山芋と長芋の違いが分かりますか。
実は山芋という品種はなく、「やまのいも」という総称の下に長芋、大和芋、いちょう芋、自然薯と分類されています。
この4種類の違いを知るにもまず、これらを見分けられないと始まりませんね。
まずはこれら4種類を見分けられるようにしたいと思いました。そこで実際にスーパーを回り、購入した各々の芋を、芋の形とスーパーではどう表示されているのかの両方が分かるように、パックされたままの状態で写真を撮りました。元来自生する種類の自然薯は栽培に手間がかかる(非常に長くなるので土中に筒を埋めてそこに通す)のが要因なのか、入荷しにくいらしく5店目のスーパーでやっと購入できました。
そして、これら4種の旬の時期(いつ買うのがいいか)、栄養分や粘り強さの違い、そこからくる適する料理を順にご紹介していきます。
是非お読みください。
目次
1. 山芋という品種はなく、「やまのいも」という総称の中に長芋や大和芋などと分類される
実は私たちがよく言う山芋という品種はありません。
「やまのいも」という大きな分類の中に、長芋、大和芋、いちょう芋、そして日本の野山に自生している自然薯に分けられます。
これを図にすると以下のようになります。
や ま の い も | |||
![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
長芋 | 大和芋 | いちょう芋 | 自然薯 |
長芋と自然薯は見た目で明らかに分かります。
呼び方で注意する必要があるのが大和芋です。丸っこい球形の芋を一般的に大和芋と呼びますが、関東ではつくね芋と呼ぶこともあります。またいちょうの葉に似た形の芋をいちょう芋と呼びますが、関東ではこれを大和芋と呼ぶこともあります。スーパーではこの2つをまとめて大和芋として売られていることも多いです。
この記事の目次は大和芋(関東ではつくね芋)、いちょう芋(関東では大和芋)と表示します。
1-1 長芋
円筒形の長い形です。
これが長芋というのはとても見分けやすいと思います。
写真から分かるように購入した商品のラベルに「品種名やまの芋」と表示がありますね。
1-2 大和芋(関東ではつくね芋)
長芋より丸っこい球形に近い形です。
関東ではつくね芋と呼ばれることもあります。
1-3 いちょう芋(関東では大和芋)
いちょうの葉に似ています。
関東ではこれを大和芋と呼びます。
購入したのは関東の隣静岡県のスーパーですが、表示は「やまといも」でした。
1-4 自然薯
自然薯はとても細長く、上の写真はパックに入れるために切ったものです。
他の種類の芋はスーパーで簡単に見つかりましたが、自然薯はスーパー巡り5店目でやっと見つけ、買うことができました。
2. やまのいもの旬は10月から3月
旬の時期はいずれの種類も10月から3月です。その中でももっと絞って言うと11月から1月が旬と言えます。
この時期に掘るものを「秋堀り」と言います。
ただし、長芋についてはこの時期に掘り出さずに4~5月に掘り出す「春堀り」によっても収穫をします。秋堀りものと比べると新鮮さは劣りますが、旨味や成分が凝縮されて濃厚な味になります。
山芋の旬について|良好倶楽部 (ryoko-club.com)
3. やまのいも4種類の栄養分の違い
100g当たり葉酸μg他はmg
| カリウム | ビタミンB1 | ビタミンB6 | 葉酸 | ビタミンC |
長芋 | 430 | 0.10 | 0.09 | 8 | 6 |
大和芋 | 590 | 0.13 | 0.14 | 6 | 5 |
いちょう芋 | 590 | 0.15 | 0.11 | 13 | 7 |
自然薯 | 550 | 0.11 | 0.18 | 29 | 15 |
日本食品標準成分表2020年版(八訂)
1番多い数値を赤字にしてあります。
4種類どれもがカリウムが豊富な食品と言えます。
元が同じ品種の4種類ですから、大きな差はありませんが、その中でも自然薯が最も栄養豊富で水分が多い長芋はやや少ないことが分かります。
上の表に掲載した栄養素の主な働きです。
カリウム
ミネラルの1種で浸透圧の調整をします。ナトリウムを排出する働きがあるため、塩分の摂りすぎを抑え血圧を下げる効果がある成分です。
ビタミンB1
糖質を燃やしてエネルギーに変える時に必要なビタミンです。糖質、アルコールの摂取が多い人に摂っていただきたい線分です。
ビタミンB6
たんぱく質の分解を助ける働き、赤血球のヘモグロビンを合成する働きがあります。
葉酸
赤血球を作る働きがあり、造血のビタミンと言われています。
ビタミンC
皮膚や竿棒のコラーゲンを合成する栄養素です。コラーゲンはお肌プルプルになるというイメージが強いと思いますが、それ以外にも細胞と細胞をつなげる役割を持っています。
大塚製薬 栄養カレッジ参照
4. やまのいも4種類の粘り強さの違いとそこからくる適する料理
| 粘り強さ | 味 | 適する料理 |
長芋 | 1番弱い | あっさりした味わい | サラダ、切ってそのまま |
大和芋 | 自然薯に近い粘りがある | 濃厚 | とろろ汁、山掛け |
いちょう芋 | 長芋よりも強い | 上品な甘味がある | 同上 |
自然薯 | 1番強い | 濃厚 | 同上 |
長芋は他の3つに比べればとろろにしたときに濃厚さが少なく感じるのは確かです。
でも逆にそのあっさりというかさっぱりした食感を活かしたとろろレシピもあります。
梅干しの種を取り、梅肉を叩いてつぶす。
長芋をすりおろしたとろろにつぶした梅肉を和えます。
これにちょっとの醤油を加えて、しゃぶしゃぶにした豚肉にかけます。
さっぱりして、特に夏にお勧めのレシピです。しゃぶしゃぶにはポン酢と大根おろしという定番に、もう1つバリエーションが加わりますね。
5. まとめ
いかがでしたか。まず1章で見分け方は出来るようになると思います。その上で栄養分や粘り強さの違いから作る料理もそれぞれ適したものがあるんだと伝わったらうれしいです。
とても美味しいうえに3章でお分かりのように体に良い栄養素も豊富な食材ですね。ぜひ食卓の1品に加えてみてください。
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