魚の食べ方って決まっているの!?
お仕事の関係でちょっと高級な日本料理屋をお客様と訪れた時、尾頭付きの焼き魚が出されたら「どうやって食べたら正解なの!?」と慌ててしまうことってありますよね。
決心して箸を持っても、頭から食べるのか・尻尾の方から食べるのか。骨はお皿のどこに置いたら・・・。
でも安心して下さい、これから食事をする方でも直ぐに出来るポイントを3つに絞ってお話いたします。
- 焼き魚の楽な食べ方
- 焼き魚を食べるときのマナー
- きれいに見える食べ終わり
この3つのポイントを抑えれば、綺麗で正しい食べ方ができるようになるのです。
1.背骨に沿って上から押すと食べやすくなる。
焼き魚の骨って邪魔ですよね。しかし、このめんどうな骨を取るのにはちょっとしたコツがあります。
それは、『背骨に沿って上から箸で押す』ことです。焼き魚の骨を上手に外すと焼き魚は劇的に食べやすくなります。
魚の上側の身と下側の身は背骨によってくっ付いています。
焼き魚を食べ始める前に箸のハラの部分を使い、頭側・真ん中・尻尾側と3ヶ所程度軽く押すと背骨から身が離れます。背骨から身が離れると箸で身を取り外しやすくなりますので、劇的に食べやすくなるという訳です。
また、箸のハラで押す事は食事のマナー違反とはなりませんので、安心してください。
魚の骨は頭部から尻尾に向けて一直線に伸びています。
目安としては、頭から尻尾に向けて直線場を押していけば、背骨の上側を押すことが出来ます。
2.焼き魚を食べるときのマナー
背骨と身がほぐされた焼き魚ですが、食べるときに2つの注意点があります。
それが、焼き魚を食べるときのマナーとなります。
①頭部側から食べ始める
②魚はひっくり返さない
この2つにマナーに注意して食べ始めましょう。
2-1 食べ始めのマナーは頭側から
焼き魚は自分から見て左側に頭部がある状態で提供されます。
食べ方は、上身の頭部側から箸を入れていき、そのまま尻尾に向けて食べ進めていきます。
2-2 魚はひっくりかえさない
上身を食べ終わったら、下身側を食べていくのですが、ここで注意したいのが、「魚をひっくり返してはいけない」ことです。
上身を食べ終えたら、頭と背骨を下身から取り外していきます。
魚の骨を上手に外すコツは、魚の頭部を少し上にあげ、骨と身の間に箸を入れると簡単に取り外せます。
手で頭を押さえて骨を取っても構いませんが、なるべく手を汚さないように箸で骨を取る事をお勧めします。
外した骨は、皿の上側に置き、下身を食べます。
食べている最中に小骨があった場合も皿の上側の骨と一緒にまとめておきます。
どうして皿の上側に骨を置くのかといいますと、箸で食事をする場合、箸は手前側に動かす動作が多くあり、外した骨が手前にあると邪魔になるからです。
このため、外した骨を皿の上側に置くことで綺麗に食べることが出来るのです。
焼き魚を食べるときに一番厄介なのはこの骨を取り除く作業があることです。
では、魚を焼く前に骨を取れば食べる時も楽なのにと考えてしまいますが、どうして骨が付いたまま魚を焼くのかというと魚を焼くと魚の水分が外に抜け出てしまうからなのです。
お肉でいうと肉汁といった所でしょうか。
この水分が抜ける時に魚の身は縮んでいき、元の魚の形が崩れやすくなってしまうのです。お店側からすると形の崩れた焼き魚をお客様に提供するわけにもいきませんので、骨や頭が付いた状態で焼かれることが多いのです。
3.きれいに見える食べ終わり
魚の身を全て食べ終えてもお皿の上がごちゃごちゃしていたら、なんだか汚らしく感じてしまいます。食べている最中に出てきた骨や皮は一ヶ所にまとめておきましょう。
また、お客様との食事会や知人との外食などで更にスマートに見せたい場合は、「懐紙」を使う事をお勧めします。
焼き魚で出た骨を懐紙で隠して置くことは、和食のマナーとしてもとてもスマートな作法です。
懐紙とは、お茶の席などで使用する和紙のことで、現在では100円ショップでも見かけることがあります。
この懐紙は食事中の口元の汚れやテーブルに醤油を一滴こぼした時にサッと拭ける食事中の万能紙です。
また、焼き魚の背骨を外すときに魚の頭を手で直接抑えて外す場合もありますが、この懐紙を頭に添えて背骨を外せば、手も汚れることもなく見た目もスマートです。
4.まとめ
日本の食文化では箸を使って料理を食べることがほとんどです。
とりわけ魚の食べ方はなかなか難しい作法の部類に入るのではないでしょうか。
一人での食事なら焼き魚を好きなように食べても問題ありませんが、お客様との食事や目上の方との食事会では今回紹介した“魚の食べ方3つのポイント”を覚えておくだけで食事作法に余裕が生まれ、立ち居振る舞いにも自信が持てる様になりますので、是非参考にしてください。
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