田作りと煮干の違いは作り方。調理方法も併せて詳細に解説します。

乾物屋さんの店先に並んだ「煮干し」と「田作り」の品名札。商品を見るとどちらも乾燥した小魚でほとんど同じように見えますよね。

「田作り」と「煮干し」の違いは製造方法にあります。

原料は「カタクチイワシ」で同じですが、「そのまま干すか」それとも「煮てから干すか」の違いです。

煮 干田作り
製造方法茹でてから干す干す
用途だし取り用乾煎り後 味付け
見た目目が白い目が黒い
食べてもおいしい苦みがある

似ているようで、全く違う「田作り」と「煮干し」を詳細に解説します。


1. 用途が違う

「煮干し」と「田作り」は原料はいずれもカタクチイワシで、見た目はよく似ていますが、使う目的が違います。

「煮干し」は主にだし取り用

「田作りは」炒ってから調味していただきます。

1-1「煮干し」は主にだしをとる

煮干はそのままでも調理しても食べられますが、主な用途はだしをとる素材として使われます。

家庭でつくられるお惣菜にはだしを取った後の煮干も取り出さずに「具」としてたべることも一般的です。

だしの取り方はこちらを参照ください ⇒ https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/anchovy-soup

1- 2「田作り」は調理して食べる。

田作りはそのまま食べてもおいしくありません。

醤油・砂糖・日本酒などで調理する料理としての「田作り」はおせち料理にかかせません。

田作りでだしをとっても生臭さが出てしまうので、だし取りには不向きです。

田作り

 

 

 


2. 製造方法が違う

「煮干し」も「田作り」も主な原料は「カタクチイワシ」です。

違いは乾燥させる前に「煮るか」「煮ないか」です。

2-1煮干は煮て干す

煮干は小魚を水または塩水で煮てから天日や機械で乾燥させた加工品です。
原料は主にカタクチイワシですが、細かく分類すればマイワシ・ウルメイワシ・アジ・サンマなど、最近注目されているトビウオも煮干として加工されています。

 

2-2田作りは生を干す

田作りの始まりは網にかかった小さな雑魚の水分が抜けて保存性が高まることを応用したのが起源と言われています。

煮干が数種の魚を原料にするのに対し、田作りはカタクチイワシから作られるのがほとんどです。
水洗いされたカタクチイワシをそのまま乾燥用のアミにのせ、天日や乾燥機で水分をとばします。

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3. 見た目が違う

煮干と田作りは製造方法が違うので見た目が違います。違いは「目玉」を見ください。

目玉が白くなっているものは「煮干し」です。


目玉の黒いものは「田作り」

良品を選ぶコツは表面の色を見ましょう。

3-1煮干は光沢のある銀白色

煮干は一度ゆでてあるのでたんぱく質が変化し、色素が抜けて目玉は必ず白くなります。

煮干は全体に光沢のある青みがかった銀白色の煮干を選びましょう。

頭の付け根がしっかりついているもの、特にお腹の部分が「く」の字に曲がっている煮干は新鮮な魚から作られた証です。

3-2田作りはまっすぐ

煮干の目玉が白名の対して田作りは目玉の黒です。

田作りの別名「ゴマメ」は目玉が「ゴマ」のように黒いことから「ゴマの目」 ⇒ 「ゴマメ」となりました。

田作りは楊枝のようにまっすぐな姿の物が上等とされます。生のまま干した形ででき上がるのでていねいに取り扱ったものほど姿はきれいです。

色は地域による違いがあり産地によって「青みがかった色」「澄んだ銀白色」に仕上げています。茶色や黄色味があるものは避けましょう。


4.味が違う

原料が同じカタクチイワシでも製造方法が違うので味も全く違います。

4-1煮干はそのままでもおいしい

煮干しは一度ゆでてあるので雑味が抜けて味が良くなっています。
主な用途は和食のだし取りです。

そのままでも食べられ、頭とはらわたを取り除けば煮物の素材としてもおいしくいただけます。

4-2田作りはそのままでは苦い

田作りは生の魚を乾燥させただけで火を通してありません。そのためそのままでは苦みがまさっておいしくありません。

おせち料理の「田作り」は乾煎りした後、しょうゆ・さとう・みりん等で味付けをして仕上げます。他にも佃煮原料にもなります。


5.まとめ

かつて日本の沿海ではカタクチイワシなどの小魚がたくさん獲れました。

保存方法として最初はそのまま干す方法がとられました。それでも余った小魚を畑に入れたところその後作物が良くでき、味も良かったことから「田作り」の名前が付けられました。
それに由来し、豊作を祈願したおせち料理の定番になりました。

煮干は和食のだし取り素材として高級料亭から一般家庭まで広く使われています。
原料はカタクチイワシだけでなく、マイワシ、アジやタイなどの小さい魚を利用して作られてきました。

それぞれの良さをいかして、和食の文化を味わいましょう。

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