「しいたけの石づきは捨てるって聞いたけど…。」
しいたけの石づきを捨てる際、傘の真下の棒の部分を全て捨てていませんか?
実はその部分は軸と言って、食べられる部分なのです。
石づきとはその軸の先端、5mm~10mm程の黒っぽくて硬い部分のことだけを言います。
石づきはしいたけが育った、原木や培地と接地していた部分であり、
樹皮や培地のおがくずが混じっていたり、とても硬かったりと、
食べられない部分なのです。
今まで間違って覚えていたかもしれない、しいたけの石づきについて、
本記事で解説をしていきます。
1.石づきとはしいたけの根本の黒い部分のこと。
しいたけの石づきとは上の写真の線の下部分、
しいたけの根本にある黒っぽくて、硬い部分のことです。
しいたけは大きく分けると、傘(かさ)と軸(じく)、そして石づき(いしづき)
これら3つの部位に分けることが出来ます。
傘の下にある軸から先は全て「石づき」であると勘違いされがちなのですが、
軸と石づきは違う部位の事を指します。
元々は樹木の表面に接していた部分で、根本からおよそ5mm程であり色はその上の軸と比べて、
黒っぽく触ると硬いのが特徴です。
「しいたけの石づき」とは全てこの、軸の先の黒くて硬い部分の事を指しております。
2.しいたけの石づきが食べられない2つの理由
さて、しいたけの石づきについて簡単に説明をしましたが、
気になることは、食べられるかどうかですよね。
結論から申しますと、しいたけの石づきは食べられません。理由は大きく二つあります。
2-1. 硬くて美味しくないから。
しいたけの石づきが食べられない最大の理由は単純です。
とても硬くて、噛み切れずに美味しくないからです。
しいたけの他の部位は、肉厚な傘の部分は焼いて食べたり、お鍋に入れたりして美味しく食べられます。
軸の部分は、傘と比べると少し硬いですが、縦に細かく裂いてきんぴらにしたり、
旨みもたっぷり含まれているのでお出汁をとったりできます。
しかし、石づきの部分は軸とは比較にならない程硬いです。ですから石づきは食べられません。
2-2. 樹皮やおがくずが混じっている可能性があるから。
しいたけの石づきが食べられない2つ目の理由は、
しいたけの石づきには、樹皮やおがくずなどが混じっている可能性があるからです。
どういうことか、と思われる方が多いと思います。
しいたけは植物ではなく、菌類の仲間であり、胞子で子孫を残します。
胞子は木や培地に付くと菌糸を伸ばします。この菌糸が成長して集まって融合すると、
原基という塊になります。この原基の部分が石づきと呼ばれており、
ここから伸びてくる子実体(軸と傘の部分)を支える役目をしています。
樹皮やおがくずが石づきに混じる原因はその栽培方法にあります。
しいたけの栽培方法ですが、しいたけの栽培方法は2種類あります。
「原木栽培」と「菌床栽培」の2種類です。
どちらの栽培方法にしても、育った菌糸は原基となり、原木栽培の場合は原木の樹皮とくっついています。
菌床栽培の場合は、おがくずを主とした培地の表面と、しっかりと融合してくっついています。
そのため石づき(=原基)には、原木の樹皮やおがくずが混じっている可能性があるのです。
木の皮や、おがくずは食べられませんよね。
ですから、樹皮やおがくずが混じっている可能性がある、石づきは食べられないのです。
3.石づきの簡単な取り除き方
石づきは包丁を使うことで、簡単に取り除くことが出来ます。
その方法として、
①石づきの部分を輪切りにして切り落とす方法
②石づきの黒い部分を削り落とす方法
以上の2種類の取り除き方があります。
3-1.しいたけを寝かせて、軸と石づきの境目で輪切りにする
とても簡単で単純な方法です。
しいたけを横に寝かせて、軸と石づきの境目を切り落とすだけです。
切るのは、軸の先端5mmから10mm程の部分で、硬く色の違う部分です。
簡単に石づきを切り落とすことが出来ます。
残った傘と軸を料理に使いましょう。
3-2.軸に対して斜めに包丁を入れて、石づきの黒い部分を削り落とす
なるべく軸の部分を無駄にしたくない方にお勧めの取り方です。
周囲の黒い部分だけをそぎ落とすことで、中心部の軸は残るので、
先ほどの石づきの部分を輪切りにして落とすよりも、
食べられる場所は多くなります。
4.しいたけの石づきに関する良くあるQ&A
Q.1 しいたけの石づきが黒っぽい色をしているけど、大丈夫なの?
A.問題ありません。
特に原木栽培のしいたけの石づきは、原木の樹皮と融合しているので、
黒っぽい色合いとなります。石づきは黒くても問題ありませんが、
傘の表面や裏側、軸の部分が黒くなっている場合は、食べるのを控えましょう。
トリコデルマ菌という菌が繁殖していたり、しいたけが古くなって弱っていたりするサインです。
Q.2 しいたけの石づきの部分に白っぽいカビみたいな物が生えている!
A.しいたけの傘や石づきの表面に生えている、白くてふわふわした物は、気中菌糸と呼ばれる、
しいたけの菌糸が、表面に出てきている物の可能性が高いです。
この菌糸はしいたけとなんら変わりのないものですので、食べても問題ありません。
ただし、粉っぽい白いものの中に、青色や緑色のものが混じっている場合はカビなので、
食べないようにしましょう。変なにおいがしたり、傘がぬるぬるしたりしている物も食べてはいけません。
Q.3 しいたけの石づきの栄養は?どんなレシピがあるの?
A.しいたけの石づきは食べられる部分ではありません。
販売業者によっては、軸の部分を石づきと言って販売している場合があります。
軸でしたら、ビタミンDや食物繊維などを含んでおり、
生のしいたけには旨み成分であるグルタミン酸、干ししいたけにはグアニル酸が多く含まれています。
細かく裂いてきんぴらにして、食感を楽しんだり、出汁をとったりしましょう。
Q.4 干ししいたけにも、石づきってあるの?
A.付いている場合があります。
自然栽培に近い形で生育をする原木栽培のしいたけは、
新鮮な状態で生食出来る期間が短く、ほとんどが干ししいたけに加工されます。
そのため干しシイタケにも石づきと、そこに融合した樹皮が付いている可能性があるので、取り除きましょう。
5.まとめ
・しいたけは、「傘」と「軸」そして「石づき」の3つの部位に分けられます。
・石づきは軸の先端5mm~10mm程の黒くて硬い部分の事です。
・石づきはとても硬く、原木の樹皮や培地のおがくずなどが付いている可能性があるので、食べられません。
・しいたけを食べる時は軸の部分を輪切りにして切り落とすか、黒い部分をそぎ落としてから料理しましょう。
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