削り節にカビが!食べられない理由と保存方法を徹底解説

カビが発育した鰹節

うっ、削り節がカビてる・・・

台所でそんな経験ありませんか?保存食だといわれている鰹節ですが削ったあとの削り節は、保存食とは言えません。条件がそろえば食パンなどカビが生えやすいものと同じくらい簡単にカビが生えます。

カビが生えたものは食べないほうがよいです。カビ自体にも問題がありますし、カビが生えてしまう環境では食中毒菌も増殖している可能性があるからです。

カビの正体から、発育するメカニズム、どうやったらカビをつけずに済むのか解説しますので、参考にしていただいて、カビから食品を守りましょう。


.カビの生えた削り節は食べられない

カビが生えた削り節は食べられません。

昔からカビの生えているところを除けば大丈夫と言われたことがあると思います。ブルーチーズなどあえてカビを付けた食品もあるので危険を感じないかもしれません。

これは、あくまでしっかりと管理された場面で作られた時の場合です。家庭で生えてしまったカビの中には無害なものばかりではなく毒を産生するような有害なカビが含まれる可能性があります。

ですから、意図せずカビがついてしまった食品は食べないほうが賢明です。

1 削り節につくカビの正体

①アオカビ

アオカビが生えている削り節     

削り節につくカビは『アオカビ』といわれる種類が多いです。

アオカビはペニシリンという抗生物質を含んでいたり、ブルーチーズを製造するためにチーズにわざとつけるなど、意図的に付けられることが多いです。アオカビの大部分は健康な人に健康被害を与えることはありません。

しかしアオカビのなかには人体に影響を及ぼす毒を産生するカビもあります。代表的なのがペニシリウム・シトリナムが産生するシトリニンは腎臓に影響します。肉眼では区別がつかないので、意図しないでついてしまったアオカビがついている食材は食べないほうがよいです。

アオカビは生活しているいろんなところに存在していて、おもにミカンなどの柑橘類やおもちなどで発育して目に見えるようになります。

②コウジカビ

コウジカビの画像

もうひとつは『コウジカビ』といわれる種類です。広く知られているのは味噌、醤油、日本酒などを作るときに使われる麹(こうじ)です。

人体にとって無害で、なおかつ食品をおいしくしています。鰹節のなかでも本枯節と呼ばれる鰹節もコウジカビをつけて、発酵・熟成されます。

すべてにおいて有益かというとそうではありません。アオカビ同様、人体に悪影響を及ぼす毒素を産生する種類もあります。お米や、ももなどについて発育します。

2 削り節にカビがつく理由

カビは温度・湿度(水分)・栄養・酸素の条件がすべてそろうと発生します。よってカビが生えてしまったらその温度・湿度・栄養・酸素がすべてそろってしまったということです。

①カビ発生のメカニズム

カビが発生するメカニズムは以下の通りです。

カビのサイクル

  • カビは胞子を飛ばす
  • 胞子が舞う
  • 胞子が着地する
  • 菌糸をのばし、育つ
  • 胞子の袋ができ、胞子を飛ばす

順を追って説明すると、まずはカビは胞子という状態で空気中をさまよっています。

大きさは512マイクロメートルです(アオカビの胞子)。ミリメートルでいうと0.0050.012ミリメートルです。1ミリメートルの200分の1の大きさですので、目には見えません。目に見えない嫌なものの仲間であるスギ花粉が0.03ミリメートルですので、かなり小さいことがわかります

その胞子が空気中をさまよっています。ちなみにちょっといい空気清浄機のフィルターは0.003ミリメートルのものがありますのでカビ胞子を除去できますが、ちゃんと手入れしないとカビ胞子を集めているだけになってしまうかもしれない・・・です。

そして、カビ胞子が着地をします。カビ胞子はどこにでも着地します。

着地した場所が、温度・湿度・栄養・酸素の条件がそろっていれば菌糸をのばし始めます。植物でいうところの芽がでた状態です。

芽が出た後は、発育し、たくさんの胞子を入れた袋ができて胞子を空気中に放出します。この状態になると肉眼で見えるようになっています。これがカビが生えたという状態です。

②カビの発育条件

カビには温度・湿度・栄養・酸素がそろうと発育しますが、とくに温度と湿度については好む場面と嫌う場面があります。

温度

温度帯によるカビの発育スピードのイメージのグラフです。

発育スピード 温度

基本的に538℃で発育します。38℃以上になると死滅していきます。しかし5℃以下にしても発育しないだけで死ぬことはありません。

特に20℃から30℃の温度帯が一番得意です。この温度帯は人が生活しやすい温度帯と重なっていますので、すごしやすい室温はカビにとっても得意な環境といえます。

湿度

湿度帯によるカビの発育スピードのイメージのグラフです。

発育温度 湿度

湿度が60%以上の環境ですとカビが発育します。8095%でもっとも発育します。窓の結露がなど水があるとことでも発育します。

雨が降っている日に換気が悪かったり、台所で水をつかっているような状況ですと湿度が80%を超えます。換気をしない浴室や洗面所は90%以上になっていてカビが最も得意とするところです。


.削り節にカビを付けない保存方法

削り節にカビを付けないおすすめの保存方法は、冷凍庫で保存することです。

なぜかというと、カビの発育条件(温度・湿度・栄養・酸素)のうち、一つでも条件から外せばカビは発育しないからです。冷凍庫に保存すればカビが発育する温度ではないので、カビが生えません。反対に、いつものキッチンの片隅では保存できません。

.冷凍庫が保存に適している理由

冷凍庫が保存に適している理由は低温で湿度も低いからです。

冷凍庫の温度は-20℃以下で湿度も20%くらいです。余分な水分は霜となって周りに付着してしまうので湿度が低い状態です。冷蔵庫も5℃以下ですからよさそうですが、実は冷蔵庫内は湿度が60%くらいになることがあります。加えて開け閉めの時や、買い物してきたものを入れたりすると、庫内の温度が上がってしまいます。

水滴のついた豆腐や野菜を入れると湿度も上がります。「冷蔵庫に入れておいたのにカビてしまった。」ということは以上のことが原因で起こっています。ですから、冷凍庫で保存するのが最適です。

.常温では保存できない理由

常温では、カビの発育条件がそろってしまう可能性が非常に高いため保存しにくいです。まず室温が一年中2030℃でカビの発育条件にあてはまります。

湿度も夏場は除湿しなければ60%以上になっていることが多く、冬場はインフルエンザなどの風邪対策やお肌の乾燥対策で加湿することもあるでしょう。削り節自体はカビが発育するほど水分を持っていなくても、周辺の湿気を吸ってカビが発育できる状態になってしまいます。

栄養を与えないというのも不可能です。そもそも削り節がカビの栄養になるからです。

最後に酸素を与えないようにするという方法ですが、ご家庭では少し難しいでしょう。チャック付きの袋に入れればと思いますが、酸素を遮断するまでの密閉はできません。脱酸素剤を使用すれば、酸素を吸ってくれるので酸素を与えないようにすることができますが、脱酸素剤にも容量があり、機能がずっと続くわけではありません。確実にカビから守るには常温での保存は難しいです。


3.まとめ

削り節はご飯やおもち、ミカンとおなじくらいカビやすいです。カビてる部分だけとって食べるというのはとても危険です。カビが生えてしまったらあきらめるのが賢明です。

ただ、カビをはやさないための方法ははっきりしています。温度か湿度(水分)か栄養、酸素を与えなければカビが生えることはありません。

削り節はなるべく冷凍庫で保存しましょう。でもおいしく召し上がるには開けたら使い切るのが一番ですよ。

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