目次
1.「潮かつお」とは
「潮かつお」(しおかつお)がどのような食べ物か、どうやって作られるのかを説明します。
1-1.「潮かつお」はかつおの塩蔵品
「潮かつお」はかつおの塩蔵品で、静岡県の西伊豆田子地区の特産品です。
現在では、日本で唯一、静岡県の西伊豆田子地区でしか作られていません。
とても希少な日本古来の伝統的な保存食です。
潮かつおの身は半生で、生ハムのような見た目をした食べ物です。
保存食の塩蔵品のため、塩辛いのが特徴です。
「かつお」と「塩」のみで作られたシンプルな味付けなので
噛むとかつおの旨みがじゅわっと口の中に広がり、その塩辛い味が病みつきになる珍味のひとつです。
そのまま食べる方法以外に、トッピングや調味料の代わりにも使われますが
特に日本酒がお好きな方におつまみとしてお試し頂きたい逸品です。
1-2.「潮かつお」の作り方
原材料はとてもシンプルで「かつお」と「塩」のみです。
まず、新鮮なかつおの内臓を取り除き、きれいに洗います。
次に、内臓を取り除いた丸ごとのかつおを使い、かつおの中・外ともに大量の塩をすり込み
2週間ほど塩に漬け込みます。
その後、塩漬けしたかつおの塩を洗い流し
日陰につるして、伊豆西海岸特有の冬の西風に3週間ほど当てて水分を抜き
乾燥・熟成させれば完成です。
ゆっくりと乾燥しながら、かつおのたんぱく質の熟成発酵が進み、旨みが凝縮され
「潮かつお」が出来上がります。
潮かつおは、静岡県の西伊豆田子地区で初冬から作りはじめます。
毎年、年の瀬が近づく11月頃より、西伊豆町の潮かつお生産は最盛期を迎えます。
2.潮かつおの歴史
古代日本では縄文時代の遺跡からも「かつお」の出土例があり
かつおは古くから食されていたことが知られています。
「潮かつお」はかつおを朝廷に納めていた奈良時代に起源を持つとされる伝統的な食べ物です。
日本には1300年ほど前から
かつおを塩漬けにして干したものを食べる文化があったと言われており
これが「潮かつお」(かつおの塩蔵品)の始まりとも言われています。
奈良時代に、田子から税金にあたる「租庸調」の「調」として
「荒堅魚(あらかつお)」を平城京に納めたという木簡記録があり
これがかつおの塩蔵品「潮かつお」ではないかという説があります。
また、「潮かつお」の切り身にお湯をかけるとおいしいだし(かつおのだし)が出たことから
かつお節の原型と言われることもあります。
西伊豆田子地区は、数十年前まではかつおの一本釣りがとても盛んで
かつお節の名産地のひとつでもありました。
その盛んなかつお漁の航海の安全と豊漁豊作・子孫繁栄を祈願し
地元漁師の方が神様へのお供えものとして、わらでお飾りを付けた潮かつおをつるしたことを起源とし
現在では「潮かつお」(しおかつお)=「正月魚」(しょうがつうお、しょうがつよ)とも呼ばれ
お正月に縁起物として飾る文化が西伊豆の年末年始の風物詩になっています。
お正月に飾られた潮かつおは
三が日を過ぎると神棚からおろし、みんなに振る舞う伝統ある郷土料理でもあります。
また、かつては田子地区の船員への雇用の証として、年始契約の品にも使われていました。
3.潮かつおの食べ方
今回は、カネサ鰹節商店さんの食べやすくスライスした真空包装商品を使ってご紹介します。
3-1.こんがり焼いて、酒の肴に
シンプルにフライパンで焼いて「焼き潮かつお」を頂きます。
かつおの旨みと塩加減が日本酒にとても良く合います。
ご飯のお供としてもおいしくいただくことができそうです。
3-2.洋風アレンジ、潮かつおクリームチーズ
クリームチーズに細かく刻んだ焼いた潮かつおとパセリをスプーンで混ぜます。
「潮かつおクリームチーズ」の完成です。
かつおの旨みとほどよい塩味がクリームチーズに良く合い、パセリも良いアクセントになっています。
そのままでも十分おいしいですが、クラッカーにのせたらおうちパーティなどのちょっとしたおもてなしにも最適です。
3-3.お酒の締めに最適!アツアツの潮かつお茶漬け
シンプルに潮かつおと刻みのり、ねぎをのせお湯を注いで
「潮かつお茶漬け」にしました。
噛み応えもあり、ごはんにのせてお湯を注ぐと塩辛さも濃すぎずにちょうどいい味わいになります。
お酒の締めだけでなく、朝食にもオススメです。
まとめ
「潮かつお」はかつおの塩蔵品で、静岡県の西伊豆田子地区の特産品です。
かつお節の原型とも言われる長い歴史を持った日本の伝統食のひとつです。
焼き潮かつお、潮かつおクリームチーズ、潮かつお茶漬けをご紹介しましたが
これら以外にも、酢漬けにしたり、うどん・サラダ・パスタ・チャーハンなど、具材やトッピング、調味料の代わりなどにも使われたりしています。
お酒のおつまみから具材・トッピング・調味料の代わりなど、幅広くお使いいただけますので、ぜひ色々な料理にお試しください。
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