言う物質は、脳の満腹中枢に働きかけて食欲の抑制を行うのでダイエット効果が期待できます。
2-5.丈夫な骨を作る
効果が期待される成分:カルシウム、マグネシウム、リン、ビタミンD
カルシウム、マグネシウム、リンの3つのミネラルは骨の主成分となる大切な成分であり、丈夫な骨を作り骨粗鬆症などを防ぐ為には、3つ全てが必要とされています。ビタミンDはカルシウムが骨に吸収するのを手伝ってくれる働きがあります。
2-6.疲労回復
効果が期待される成分:バリン、ロイシン、イソロイシン、鉄、ビタミンB1
バリン、ロイシン、イソロイシンのBCAAは壊れた筋組織を再生させる事で疲労回復の効果が見込めます。鉄分は筋組織のミオグロビンへ酸素を届ける事で疲労回復効果があります。ビタミンB1は「疲労回復ビタミンン」とも呼ばれており、筋肉に溜まった疲労の原因物質である乳酸の分解・燃焼を促進させることで、疲労回復の効果を発揮します。
2-7.アンチエイジング効果
効果が期待される成分:バリン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、ビタミンB2、ビタミンB6
バリンは肌を内側から支えるエラスチンという物質の構成アミノ酸であり、エラスチンが肌のハリや弾力を保ってくれます。メチオニンは体内に入ると美肌効果のあるシステインに変わる他、抗酸化作用を持つセレンを体中に運搬する働きもあり、抗酸化作用は細胞の老化を抑えてくれます。ビタミンB2もセレンの働きを助けます。フェニルアラニンは黒色色素メラニンの産生に関わっており、メラニンは白髪を予防してくれます。トレオニンは新陳代謝を促進し身体の成長を促すほか、コラーゲンの産生にも関与しているため美肌効果が期待できます。ビタミンB6はたんぱく質の合成を助けて皮膚や髪の毛の健康を保ちます。
2-8.血圧低下
効果が期待される成分:カリウム、マグネシウム
これらのミネラルは血圧を下げて血栓が出来ないようにしてくれます。またカリウムはむくみの予防にも効果があるとされています。カリウムはナトリウムが過剰にあると体外に排出されてしまう為、塩分の多い食事は控えましょう。
2-9.安眠効果
効果が期待される成分:トリプトファン
トリプトファンは神経伝達物質であるセロトニンを合成します。このセロトニン自体も精神を安定させる効果がありますが、さらにこのセロトニンから脳の松果体でメラトニンというホルモンが合成されます。メラトニンは夜になると多く分泌されて体温を低下させることで、快眠へと導いてくれます。
2-10.免疫力アップ
効果が期待される成分:ビタミンB6
ビタミンB6は免疫グロブリンという抗体の産生にも一役買っており、免疫グロブリンが多く存在する事によって身体の免疫力を高めてくれます。
3.生の鰹や鰹節との栄養素比較
なまり節は生の鰹を煮熟(しゃじく:お湯で煮る事)して骨を取って、焙乾(ばいかん:木を燃やした煙と熱で燻して乾燥させる事)を一度行って作られます。
そこから何度も焙乾を繰り返す事でカチコチの鰹節が作られます。
では同じ鰹から作られているなまり節と鰹節、栄養成分はどうちがうでしょうか?
栄養がより凝縮されているのは水分が飛んでいる鰹節ですが、一度に少ない量で効率よく栄養を摂取したい場合には、なまり節を食べる事が一番おススメできます。
下の表を見て頂くと、オレンジ色で塗った栄養は生の鰹からなまり節にした際に大きく増えており、なまり節を食べる事で特に効率よく摂取する事ができます。
食品の可食部100g中の成分一覧
文部科学省「食品成分データベース」より引用
先程お伝えしましたが、生の鰹から鰹節を作るまでの間になまり節までで1回、それから鰹節になるまで何回も焙乾させて水分を飛ばしていくので、水分値は生鰹の72.2g→58.8g→15.2gと鰹節に至るまでに57gもの水分が飛ばされています。
水分が飛ばされて凝縮する分だけ、ほとんどの栄養において100gあたりの量は、生鰹よりもなまり節、なまり節よりも鰹節という風に増えていきます。
この結果だけを見ると圧倒的に栄養価の高い鰹節を食べるのが一番に思えますが、あくまでこの表は食品100g中の成分であり、鰹節100gというと市販の鰹節パックを30~40袋食べる事になります。
ですので、現実的に考えて一度に鰹節を食べる量は多くても10g程になると思われますので、得られる栄養価も表の10分の1程度になると考えてください。
生鰹となまり節はどちらもそのまま食べられるので、より少ない量でたくさんのたんぱく質やミネラル、ビタミン類を効率良く摂りたい場合は、なまり節がおススメです!
4.まとめ
なまり節は低カロリー、高タンパク、低脂質であり、身体が必要とする必須アミノ酸やミネラル、ビタミン類を豊富に持っている食品です。
似たような栄養成分を豊富に持つ鰹節は、一度に少量ずつしか食べられませんが、なまり節はたくさん食べられるので、一度に多くの栄養を身体に摂りいれることが可能です。
本記事で取り上げた効能等は、あくまでなまり節に含まれる栄養にそのような働きがあるというものであり、なまり節をたくさん食べたからといって病気が治ったり、効果が必ず現れたりするというものではございません。なまり節に限らず、食べ過ぎや偏った食事は健康を害する恐れがありますので、バランスの良い食事を心掛けるようにしてください。
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