おかかとは鰹節のこと?その語源と現代での使われ方から明快回答

コンビニのおにぎりの中でも定番のおかか。おかかと鰹節は同じ物なのかという素朴な疑問を持ったことがある人も多いと思います。
現代の日常会話で使っている「おかか」と、元々の「おかか」の意味は少し違っています。
まずは、整理するために下の表をご覧ください。

①鰹節生の鰹を加工して作った節、塊の状態。「おかか」は元々この①を指していました。
②削り節鰹節を薄く削った物、いわゆる花かつお。現代の日常会話で使う「おかか」はこの②のことを言うことが多いです。
③調味された削り節削り節をさらに細かくして、醤油などで味付けした物。おにぎりの具材などに入っている。現代の日常会話で使う「おかか」はこの③のことを指して言うことも多いです。

本来、鰹節と言ったら上の表の①のことを言います。
しかし、一般的に②や③のことを鰹節と言うこともあります。「おかか」とは、上の表の①のことなのか、②のことなのか、③を指していっているのかを、現代ではどうなのか、元々はどうだったのかに分けてお伝えしていきます。


1. おかかとは鰹節とその加工品のこと

「おかか」とは鰹節と、それを削ったり、さらに味付け調味した物のことです。

もう少し詳しく見ていきましょう。

1-1 現代の日常会話で使われている「おかか」

現代の日常会話では、冒頭の表の②鰹節を薄く削ったもの、いわゆる花かつおのこと、または③削り節をさらに細かくして、醤油などで味付けした物を指して「おかか」と言っています。

冒頭の表の②削り節


鰹節を薄く削ったもの、いわゆる花かつおです。

これを指して「おかか」と言う場合は以下のような会話になります。
使用例:「冷奴にかけたいから、ちょっとそこのおかかを持ってきて。」

冒頭の表の③調味された削り節


削り節をさらに細かくして、醤油などで味付けした物。おにぎりの具材です。

これを指して「おかか」と言う場合は以下のような会話になります。
使用例:「なんのおにぎりを買おうかな~。そうだ、おかかのおにぎりにしよう。」

以上のように現代では、鰹節を薄く削った削り節、またはそれをさらに味付けした物をおかかと呼んでいるのは実感できると思います。
それでは、節のままの塊の状態、本来の鰹節のことはおかかと呼ばないのでしょうか。

1-2 おかかは元々は鰹節自体のことを指していた

鰹節が初めて誕生した室町時代には「おかか」とは冒頭の表①の鰹節、つまり生のかつおを加工して作った節、塊の状態のことを指していました。
このことは「おかか」という言葉の由来、語源から裏付けられています。

冒頭の表の①鰹節


上がカビをつけた鰹節、下がカビを付ける前の鰹節です。

おかかは元々の由来、語源から考えると、この①の鰹節のことを指しています。


2. おかかという言葉の由来、語源

1-2でお伝えしたように、おかかという言葉が元々は鰹節自体を指していました。それを裏付ける、由来、語源を紹介します。

おかかという言葉の由来、語源には2つの説があります。

2-1 「かか」に「お」を付けた女房詞

初めて鰹節が製造された室町時代から、鰹節のことを「かか」と呼んでいました。それを当時の宮中に仕える女官たちは丁寧に、頭に「お」をつけて「おかか」と呼びました。このことから、おかかと鰹節は同じ物を指すことが分かります。

このように、女官たちが使った言葉を「女房詞」と言います。おかか以外にも現代に馴染み深い言葉の例として、おでん=田楽、おひや=水、お板=かまぼこ、などがあります。

これらの言葉はたくさん残っていて、この説はかなり有力だと思われます。

2-2 お掻き端(おかきは)が変化したもの

鰹節を削るとき、端から引っ掻くように削ったことからお掻き端(おかきは)と言われ、それが変化して「おかか」になったという説があります。

こちらも、削るときの様子が語源になっているということは、「おかか」が削る前の節のままの塊としての「鰹節」のことを指している裏付けになります。


3. コンビニおにぎりの具材はおかかと表示されるか、鰹節と表示されるか

これは、「おかか」と表示しなければならないとか、逆に「鰹節」と表示しなければならないという規制はありません。

コンビニのおにぎりを買って、裏ラベルを確認してみました。


セブンイレブンのおにぎりです。
表面の表示は「おかかづくし」です。裏面の原材料名の表示は「焼おかか醤油たれ和え」です。


ローソンのおにぎりです。
表面の表示は「おかか」です。裏面の原材料名の表示は「ごま入りかつお節佃煮」です。

以上2商品は実際に買ってきました。ファミリーマートは6店舗、ミニストップは2店舗回りましたが、おかかのおにぎりを店頭で見つけられませんでした。

サンプルが少ないので、以下、他のサイトから裏ラベルの写真を確認してみます。


セブンイレブンの「おかかふんわり仕立て」というおにぎりです。
原材料名は「ごま入り味付けおかか焼き」となっています。

https://takuma-life.jp/okaka-hunwari/ より引用


ファミリーマートの「クリームチーズおかか」というおにぎりです。
原材料名は「調味おかか」となっています。その下に「かつお削りぶし」の表示もあります。(記載する順番は使用量の多い順です。)

https://supersalariedman.blogspot.com/2019/02/blog-post_97.html より引用

「おかか」が含まれる表示をしているものと「鰹節」が含まれる表示をしているものと両方がありました。

全国数万の店舗で販売をしているコンビニの裏ラベルに、これら両方の表示があるということから、おにぎりの原材料名の表示の仕方に、「おかか○○」としなければならないとか、「鰹節△△」としなければならないといった個別の規制はないと考えて間違いないでしょう。


4. まとめ

いかがでしたか。

私たちが普段、日常会話で話している時の「おかか」は鰹節を薄く削った削り節(花かつお)のこと、または削り節をさらに調味味付けした物(おにぎりの具材が思い浮かびます)を指していることがほとんどです。

元々は節(ふし)自体、削る前の塊である鰹節を指していたのは少し意外かもしれませんね。しかし由来、語源から考えると鰹節自体を指していたことが分かります。室町時代の女官たちが上品に「おかかを削って豆腐にかけると美味しいでおじゃる。」なんて話しているのを想像するのもまた楽しいですね。

 

 

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